B_Otaku のクルマ日記

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2016/7/15(Fri) 大出力 SUV

メルセデス AMG GLE 43 の試乗記でで内外装の写真に GLE 63S を使っていたが、そのスペックの凄まじさを見ると、それでは他社の大出力 SUV はどうなっているのかという興味が湧いてきた。

そこでGLE 63S と同等なパワーのクルマを並べてみると、下の表のように BMW X5M とポルシェ カイエンターボ、そしてレンジローバースポーツ SVR が該当した。結局 AMG と M とポルシェという高性能車の定番ブランドが揃いも揃ってこの大きなSUVに 500ps を軽く超える大出力エンジンを載せたモデルを出していた。またレンジローバーは ”超” が付く高級 SUV の本家本元としてのプライドか、これら3ブランドの匹敵するモデルを用意してある。

それにしても揃いも揃ってV8ターボ (レンジローバーはスーパーチャジャー) で車両重量が2.4トンクラスのクルマにもかかわらずパワーウェイトレシオは 4.0 kg/ps 台の前半という、一体何のためというような大パワーを誇っていて、0 -100 km/h 加速はまず4秒台だろうから、これはトップクラスの高性能スポーツカーの数値だ。高性能の代償は 1,700万円という価格だが、それでも満足できないユーザーのためにはカイエン ターボSの 2,200万円也何ていうのもある。

このような高性能 SUV は残念ながら国産車には無い、と言い切ると例によってスバヲタさんから「フォレスターXTがあるだろう」というクレームが来そうだが、フォレスターXTのパワーウェイトレシオは 5.8 kg/ps だから上記の4車は格が違い、言ってみれば市会議員でダントツ当選したと言って都知事選挙に立候補しても只の泡沫候補、と言えば判るだろうか。

それでは GLE を除く3車について概要を説明する。

BMW X5M

BMW の M モデルと言えば高性能車の代名詞でありマニアの憧れだが、以前のレーシングエンジンのベースとなるような高回転型の自然吸気エンジンから、最近は BMW の標準的なターボエンジンを更にチューニングしたようなモデルに変わりつつあり、そうなるとSUV も同じ手法で高性能車を作るのはそれ程難しくもなさそうで、何よりメルセデス AMGやポルシェに負けてはいられない、ということだろうか。

X5M の V8 4.4L ターボエンジンの型式 S63B44B は M5 と全く同一で、パワーとトルクは僅かに異なるがこれはスペースの違いからくる排気系の取り回しなどの違いだろう。

次回は残る2車と取り上げる予定にしている。

つづく。






2016/7/14(Thu) ヘビーデューティー4WD <3>
今回は最後に残るパジェロを取り上げる。

Mitsubishi Pajero

三菱自動車の4WDといえば米国のウィルス社との提携による自衛隊向けジープのノックダウン、および民間向けの販売も行っていたから、国内メーカーとしては最もこの手のクルマの経験がある。最初にジープのノックダウンを行った経緯は朝鮮戦争により地理的に近い日本で低コストのジープを調達するべく米国が三菱重工を生産担当に選定したのが始まりだった。その後三菱は民間モデルの CJ3A を販売したがこのモデルは旧型のサイドバルブエンジンを搭載していたためにボンネットの高さが低いことから、第二次大戦モデルに近い形状であり、今でもマニアからすればよだれモノだろう (写真左下)。なお CJ はシビリアンジープの略であり、要するに軍用ではない民間用ジープということだ。

その後はエンジンもより近代的なものに改装され、J50 系として多くのバリエーションが販売され、何と1998年まで生産されていたからそのモデルライフは約半世紀にも及んだ事になる。

このジープのシリーズでも一際人気の高いのがロングボディーのワゴンであるJ30系で、言ってみればランクル70 ロングバンなどのルーツとなる車だ。本来の用途は官公庁の官僚や電力・建設などの企業の役員クラスが僻地への視察をする際に使用されたもので、まあゼネコンの社長がJ50 の荷台にある折りたたみのベンチに座って揺すられながら山奥へ‥‥というのも流石に酷だろうということか。

