2026年9月6日に投開票が行われたドイツ東部・ザクセン=アンハルト州議会選挙で、強硬右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率43.8%を記録して歴史的な大勝を果たし、初の第1党へと躍進した。
主要なポイントと背景・影響は以下の通り。
1. 選挙結果の概要

AfDは前回の2021年選挙(20.8%)から得票率を倍以上伸ばし、同党として全州議会選を通じて過去最高の得票率を獲得した。一方、これまで州政権を率いてきた中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)は激減し、惨敗を喫した。

• 投票率:77.8%(2021年の60.3%から大幅上昇し、東西ドイツ再統一以来の最高水準)
2. AfDの勝因と背景

• ウルリヒ・ジークムント氏の存在感:AfDの筆頭候補となったジークムント(Ulrich Siegmund)氏は、SNS等を効果的に活用して若年層や労働者層の支持を獲得した。
• 連邦政権への根強い不満:ベルリンの連邦政府(フリードリヒ・メルツ首相率いるCDU/SPD連立政権など)のインフレ対応やインフラ問題、経済不安、エネルギー政策に対する東部住民の不満を吸収した。
• 厳格な移民・治安政策:厳格な国境管理や不法移民の即時送還など、他党との差別化を図った政策主張が支持を集めた。
3. 連立形成と「防火壁(Brandmauer)」の課題

大勝したAfDだが、政権を単独で担うための過半数(42議席)には 3議席届か(39議席)なかった。これにより、州政権の樹立は極めて不透明な情勢となっている。
• 「防火壁( cordon sanitaire )」の継続:ドイツの主要政党(CDU、SPD、緑の党、左翼党)は、憲法擁護庁から「極右組織」に認定されているAfDとの協力・連立を排除する「防火壁」方針を堅持している。
• 他党による連立の困難:一方で、CDU・SPD・緑の党などの主要民主政党を合わせても過半数に届かず、左翼党や新興勢力BSWとの協力が不可欠となるため、非AfD政権の樹立も極めて難航が予想れる。
• 再選挙の可能性:AfDのジークムント氏は「連立が成立しなければ再選挙も辞さない」と言及しており、政治的混乱が続く可能性がある。
4. 国政・ヨーロッパ全体への影響

・CDUとメルツ連邦政権への打撃:支持基盤であった州でCDUが得票率を半減させたことは、国政を率いるメルツ首相への大きな不信任案とも受け止められている。
・東部でのAfD優勢の定着:2024年のチューリンゲン州選などに続き、東部ドイツにおいてAfDが最大の政治勢力として定着したことを印象付けた。
・直後の他州選への波及:9月下旬に控えるメクレンブルク=フォアポメルン州やベルリンの選挙にも直接的な影響を与えることが確実視されている。