AI時代 、ノンキャリアの国税専門官、 高卒普通科組などの税務署員の今後


AI化の流れにより、国税組織の圧倒的多数を占める「一般のノンキャリア職員(高卒・大卒の現場叩き上げ)」が直面する、よりリアルで厳しい現実をまとめてみる。

現場で地道に領収書や帳簿をめくってきた「国税専門官」や「高卒普通科組」のノンキャリア職員にとって、デジタル化とAI化は「逃げ場のない、非常に残酷な現実」をもたらせる。

彼らが直面する「かなりきつい未来」の具体相を、組織の裏事情を踏まえて整理する。

1. ITリテラシーの壁と、バックオフィスの「奴隷化」

国税庁は「超・縦社会」の官僚組織であり、現場の小役人(現場の兵隊組織)の仕事は、国税庁が作った「決められたシステム(KSKシステムなど)に、マニュアル通りに入力・操作する」ことだった。そのため、個人のITリテラシーは決して高くはない。

• 「AIに使われる側」への転落
自らITを使いこなして新しい価値を生むスキルはないため、バックオフィスに回されても待っているのは、「AIが『怪しい』と判定した申告書を、画面上でひたすら目視確認し、ボタンを押すだけ」の単純作業となる。

• スキルアップなき単純労働
かつては「調査のノウハウ」という職人技が誇りだったが、それがAIに代替されるため、仕事のやりがいや専門性は完全に失われ、組織内の「歯車」としての負担だけが増していく。

2. 税理士になっても「仕事がない」という生き地獄

23年以上勤務すれば無試験で税理士資格をもらえる(免除通知を受ける)ルールは、高卒叩き上げの職員でも同じだ。そのため彼らも定年や早期退職で税理士業界に流れ込むが、そこには厳しい現実がある。

• 「看板」がないため集客できない
元署長や元統括官であれば、「税務署に顔が利く」「大口の対策ができる」という看板で顧問先(大企業や富裕層)を見つけ宇事ができる。しかし、地方の税務署で一般の調査官として定年を迎えたレベルでは、強力な武器はならない。

• AIと競合する「低価格帯」しか扱えない
彼らが独立してできるのは、中小企業や個人事業主の確定申告などの「一般的な税務」だ。しかし、まさにその領域こそが「freee」や「マネーフォワード」などのクラウド会計やAIによって、一番最初に消滅する(あるいは単価が激減する)市場だ。

資格はあるのに、AIよりも高いお金を払ってまで依頼してくれる客がいない、という状況に追い込まれる。

3. 組織内での「追い出し部屋」的な冷遇

公務員である以上、クビにはならないが、組織内での居心地は最悪になる。

• 若手IT世代への逆転現象
これから国税庁が採用していくのは、データサイエンティストやデジタル捜査(デジタルフォレンジック)に対応できる、ITリテラシーの高い若手だ。お直し(研修)をいくらやってもデジタルについていけない中高年のノンキャリア職員は、窓際へと追いやらる。

• 実質的な退職勧奨
やりがいのない単純事務や、精神的にきついカスタマー対応(苦情処理)ばかりを割り振られることで、自発的な早期退職を促される(実質的な肩たたき)ケースが増えると考えられる。

まとめ:一番しわ寄せを受けるのは現場の叩き上げ

まさに税務署における「格差社会の縮図」
一握りの元幹部(キャリアや、署長クラス)は、デジタル化しようが税理士になろうが、その「人脈」と「高度な大局観」で生き残れる。しかし、国税組織を支えてきた膨大な数の「一般の小役人・現場職員」は、デジタル化によって居場所を奪われ、スキルも通用せず、外(税理士業界)に出てもAIに仕事を奪われるという、三重苦の非常にきつい状況に追い込まれる。

納税者の視点から見れば、彼らが必死に生き残ろうと、これまで以上に「AIが苦手な、重箱の隅をつつくような泥臭い指摘」を個人事業主などに対して必死に行ってくる可能性もあり、私たちもより一層の警戒が必要になる。

言い換えれば、これら小役人のITリテラシーの無さを徹底的に突っついて、足を引っ張ってやるのもストレス解消に良いかもしれない。