その三菱がジープ生産の経験を生かしてより近代的な4WD車として開発したのがパジェロで、同社の小型ボンネットトラックのフォルテをベースに 4WD クロスカントリー車としたもので、初代は1982年に発売された。その中でも1991年発売の2代目は折しもバブル経済真っ只中 (そろそろ崩壊が近かったが) であり、一般の市民が役場や警察の使うような4WD車を買うのが流行った時代で、それでもランクルやサファリに比べれば大分文化的だったパジェロは売れに売れて、またパリダカ (単なるゲテモノのローカルレース) を上手く使った CM なども功を奏して、この手のクルマの知識のないユーザーを大いに騙しまくったのだった。その中でも一番人気は写真右のメタリック塗装とサイドの太いラインが目立つエクシードという上級グレードで、400万円近い価格にもかかわらず街中で頻繁に遭遇したものだった

パジェロの走りについては MITSUBISHI PAJERO 3.2DI-D 簡易試乗記にて内容を確認願いたいが、クルマの格の割には何故に簡易試乗記なのかといえば、まあそれなりのクルマだからですよ。

なお日本国内では販売されていないが世界のヘビーデューティー4WD 車の市場ではメジャーなクルマとしてランドローバーのディフェンダーと日産パトロールがある。どちらも以前は日本でも販売されていたがブームの去った今では販売経費が出ないのだろう。本来この手のクルマが一般向けに売れるのが不思議なのだから当然でもあるが、それにしてもこんなクルマがゴロゴロ走っていたバブル時代が懐かしい。





2016/7/13(Wed)
選挙カーの事故
実は参議院銀選挙戦の初日にさる候補の選挙カーがガード下を潜りきれずに看板が桁に激突という事故があった。もう選挙も終わったので公選法にも触れないから特別編のネタとしよう。

いつものとおり内容は偏向していたり毒舌や嫌韓があったりするために、当サイトの方針を理解できて、この手の話を笑って受け流せる読者専用とします。

方針を理解して特別編に進む




2016/7/11(Mon) ヘビーデューティー4WD <2>
前回に引き続き、今回は残る国産2車種を取り上げることにする。

Toyota Land Cruiser 70

ランドクルーザー70は1984年の発売だから既に30年以上も経過しているが、国内販売は2004年で一旦中止されていた。しかし海外向けとしては生産が継続されていて、国内での販売を望むマニアも多かったために2014年から2015年まで限定で販売されていた。

同じランドクルーザーといっても当時の60系は大型ステーションワゴンであり、その後80系へとモデルチェンジされ、更には100系を経て現在は200系へと発展しているが、70系はこの流れとは異なり、純粋なヘビーデューティーな作業車としての用途で、その本格的業務仕様ゆえに一部のマニアに人気がある。とはいえ30年前の設計であり、当時としても一際実用本位のクルマだったから頑強なラダーフレームに4輪リジットアクスル、それも半楕円リーフスプリング、要するに板バネのサスペンションだから操舵性も乗り心地も悪いなど、個人ユースでは殆ど良いところはないが、勿論それが良いのだ。

 

70系には一昨年再販売されたロングボディー以外にショートボディーもラインナップされていて、これこそ走破性抜群の作業車であり、本来ランドクルーザ−というのは70系の先代にあたる40系ではショードボディーのみで、ロングボディーは50系 (ただし一部45系あり) という別の系列だった。

 

なおバブル時代の4WDブームでは一般のユーザーがこれらのスロスカントリー車を買うという従来なら考えられない現象が発生していたが、流石に70系を買うユーザーはほとんどいなかった。当時の一番人気は次に取り上げるパジェロであり、この売れ行きにトヨタとしては70系の足回りを板バネからコイルバネに変更するなどライトデューティー化したのが70プラドだった。

そしてプラドとは対極をなすモデルが同じく70系のトゥループキャリアで、言ってみれば兵員輸送車というところか。このモデルは海外では人気なのだが日本では販売されていない。そのためにどうしても欲しいというマニアは海外から逆輸入しているようだ。

 

軍や警察向けが多くて超ロングセラーという面ではメルセデスのGクラスと被る面も多いが、Gクラスはコレでもかコストを掛けたクルマであり、対する70系は実用一点張りで質素 & 安価なクルマという点であり、予算の乏しい途上国では実に有用なクルマだ。

次回はパジェロを取り上げる予定だ。

つづく。



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