中国の「発展途上国」扱い先進国宛送料激安を見直し


国連の万国郵便連合(UPU)で中国が「発展途上国」扱いされ、先進国宛ての送料が安く設定されていたが、アメリカなどの強い不満と制度見直し、さらに近年の関税や免税ルールの厳格化が進んだことで、その激安の仕組みが終わりを迎えた。これにより中国からの激安通販が成立しなくなるのではないか、という疑問がでてくる。

結論から言えば、中国からの激安通販が完全に成り立たなくなる(消滅する)わけではないが、これまでの「数百円の格安品を中国から1点ずつ国際郵便で直送する」仕組みは限界を迎え、大手EC各社はビジネスモデルの大転換を進めている。

🔷個別直送(Direct-to-Consumer)モデルへの大打撃

• UPU制度の見直し:万国郵便連合(UPU)の到着料ルール改正により、各国が自国への国際郵便料金を独自設定できるようになり、中国からの小口配送コストが大幅に上昇した。

• 免税枠(デミニミス・ルール)の廃止・厳格化:米国での800ドル未満の免税枠廃止や、EUでの小口貨物への固定通関手数料・関税の導入など、格安商品でも1点ごとに税金や通関費用が課される仕組みへの見直しが進んでいる。

• 結果:500円の雑貨や1,000円の洋服に固定の通関手数料や配送費が上乗せされるため、単品での個別航空便発送は採算が合わなくなっている。

🔷激安EC(Temu・Shein等)が生き残るための適応策

• 現地倉庫(現地在庫)モデルへのシフト:個別発送から、海上コンテナ等で目的地国の倉庫へ一括輸送・保管する「半管理モデル」へ急速に切り替えている。大口輸入であれば1商品あたりの通関・物流費を大幅に下げられる。

• 「まとめ買い」前提の仕組み化:最低注文金額を引き上げたり、複数商品を一箱にまとめて発送させたりすることで、1品あたりにかかる固定の通関・配送コストを薄めている。

• 圧倒的な製造原価の強み:中国の工場直結(D2C)による圧倒的な原価率の低さ自体は変わらないため、関税や物流費が乗った後でも、先進国のローカル店舗より安価を維持できる。

🔷今後の市場とショッピングへの影響

• 数十円〜数百円の「極端な超格安品」の減少:10〜30%程度全体の価格帯が引き上がったり、送料無料の条件が厳しくなったりする。

• 配送速度の向上:先進国内の現地倉庫からの発送が増えるため、注文から到着までの日数は以前の数週間から数日へと短縮される。

• 小規模事業者の淘汰:自前で現地物流網を組めない中小の個人輸入事業者(ドロップシッパー)は撤退を余儀なくされ、巨大な物流資本を持つ一部の大型プラットフォームへ市場が集約されていく。

「中国から国際郵便で1点ずつタダ同然で送る」時代は終わったが、物流の現地化と大口化によって「国内の一般小売より明らかに安い」というポジションで形を変えて存続していくことになる。