B_Otaku のクルマ日記

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2012年3月1〜15日
 
2012/3/15(Thu)  初期の試乗記 メルセデスベンツ E320 (W211)


初期の試乗記、第6回目はメルセデスE320(W211)を選んでみた。Eセグメント高級サルーンの王者として君臨するEクラスは、メルセデスといえば現在のSクラスのことを表していた半世紀ほど前に、少し小さくて安価なモデルとして何とコンパクトメルセデスと呼ばれていた。 このコンパクトの初代は色々な説があるが、判り易いのはW123からとする説だ。
W123は次に不滅の名作といわれたW124にFMCされ、モデルの途中からEクラスと呼ばれるようになった。
W124の次のW210は、レクサスLS(セルシオ)の低価格・高品質に脅威を感じたメルセデスが大幅なコストダウンを行ったことから人気を下げてしまい、思いの外早い時点でのFMCとなったのがW211だった。フロント4灯という基本的なスタイルはW210から引き継いでいて、メルセデスの威厳がないということで、世間からは決して良い評価ではなかった。
このW211は先進のSBCというブレーキバイワイヤシステムを採用したが、これが市場での不具合が頻発し2度に渡るリコールなど、100年以上かかって蓄積したメルセデス神話を いとも簡単に壊す結果となり、ライバルとは言えない程度に差を付けていた5シリーズに追いつかれてしまう結果となった。

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メルセデスベンツ E320 (2002/08/25)

発売間もない新型Eクラス(W211)に試乗できた。車種は右ハンドルのE320アバンギャルドでスポースサスのため、多少硬いとの事。 シートは本皮で、表面には細かいシボがあり滑ることはない。また細かい通気穴が5mm四方に空いており、かなり暑い天候にも関わらず、蒸れたりする事は一切無いどころか、通常の布シートよりもさわやかだった。 内装は良く見ると多少段差があったり、セルシオは勿論、BMWに比べても仕上げは劣る。これは、誰もが指摘するところで、昔のメルセデスとは別物になりつつある。

走り出すと、適度な硬さと、適度なステアリングレスポンス。決して敏感では無いが、十分なトルクによる走り易さと、車としての安心感というか完成度は抜群。以前に比べて、鬼のような直進性は無くなったけれど、その分BMW程でないにせよクイックになったので、個人的には歓迎。だけど、昔の特性も捨てがたかったな〜。 エンジンは如何にもメルセデスで、セルシオのように静かでも、BMWのように官能的でもないが、エンジンの役割に徹しているという感じだ。

今回のハイライト、ブレーキバイワイヤによる制動フィーリングは、通常何も考えないで使う分には特に違和感は無い。だだしシビアに見ると、踏み初めから結構重く、少し踏んだ位置(普通なら遊びの部分)で既に僅かにパッドが触れているのがわかる。当たり前だけど、普通なら踏力の軽い遊びの部分があって、ある点でバッドがローターに当たったのが判り、そこからは主に踏力の変化なのに対して、多少の踏力変化は付けているが、基本はストローク制御なのが判る。

去年Cクラスに試乗した際に、ブレーキベダルの遊びが異様に重くチョット違和感があったが、あのフィーリングはブレーキバイワイヤ化に先立って、従来のマスタシリンダ方式でも似たフィーリングにしておいたとしか考えられない。 当然のように極めて良いクルマです。特にクルマが好きではない人が、一般の車の流れに沿って走るのなら、これほど運転し易く、安全な車はないでしょう。金に余裕があり、車に700万(経費含めた総額は800万)つぎ込める人には、無条件で勧めたい。では、BMW530iはどうかと言うと、末期モデルとはいえ、新Eクラスと比べても引けをとらない。特に運転する楽しさでは新Eクラスと言えども敵わない。2日前に乗ったセルシオと3ヶ月ヶ程前に乗ったA6クワトロを含めてどれが良いかは、その人の感覚しだいと言えるだろう。やはり、この御三家+セルシオというのは、オーナードライバーにとって理想の車だというのが結論だった。でもこう比べると、アウディは、特に、ここ日本では良い車だけどチョットツライか?
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この試乗記の頃から、憧れのメルセデスEクラスが年々落ちぶれてきて、5シリーズに追いつかれていくと同時に、あの憧れのEクラスは一体どうしてしまったのだ、と嘆いたものだった。


