BFと言われる大学は一般入試なら実質ほぼ全員合格できるのに、なぜ総合型選抜(旧AO入試)を大量に使うのかという疑問が湧く。
この理由は一つではなく、大学側の経営・学生確保・制度上の事情が重なっているようだ。
最大の理由は「早期に学生を確保したい」から
全入大学にとって最重要なのは、「定員を埋めることであり、一般入試まで待つと‥‥
• 他大学へ流れる
• 専門学校へ行く
• 就職する
• 浪人しないで妥協校へ行く
などで逃げられる可能性がある。
そこで総合型選抜なら、秋頃に「専願」で囲い込める。
つまり大学側からすると、「確実に入学してくれる予約制度」として非常に便利なのだ。
一般入試は大学側にとってコストが高い
一般入試には意外と手間と金がかかる。
• 問題作成
• 試験監督
• 採点
• 会場運営
• 外部委託
• 不正対策 などが必要だが
総合型選抜なら、
• 面接
• 書類
• 小論文
中心なので、大学独自で柔軟に運営しやすい。 特に私立の中小大学では負担軽減効果が大きい。
「学力試験で落とす」必要がない
全入状態では、本音を言えば、「来てくれるなら歓迎」。
すると一般入試のような選抜試験を厳格にやる意味が薄れる。
むしろ大学側は
• 欠席しないか
• 途中退学しないか
• 学費を払えるか
• 問題を起こさないか
を重視するようになる。
総合型選抜は、こうした「人物確認」と相性が良いのだった。
また、文科省の方針とも合致している。 近年の文部科学省は‥‥
• 主体性
• 多様性
• 探究活動
• コミュニケーション能力
を重視する方向にある。
そのため大学側も「総合型選抜を増やしています」と言いやすい。
実際には経営事情が大きくても、建前としては教育改革路線に乗れるわけだ。
高校側にも都合が良い
高校としても総合型選抜は便利で、その理由は
• 早く進路決定できる
• 就職率ならぬ進学率を上げられる
• 一般受験対策負担を減らせる
特に進学校ではない高校では、「年内合格」は非常に重要となる。
大学側は「一般入試組の学力低下」も恐れている
一見逆に思えるが、全入大学では一般入試のほうが危険な場合がある。 なぜなら一般入試まで残る受験生には
• 本命全落ち
• 勉強嫌い
• モチベーション低下
• 滑り止め感覚
の層も多い。
一方、総合型選抜で早めに来る学生は
• その大学を第一志望にしている
• 面談で意思確認済み
• 学校推薦付き
なので、大学としては管理しやすい。
実際には「選抜」より「マッチング」
全入大学の総合型選抜は、実態としては「能力競争」というより、
「入学意思確認」に近い場合も少なくない。
もちろん一部難関大学の総合型選抜は別だが、中堅以下ではかなり性格が違う。 ただし副作用もある、この構造の結果
• 基礎学力不足
• 入学後教育の負担増
• 大学教育の高校補習化
が進んだ。
現在、多くの大学で
• リメディアル教育
• 小学校レベル数学補習
• 読解力補強
などが行われている。
結局のところ、少子化で大学数が多すぎる現在、「どう選ぶか」より、
「どう確保するか」が優先になった大学が増えた、ということだ。
特に私立大学では、学生数=収入なので、これは経営問題そのものと言える。