各国のレールガン開発状況は


かつて「夢の兵器」と呼ばれた電磁砲(レールガン)だが、現在は「アメリカの撤退」「日本の洋上試験成功と台頭」「中国の艦載試作」「欧州の国際連携」という形で大きな転換期を迎えている。

かつて開発を先導した米海軍が開発を断念した一方、日本が洋上射撃試験に世界で初めて成功するなど実用化に向けたトップランナーに躍り出た。

各国の開発状況まとめ

🔷日本:世界をリードする実用化のトップランナー

防衛装備庁が中心となって開発を進めており、現在は世界的に最も積極的な国の一つといえる。

• 世界初の洋上射撃試験: 2023年に試験艦「あすか」に試作レールガンを搭載し、世界初の洋上発射試験に成功した。

• 技術的アピール: 弾丸初速マッハ6.7以上(約2,300 m/s)を達成。最大の課題だった「連射による砲身の摩耗」を克服し、120発以上の連続射撃後も耐久性を維持できることを確認している。

• 主な目的: 中国やロシアなどが開発を進める極超音速滑空兵器(HGV)や対艦ミサイルに対し、安価な弾薬を連続発射して迎撃する「低コストな防空網」の構築を目指している。

• 国際連携: 2024年5月にフランス・ドイツとレールガン技術協力の実施要領に署名し、技術連携を強めている。

🔷アメリカ:巨額投入も2021年に開発中止

2000年代から米海軍(ONR)を中心に巨額の予算を投入し、BAEシステムズやゼネラル・アトミクス社とともに開発を主導していした。

• 開発中止の理由: 大電力量を給電する巨大な電源システムの艦載化難易度や、砲身の摩耗問題が解決しきれなかったこと、さらに極超音速ミサイル開発やレーザー兵器へ予算の優先順位をシフトさせたため、2021年に海軍のレールガン予算が削減・事実上中止となりった。

• 現状: レールガン自体の開発は止まったものの、開発された超高速弾丸(HVP)の技術を既存の火薬式大砲に応用する研究などが引き継がれている。

🔷中国:艦載試作と長射程化の誇示

2018年頃、072III型大型揚陸艦(「海洋山」)の艦首に大型レールガンを搭載した写真を公開し、世界に先駆けて艦載試験を実施した。

• 研究の現状: 射程200 kmを超える長距離精密打撃や、AIを活用した弾道補正技術、連射時の冷却・電源制御に関する論文を継続して発表している。

• 実戦配備の不透明さ: 継続的な進展をアピールしているものの、実際の耐久性や運用レベル、配備計画の全貌は軍事機密に包まれており、不透明な部分も多く残されている。

まあ、ハッキリ言って、いつものハッタリ、パチものだろう。

🔷ヨーロッパ(フランス・ドイツ):PILUM計画と日本との連携

欧州防衛機関(EDA)を中心として「PILUM」と呼ばれる独自のレールガン開発プロジェクトを進めている。

• 研究体制: 仏独サン=ルイ研究所(ISL)が長年培った電磁加速技術をベースに基礎研究を実施中。

• 日本との協定: 2024年5月に防衛省との間で技術協力に署名し、日本の実証データを活かした西側陣営での共同研究・開発を狙っている。

🔷その他の国(トルコ・韓国など)

• トルコ: 大手防衛企業ASELSAN社が「Tufan」、また「Sahi 208」などの試作機を開発し、陸上での防空用途を想定した発射テストを意欲的に行っている。

• 韓国: 国防科学研究所(ADD)やハンファを中心に、将来の艦載・地対空防空手段としての基礎研究を継続している。

主要国の開発状況比較

まとめ
電源の確保や砲身の摩耗といった課題からアメリカが一足先に撤退したため、現在は「日本の技術力とデータ」を基軸とした日仏独の連携と、独自に大型化を進める中国の対立軸が形成されつつある。