 


 
2012/3/14(Wed)  Toyota 86 <3>


 今回はインテリア編の後半として、主に操作系をみてみよう。
 


インパネは極オーソドックスで、センタークラスターも縦長だし、ナビのスペースもインパネ最上段ではないなど最先端のレイアウトではなく、言ってみれば一時代前の感覚だ。まあ、ハチロクという名前を付けるセンスとは共通しているが。



オーディオレスが標準のために、ナビはオーディオ一体を後付することになる。



ステアリングがド派手なのはレッド内装のGT ”Limited”のためで、これが嫌ならブラックのインテリアを選べは良い。しかし、この手の派手 な内装を日本人がやると、何故かただケバいだけになってしまう。この分野ではイタリアやフランスのラテン系には絶対勝てないものがある。
オーソドックスなアナログメーターを使用しているので、最近の妙なデジタル化やカラー液晶化が嫌いな層には好感がもてるだろうが、これはインパネの時代遅れ感覚が良い方向にも作用しているともいえる。



エアコンの操作部分はアナログ感覚で、スイッチ類はBMW MINIのトグルスイッチにも共通するレトロなものだ。



写真はATモデルだが、一見MTのシフトノブのような形状から、MT車と間違えてクラッチペダルを探してしまいそうだ。



ATセレクターの手前にはスポーツモードやVSCのOFFスイッチなどがあり、そのまた手前にはシートヒーターのスイッチがある。
ATのパターンは最近の標準的なティプトロタイプとなっているが、Dから右に引いてMモード時のパターンは押してアップという、あまり好ましくないものだが、パドルスイッチがあるのでレバーは使わないだろうから問題にはならない。



人によっては、何だかんだと文句を付けている86だが、蓋を開けてみれば発表1ヶ月後の3月2日時点での受注台数は7,000台だそうだ。そして、スバルブランドのBRZも予約が殺到しているらしく、スバルでは関係者が自ら買う場合の予約を自粛させて、お客様優先ということを徹底中だとか。まあ、マニアの多いスバル販売店関係者などは、誰よりも早く自分で買いたいのだろう。

ただし、この手のマニアックなクルマというのは、一般的に最初に買うべきユーザーが殺到していても、1年も経って行き渡ると急激に売れゆ きが落ちてきて、2年もすれば忘れ去られる危険もあり、これはホンダのNSXやタイプR、そしてS2000などで実証されている。

発売は4月初旬だから、ゴールデンウィーク前には試乗車も出回ってくるだろうが、恐らく凄い人気になるだろう。このサイトでも当然ながら早い段階で試乗をしたいが、さて、どうなることか・・・・・。


 


  
2012/3/13(Tue)  Toyota 86 <2>


写真のハチロクは最上級モデルのGT”Limited
”(AT:305万円)で内装色はレッド 。なお、他にブラックも選択できる。

 

GT”Limited
”のシートはサイドが本皮で、センターがアルカンターラを使用している。レッドのアルカンターラの派手さは中々のものだが、これに毎日乗るのもチョイと疲れるかもしれない。



86とBRZのシートは表皮以外は全く同じもののようだ。右上のBRZは86のGT”Limited
”に相当するモデルは無いが、写真はSにセットオプションの装着で同等内容と なっている。なお、BRZの写真はブラックの内装の場合 でだが、、それ以外にどんな色が選択できるのかは今のところ判らない。



86のシートポジションは乗用車とは一線を画すように低いが、実際に座ってみると地面スレスレに座っているという感覚は無かった。そこで、 2+2スポーツクーペという意味ではハチロクと同じ、ポルシェ911(997カレラ、写真右上)と比べてみると、やっぱり86はちょいと着座位置が高いような気がするが・・・・・・。

次に両車のサイドビュー も比べてみた。
911は極最近FMCされたが写真はそれ以前の997で、寸法的には86に対して全長が205mmも長く、逆にホイールベースは220mm短い。
それで、実際に写真で比べれば・・・・・・
おっと、比べた自分が馬鹿だった。

