米中間選挙で民主党が上下両院の多数派を奪還し「ねじれ議会(分割政府)」となったことで、トランプ政権の対イラン政策には強いブレーキがかかる一方、対中政策は超党派の強硬姿勢が維持されるため大きな方向転換は起きにくい見通しという。
対イラン情勢:軍事行動への制約と停戦交渉の加速
2026年2月に始まった対イラン軍事作戦とそれに伴う原油高・インフレが共和党の歴史的大敗を招いた最大の要因であり、トランプ大統領自身も敗因の一端であったことを認めている。今後の情勢は以下の3つの軸で動くと推測できる。

• 議会による戦争権限の制限と戦費の凍結
上下両院を掌握した民主党は、大統領の独断による軍事行動を制限する「戦争権限決議案」の可決や、追加戦費の予算承認の差し止めを通じて、再攻撃や戦線拡大に強い歯止めをかける。
• 停戦・外交合意への圧力
膨らむ戦費と国内の「戦争疲れ」を受け、トランプ政権はカタールなどが仲介する停戦交渉の妥結を急ぐ立場に追い込まれている。
• イラン側の強気姿勢と交渉の難航
米国内の厭戦ムードと政権の足元を見たイラン側は「合意には程遠い」と強硬な姿勢を崩しておらず、制裁解除や安全保障の条件を巡って交渉が長期化するリスクもくすぶっている。
対中情勢:強硬路線の維持と通商・関税アプローチの摩擦
イラン問題とは対照的に、中国に対する警戒感は米議会の超党派で共有されているため、共和党の敗北が対中融和につながることはない。

• 高関税と輸出規制の継続
関税の発動や先端半導体・AI技術の輸出規制は大統領権限(行政命令)で実行できる領域が広く、議会の勢力図が変わっても既存の追加関税や制裁措置が撤回される可能性は極めて低い状況だ。
• インフレ対策を巡る関税権限への牽制
ただし、高関税による物価高が有権者の不満を招いたことから、民主党議会は消費者物価を押し上げる無差別な関税拡大には反発し、公聴会や通商権限の見直し議論を通じて政権の独走を牽制する。
• 同盟国との連携重視への揺り戻し
民主党主導の議会は、単独主義的な圧力よりも日本や欧州などの同盟国と足並みを揃えたサプライチェーン規制や、台湾への防衛支援強化を優先するよう政権に働きかけることになる。
結果として、トランプ政権は議会との対立が深まる中東(イラン)での泥沼化から早期の出口を模索しつつ、大統領権限を行使しやすい対中通商・安全保障分野で強硬姿勢をアピールする展開が予想される。
と、まあ、単なる推測だから何とも言えないが、日本としては対中政策が一番気になるところだが、民主党でも多くは反中国に傾いているようで、これはこれで多少は安心できる材料だ。