ドイツの高級自動車大手BMWが、2027年末までに最大約8,000人(全従業員の約5%)規模の人員削減(リストラ)を計画している主な背景には、世界的な市場環境の急激な悪化とEV(電気自動車)移行に伴う構造改革があると言われている。
今回の計画は工場などの生産ライン現場ではなく、主にドイツ国内の管理・開発・事務部門(デスクワーク領域)を対象とし、希望退職制度や自然減を活用して進められる方針だ。
1. 主な理由
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① 最大市場・中国での販売低迷と価格競争
BMWにとって最大の市場かつ収益源である中国において、内需の低迷を受け、販売台数および利益率が大きく落ち込んでいる。中国市場での苦戦が業績見通し引き下げの直接的な要因となったと言われている。なお、現地メーカーの台頭も原因といわれているが、これについては誤解もある。
② EVシフトに伴う投資負担と利益率低下
電動化への移行に向け、次世代EVプラットフォームやソフトウェアの開発には巨額の資金投入が必要だが、EVは従来のガソリン・ディーゼル車と比較して利益率が低い傾向にあり、投資費用と収益性のギャップを埋めるために固定費(特に人件費)の削減が不可欠となっている。
③ 米国の関税強化や地政学的リスク
米国による自動車関税措置の動きや、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの長期化が、世界的なサプライチェーンや貿易コストに悪影響を及ぼしている。これら外部環境の不確実性に対応するため、企業全体のコスト構造を見直す圧力が強まっている。
④ ドイツ自動車業界全体の構造改革圧力
フォルクスワーゲン(VW)、メルセデス・ベンツ、ポルシェなどドイツのライバル各社も相次いで数千〜数万人規模のリストラや下方修正を発表している。業界全体が従来型内燃機関の収益構造から電動化時代への大転換期にあり、組織のスリム化と意思決定の迅速化が経営課題となっている。ただし、その電動化時代も問題山積みで転換自体が減速しているから、話はややこしい。
2. 計画の概要

• 対象範囲:主にドイツ国内の事務・開発・管理部門。
• 実施方法:強制解雇ではなく、パッケージを提示する希望退職プログラム(自発的退職)や定年退職等による自然減。
• 目指す成果:2028年までに固定費を大幅に削減し、電動化・知能化といった成長分野への集中投資を可能にすること
BMWの経営悪化の原因に対して、マスコミやネットSNSなどでは、BMWはBYDなどの中国メーカーに負けた、とばかりの論評があるが、日本車ですら走行性能でどうしてもBMWに敵わない現実を考えれば、中国車に負けたなんて言うのはクルマのことをマルでわかっていない素人考えだという事だ。