911(997): L=4,435mm
  W/B=2,350 H=1,310
86: L=4,240mm
    W/B=2,570  H=1,285






86のドアインナートリムは、写真が トップグレードであることもあり、レザーやステッチなど結構な高級感を感じられ、これならオーナーの満足感もマズマズだろう。



次回も引き続きインテリアを紹介する。

つづく。
 


 
2012/3/12(Mon)  Toyota 86


良いにつけ、悪いにつけ、日本の自動車界の話題を集めているトヨタ 86の発売まであと半月と迫った訳だが、既に一部では試乗(ホンのチョい乗りだが)や展示が行われているし、未だ正式発売前にも関わらず予定の半年分以上のオーダーも入っているという。世間のイマイチモーターライターや理論派のクルマ好きの間では、販売戦略等でボロクソ言われているハチロクだが、実際に金を出して買うユーザーに言わせれば大きなお世話ということになる。

ハチロクの兄弟車であるスバルBRZについては、既にこの日記で紹介しているが、今回はトヨタブランドのハチロク、要するに本家の方を紹介すると共に、スバル版との比較もやってみる。



正式発売前とは言え、既に各種メディアやモーターショーを初めとするイベントで御馴染みとなっているエクステリアだから今更特に言うこともない。



フロント部分をスバルのBRZと比べてみるとグリルというか、バンパーのエアインテイクの形状が全く異なることに気が付く。それに連れて、両サイドの補助ランプも異なる。要するにバンパー部分が全く異なる部品となっている。
見た目では、逆台形のインテイクと先端のリップが派手に出ているBRZの方がのドギツく感じる。



リアはフロント程はっきり判る違いは見当たらない。



サイドからみてもホイールすら全く同一で、両車の違いは判別できないが、ハチロクは”86”と水平対向のピストンをモチーフにしたエンブレムがフェンダーサイドに貼ってある。



ホイールのみならず、そこから覗くブレーキキャリパーやディスクローターも同じ。フロントはトヨタとしては珍しい2ポットのキャリパーを採用しているが、何の事は無い、これはスバルの昔からの方針でレガシィなども同じタイプを使用している。



エンジンルーム内の眺めも全く同じで、この写真からはトヨタ版とスバル版の違いは判断できない。



↑BRZを紹介して際にも説明したが、エンジンのセンターにあるカバーには、後方から”TOYOTA”の鋳込み、”D−4S”のシルバーの鋳出し、シルバーの反転文字の鋳出しで”BOXER”、その手前には”SUBRARU”の鋳込み文字という具合に、製造元の”SUBERU”と企画した”TOYOTA”の両社が対等であることをアピールする表示がある。

次回はインテリアを紹介する。

つづく。
 


 
2012/3/11(Sun)  BMW Z4 sDrive 2.0i <3>


前回のつづきとして、インテリアを見てゆこう。

ドア・インナー・トリムは写真のクルマがMスポーツ+レザーインテリアのために、レザーにステッチの組み合わせが実に高級な雰囲気を醸し出している。



ATセレクターは前期モデルと同じ、最近のBMWには定番の電子式で、その右側にある走行モードの切り替えスイッチも手前のiDriveのダイヤルとスイッチも他モデルと共通になっているから、BMWオーナーなら全く違和感が無い。ただし、パーキングブレーキは5シリーズ以上の上級モデルと共通な電気式で、3シリーズ以下のレバー式とは差別化されている。





メーター類も大きな変更はない。これもBMWとしては一世代前のスタイルだ。



ステアリングホイールにはマニュアル用のパドルスイッチも付いている。



Mスポーツにレザーシートまで付けても、ペダルは例によって樹脂製の地味〜いなヤツしか付いていない。BMWはアルミペダルが嫌いなようだ。

という訳で、中々のカッコ良さだし、今回のクルマは車両の基本価格が499万円で、オプションがMスポーツ・パッケージ(43万円)とカンザス・レザー・インリア(28万円)、そしてメタリックペイント(7.5万円)で合計は577.5万円になってしまうが、チョッと地味にはなるがベースモデルを選べば499万円だから、これは充分に買い得ではないか。それにしても、今時メタリックペイントのエクストラコストを請求するのはどんなものだろうか。因みにZ4のソリッドカラーはアルビンホワイト、ブラック、クリムソン・レッドの3種類となり、499万円 であげたければ、これらのカラーから選ぶことになる。

さて、このZ4だが、近日発売の新320iと共通の2Lターボとしてはチューニングの大人しい184psエンジンが載っているわけだが、ロングノーズのカッコ良い2シータースポーツカーとして相応しい動力性能はあるのだろうか?Z4より200kg重いとは言え、同じエンジンを積んだ523iの動力性能とレスポンスはちょいとガッカリだったが・・・・・・・。
それについては、近いうちに試乗記にて。

えっ?少しは、教えろって?
いや、こういうのは少し焦らした方が、楽しみが増えるのですが・・・・・


 
2012/3/10(Sat)  BMW Z4 sDrive 2.0i <2>


Z4のようなリトラクタブル・ハードトップというのは、幌に比べて折り畳んだ時によりスペースを必要とするために、通常この手のクルマのトランクは実用にならないくらいに狭い。
しかし、トップを上げている時はトランクスペースを一杯に使っても良い筈だ。



という訳で、Z4のトランクはルーフがクローズの時にルーフのスペースを 手動で開放すると、充分な高さを確保できる(写真左上)。オープンにするには、あらかじめ手動で仕切り板を下ろしてスペースを確保しておく必要がある(写真右上)。



↑室内は基本的にMC前の前期型との違いは判らなかった。



写真のクルマはMスポーツパッケージ装着のために、シートはサイドサポートが張り出したスポーツシートが装着されていて、さらにオプションの本皮シートも付いていた。本来のMスポーツはファブリックのスポーツシートとなる。



エアコンのコントロールとオーディオは前期のZ4と変わりはない。写真右下にはスロットに差し込んだキーがみえることで、BMWとしては1世代前の設計に なりつつあることが判る。



インテリアトリムはMスポーツ専用のアルミニューム・カーボン・トリムという、アルミにボツボツを付けたような 御馴染みのもので、個人的には決して良いとは思わないが、何故かドイツ人は大好きな ようで、メルセデスの高級スポーツモデルにも同じようなトリムが付いている。



センターコンソール先端部分にはルーフのオープン/クローズ、そしてシートヒーターのスイッチが配置されている。コンソールも表面にはアルミニューム・カーボン・トリムが使われている。

つづく。
 


 
2012/3/8(Thu)  BMW Z4 sDrive 2.0i


BMW Z4といえば、クルマの半分はあると思われる長〜いボンネットに小さいキャビンという古典的スポーツカーのフォルムを思い浮かべるだろう。そして、そのエンジンルームには、これまた長い直列6気筒エンジンが脳裏に浮かぶ筈だが、最近のダウンサイジングの波は、何とZ4にまで および、遂に4気筒ターボを積んだモデルが出現した。



エクステリアからは、従来のモデルと大きく変わるところは見当たらない。識別はフェンダーサイドのエンブレムによるのが手っ取り早い。もちろん、リアから覗く排気管が、エクステリアのカッコ良さの割りにはショボイ一本出しという識別点もあるが・・・・。







ボンネットを開けてみると、予想どおりにエンジンルームは半分以上がスカスカだ。
Z4 sDrive 2.0i という グレード名から想像がつくように、320iに搭載予定であり、既に523iに搭載されている184psタイプが使用されている。



横からみれば、さらによく判る。BMWのサルーンなら、4気筒エンジンは半分以上がキャビン側に潜っていて見えないのが普通だが、Z4はしっかりとエンジン全景を拝める。



Z4とケイマンを比べてみると、その違いが良く判る。黄色↓がヘッドレストの位置だから、両車のドライバー位置は随分違う。Z4はサルーンでいえばリアシートに座って運転しているようなものだ。



ブレーキはE90サルーンなどと同形のように見える。



Z4は3年半ほど前(2009/8)にZ4 sDRIVE 35i に試乗しているが、モデル後期に入って多少の変更もあるかとも思い、次回はインテリアを紹介する。

つづく。
 


 
2012/3/6(Tue)  初期の試乗記 BMW 525i (E39) ツーリング


初期の試乗記、第5回目はBMW 525i (E39) ツーリングを取り上げてみる。今ではメルセデ
スEクラスのライバルとして互角に張り合っているBMW5シリーズも、ホンの10年程前まではEクラスよりもワンランク落ちるクルマ、という風潮があった。取り分け高級ワゴンの分野ではEクラスのステータスは圧倒的だった。
今回紹介するE39のツーリングは、現在からすればイマイチ評価が低かった時代のモデルだが、実際に乗ってみれば、これはEクラスとは別の意味で、実に理想的なワゴンだった。まあ、欲を言えば重いワゴンボディに2.5Lはチョイと役不足の感はあったが・・・・。

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BMW 525i (E39) ツーリング(2002/05/20)

近くでよく見れば、結構デカイ。(幅1.8m、全長4.8m)試乗車はハイラインというモデルで本皮シートやウォルナットトリム、 勿論サンルーフのついた高級装備のタイプで価格は600万ちょっと。シートも当然3シリーズより大きく、座り心地もよい。本皮の質もよく、クラウンの本皮のように見かけだけでツルツル滑ったりはしない。

走り出すと、まず静かなのに驚く。エンジンも325iと同じM54とは思えない程に音が小さく、これはボディの遮音が良いとともに音質も違うことから、排気系も違いのだろう。事実3シリーズの2本出しに対して1本 出し(5シリーズでマフラーがシングルでないのはM5のみ、540i(V8)でも左右1本づつだった?)。加速はあまり良くない。320iと比べたらかなり遅い。やはり5シリーズ、それもツーリングのためボディがかなり重いのがモロに判る。同じZF5速ATの筈なのに制御ロジックも多少異なるようで、3シリーズのようにチョロチョロとシフトダウンしたりはしない。言い換えればスムースで高級感のある加速で、決して遅くは無いのだろうけど、3シリーズのグイーンとくる加速感がないのはチト寂しい。

ステアリングもよく言えばドッシリとしていて、操舵力は意外と必要(結構重い)。コーナーリングは決してトロクは無いのだけれど・・・・。幅1.8m、全長4.8mのワゴンにしては立派なものとしよう(でも3シリーズの軽快感は全くない) 。ブレーキの効きも3シリーズよりは、遥かにマイルド。ストロークも長めで、踏み込むに従がってジワッと効くタイプだった。乗り心地は3シリーズより当然良い。セッティングもあるだろうが、やはり重い車の重量感ある乗り心地には軽量車は勝てない。ただし、ツーリングと言う事も有り、セッティングは多少硬め。試乗車は走行5千キロ程度なので、当たりが付けば更にシナヤカになると思う。ワゴンなのにリヤからのノイズは殆ど聞こえないし、例によってミシリとも言わないボディ剛性はさすがで、やはりワゴンでは最高の1つ。

交通の流に乗ってノンビリクルージングするには実にいいし、パワー不足といっても普通に走る分には全く問題ない。たぶん、V70(そのうちチャンと試乗してみるか)あたりに比べれば次元が違う高級感に包まれていると思う。 しかし、あの大きさに2.5ℓではちょっと物足りない。やはり530くらいは必要か?でもそれだと、650万を超えちゃって別世界になってしまう。Eや5は庶民には遠い存在なのか。

当たり前とはいえ、5シリーズと3シリーズでは求めるものが違う。クルマとしての進化では末期モデルとなる5シリーズより、モデル中期の3シリーズのほうが上だろう。次のモデルに期待するか?きっと新型は525でも結構速くなるのでは。なぜなら、E46初期の320は2ℓでトルクが足らず、丁度今の525のようだったのに3年目から行き成り2.2ℓになって、その前の323と同程度の性能になってしまた。323買った奴はどうなるんだ!という感じだ。

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実は、この試乗の1週間ほど後に530i(サルーン)に試乗したのだが、こちらは525iツーリングとは全く異なり、フルスロットルを踏んだら恐ろしい加速を体験することになった。そうは言っても、当時の感覚から言えば650万円のクルマというのは、非現実的ですらあった。それが今では、サラリーマンで530i(E60)を新車で買ったという実例を結構知っている。世の中ず〜っとデフレで、給料なんて10年前よりも減っているくらいなのに、と思ったが、考えてみれば新自由主義の結果、同じサラリーマンでも給与に大きな差がついて、階層によっては10年で大いに所得が伸びた場合もあるようだ。
まあ、努力したり能力があったりすれば、報酬が多いのは当然ではあるが、今の日本はその差があまりにも大きくなってしまったのではないか。
過ぎたるは・・・・・、というヤツかな。


  
2012/3/5(Mon)  Jaguar XF Sportbrake   


ジャガーXFサルーンベースのワゴン、XFスポーツブレイクが発表された。XFといえばメルセデス EクラスやBMW 5シリーズのライバルとなるEセグメントだが、この手のワゴンは正にドイツ御三家の独占状態だったから、ワゴンマニアには嬉しいニュースかもしれない。

さて、そのXF スポーツブレイクだが、Bピラー以降を新設計されたボディにより、リアパッセンジャーは十分な頭上空間を確保している。後席は6:4分割でスキー・ハッチも付属して おり、リアシートは簡単にフラット化でき、その時の荷室容積は1,675リットルを確保している。

パワートレインは4気筒 2.2Lディーゼルエンジンに8速ミッションが組み合わされ、インテリジェント スタート-ストップ・システムにより低燃費と低排出ガス量を実現する。また、V6 3Lモデルはツインターボにより275ps、600Nmを発生する。

ここで、主要寸法を以下に示す。
 ・Length: 4966 mm
 ・Width (inc. mirrors): 2077 mm
 ・Width (exc. mirrors): 1877 mm
 ・Wheelbase: 2909 mm
 ・Front track: 1559 mm
 ・Rear track: 1605 mm
 ・Load-space maximum length: 1970 mm
 ・Load-space minimum width: 1064 mm
 ・Load-space maximum volume: 1675 litres
 ・Load-space volume behind rear seats, under tonneau: 550 litres
 ・Permitted trailer load, braked: 1850kg



ところで、国産のEセグメントワゴンはといえば既に絶滅している。一時期はクラウンエステートが国産Eセグメントワゴンとして発売されていて、ワゴンマニアには評判が良かった。その証拠に末期モデルではアスリートのみ販売されていて、オヤジ車の典型であるロイヤルはワゴンのラインナップから外されていた。 今後、クラウンやフーガのワゴン、いやレクサスGSワゴンという手もあるが、これら国産Eセグメントワゴンが発売されるという噂は全く聞かない。全く寂しいものだ。
 


 
2012/3/4(Sun)  新旧 Lexus GS 比較 <2>       


今回はインパネから。



トヨタ丸出しの旧GSからドイツ車的な新型に変わったのがよ〜く判る。



センタークラスタは旧GSの縦長から、新GSの横長へと全く変わっている。
しかも、新GSのディスプレイは横長で最上部にあるという、言ってみればBMWチックな構成になっている。対する旧GSは、もうコテコテのトヨタ丸出しで、これこそ乗った 瞬間に白ける最大の理由だったのかもしれない。



旧GSはセンターに大径の速度計を配して回転計は径が小さいメルセデスタイプだったが、新GSは回転計を速度計を対等に配したBMWタイプとなった。フルスケール(FS)は旧GSの180km/hから260km/hに拡大された。国内では180km/hでリミッターが作動するので無意味という意見も判るが、ここはやはり見た目の問題とは言え、白ける180km/hFSを廃止したのは正解だと思う。
また、新GSのステアリングホイールにはマニュアルシフト用のパドルスイッチが組み込まれている。






ATセレクターは今や時代遅れの感があるジグザグゲートから、ブーツを被せた直線タイプとなった。また、直線とは言え僅かにジグザクになっているのはメルセデスの現行型とソックリだが、まあ固いことは言わないでいこう。
そして旧GSのウッドパネル、特に右下の田舎臭いセンスの無さなど、見るだけで恥ずかしくなり、もうどうしようも無かったが、やっとマトモになった訳だ。



こうして新旧GSのインテリアを比較してみたが、旧GSの国産丸出しのトヨタ臭さは、インパネやコンソールのデザインセンスに問題があったということが、よ〜く判った。

という訳で今度のGSだが、さ〜て売れ行きは??
    


 
2012/3/3(Sat)  新旧 Lexus GS 比較


先日の過去ログ試乗記に初期のレクサスGS試乗記を復刻したが、今あれを自ら読んでみると、旧GSのトヨタ臭さには笑ってしまうものがある。まあ、ドイツ車の物真似も良くないし、日本製高級車は日本独自の表現をすべきという意見も当然ではあるが、旧GSの日本的さには日本人として気恥ずかしささえ感じてしまう。その証拠に、旧GSは日本でも米国でも成功は無かった。当時、レクサスはドイツ御三家などよりも 世界的には評価が高く、それを知らないのは無知な日本人のブランドおたくだけ、といっていた教養ある紳士達は、この結果をどう説明するのだろうか?
なんて穏やかに言うほど、当方は紳士ではないので
「おいおい、てめえら。教養ぶりやがって。この落とし前をどうしてくれるんだ」
なんて言ってみようか。

と、まあ、その話は置いておいて、GSの新旧比較については先日の新GS試乗記でも触れたが、試乗記はあくまで新型の紹介が主だから、対等な比較というわけではなく、その面ではイマイチだったことを考えて、取りあえずこの日記でインテリアのみを比較してみる。 なお、比較写真は左もしくは上が新型GS(L10)で、右もしくは下が旧GS(S190)となっている。

先ずドアを開けた時の眺めから。



どちらもブラックのスタンダードモデルのために、ケバいウッドや内装材を使っていないので、特に大きな特徴は無いが、この位置から見て一番目に付くのは当然ながらシートの材質だ。



新GS(左)のベースグレードはスエード調のファブリックが一見アルカンターラ風で、さらに白っぽいステッチが入っていて決して悪くは無いが、スエード調って経年変化は大丈夫なのだろうか?
そして旧GS(右)は粗い織り目の欧州調に近いが、よく見ればちょっと違う。ただし、これも決して悪くは無い。



本皮シートの質感は新GSがスタンダードの本皮なのに対して旧GSの写真は更に上級のセミアニリン本皮のために、写真でも柔らかくてシットリした質感が感じられる。 勿論新型でも価格アップが許されるならばセミアニリンを選択すればよいので、これは予算と趣味で選べばよい。旧GSも特に後期モデルの場合は、本皮の質については新型と変わらないうようだが、シートの形状などは多少違うし、当然ながら座ったフィーリングも少し違うような気がする(”気がする”程度だが)。



ドアインナーパネルのパワーウィンドウ(PW)スイッチやパネル部分などは、新GS(左)のほうが垢抜けている。また新GSが電動ミーラーの調整関係もPWの傍に配置しているが、旧GS(右)はインパネ右端のパネルにある。



インパネの右端について、新GS(左)の場合はウッドの木目やシルバーのハイライト(L字型のアクセント)などBMW的なインテリアトリムとなった。
旧GS(右)は時代遅れのビデオデッキのような開閉式のスイッチ(使い難いのなんの!)内に各種スイッチを配置したり、インパネのシボや質感など、当時これを見てがっかりしたのも当然だ。



また新GSはインパネ天部にスタンダードグレードを含む全車に、ステッチの入ったソフトレザー仕上げが採用されている。



という訳で、ドアを開けた瞬間やシート表皮などはそれ程違わなかったが、細かい部分を見てみると、新型は結構改善されているのがわかる。

つづく
 


 
2012/3/1(Thu)  Volvo New V40


ボルボは今年のジュネーブ・モーターショーで全てが新しいV40を発表する。
V40は上級のボルボ車から受け継いだ特長を持つプレミアム・ハッチバック・クラスであり、これでライバルと追撃するのだという。



V40はボルボの新戦略である人間中心の”Designed Around You”による最初のモデルとなる。シャーシーは真の走る喜びを生む機敏な性能を提供するよう設計されている。ターボ過給によるT5ガソリンエンジンは245psにより0−100km/hを6.7秒で走りきる。MTかATかに関わらず、スタート/ストップ機能(アイドリングストップ?)とエネルギー回生ブレーキを装備していて、CO2排出量は94g/kmを達成している。



ボルボのワゴンの名称はVの後が奇数、すなわちV70、V50となるシキタリだったが、いつの間にかV60のような偶数のワゴンも出現して、今では大きさ順の一連番号となってしまった。また、現行V50はご存知の通りマツダ アクセラベースだが、今度の新型は何をベースとしているのだろうか?
ボルボはフォード時代にコストダウンのやり過ぎで大いに品質を落として、とに角市場トラブルが多くて輸入車に慣れたユーザーは先ず手を出さなかったが、現在は中国のカーメーカー(吉利汽車)の傘下となり、フォード時代よりも自由な開発が出来るようになったらしく、最近の新型車は大いに改善されている。

とはいえ、Cセグメントのプレミアムワゴン/ハッチバックといえば、アウディA3とBMW1シリーズという強敵がいるし、大衆ブランドとはいえ不滅のゴルフともかち合うという厳しい市場だから、新型V40が何処まで売れるか楽しみではある。


 



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