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2021/5/30 (Thu) EVのファーウェイ BYD汽車 <2>
今回からは各モデルを少し詳しく調べてみる。
漢(汉)
BYD の最上位サルーンで全長 4,980 x 全幅 1,910 x 全高 1,495 ㎜ 、ホイールベース 2,920 mm というサイズは、テスラのフラグシップである モデルSの全長 4,970 x 全幅 1,950 、ホイールベース 2,960㎜ に比べて、全長が+10㎜ 、全幅 -40㎜ 、ホイールベース-40㎜ と、事実上同サイズと言える。
ダッシュボードは最新の EV らしく液晶ディスプレイを主体にしている。内装も写真で見る限りは結構質感は良さそうだが、まあ現物はどうか判らない。
とは言え、シートの座り心地は日本ではまともなものが出来る迄には何十年も掛かったから、そう甘くは無いだろう。
漢のグレード構成は、ベースモデル(24.6万元)と電子装備の充実したプレミアム(27.2万元)が FWD となる。そして高性能版(29.6万元)は 4WD で、0 ~ 100㎞/h 加速はポルシェ カレラよりも速い 3.9秒という。
また 4WD モデルはフロントブレーキにドリルドローターを使用していると言い、写真を見ると、何とブレンボの4ピストンが写っている。いくら中国でも、まさかブレンボの偽物を使う事は無いだろう。尤もブレンボとは言え、ポルシェのような一体型(モノブロック)ではなく、分割タイプのようだが。
同じ中国の EV メーカー NIO のフラグシップサルーン ET7 が 44.8~50.6万元だから、漢の 24.6 ~27.2万元という価格設定は圧倒的に安い。
唐
漢が高級セダンであるのに対して、唐は上級 SUV であり、サイズ的にも漢に近い全長 4,970 x 全幅 1,950 x 全高 1,725 ㎜ 、ホイールベース 2,820 mm で、SUV としては BMW X5 の全長 4,935 x 全幅 2,005 x 全高 1,770 ㎜ 、ホイールベース 2,975 mm に近いサイズだ。
ダッシュボードは基本的に漢と共通の部分が多い、ように見える。
唐はビッグサイズの SUV という事で、下の写真では3列シート7人乗り仕様となっている。
余談だが、下の写真のモデルは妙にイケメンで、中国人っぽく無いが‥‥。
唐も価格的に BYD としては漢以上に高価であり、その意味では BYD のフラグシップモデルとも言える。なお唐には PHEV もあるようで、こちらは BEV よりも概ね 10万元安く、このフルサイズ SUV が19.6万元(約340万円)で購入出来る。
次回は引き続き BYD のモデルについて、中級クラスの「宋」と「秦」を取り上げる予定だ。
つづく
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2021/5/27 (Thu) EVのファーウェイ BYD汽車 <1>
中国BYD汽車は中共の自動車メーカーとしては最初から EV 専門というユニークな存在で、親会社はバッテリーメーカーの BYD 、2003年に設立され、2008年には世界初の量産型プラグインハイブリッド(PHEV) を発売している。
そして 2016年時点で電気自動車 (BEV) の販売台数世界一となった。しかし、日本では誰もそのことは知らないだろう。そういう面では、多くの日本人が最近まで知らなかったファーウェイが、気が付いたら 5G に絡んで世界中の携帯基地局の機器を独占していた、というのと似ていて、正に EV のファーウェイになる可能性が充分にある。
今回は第一回目として、BYD 汽車のラインナップを簡単にまとめてみる。BYD の現行販売車種は下の表のように「漢(汉)」「唐」「宋」「秦」「元」そして「e」の6車種で、e系を除けば何れも漢字1文字の古風な名前を付けている。
上級サルーンの「漢」と同じく上級 SUV の「唐」、ミニバンの「宋」、中級サルーンの「秦」、コンパクト SUV の「元」、そしてコンパクトハッチバックサルーンの「e」と、売れ筋をずらり BEV でラインナップしているが、こんなメーカーは世界中に BYD 以外に見当たらない。
一覧表を見れば判る通りに、最上級車種でサイズではFセグメント、スペック性能的ではテスラSに相当する漢の上位モデルでも、価格は日本円で500万程度であり、e2 では BEV にも関わらず200万円以下を実現している。
これで内容的には充分に使い物になると仮定して、日本でテスラSに匹敵する BEV が500万円で発売されたら、どうなるのだろうか。まさにファーウェイの 5G 基地局の再来となってしまう。
とはいえ、現段階での BYD のクルマとしての出来は、 どう考えてもゴミだろうと確信できる。クルマの製造はそんなに甘くない。
次回からは各モデルをもう少し詳しくまとめてみる。
つづく
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2021/5/24 (Mon) Ford F-150 Lightning (2022)
フォード F-150 シリーズは米国の小型車ではベストセラーであるピックアップトラックの一つで、その中でも常に売り上げトップに輝いている。その販売台数は 2019年には約90万台という凄まじいもので、2位がクライスラー ダッジ・ラム (約63万台) 、3位はGM シボレー・シルバラード (約58万台) だから、3車種合計で年間約 210万台、月平均では約 18万台という凄まじい売り上げだ。
その F-150 に F-150 Lightning という BEV がラインナップされた。
ガソリン版の F-150 とは別車種と言っているようだが、フロントフェイスが違う程度で、事実上は同じものだろう。
リアビューも排気管が無いくらいで、特に変わりは無さそうだが、まあトラックの後部デザインなんて変えようが無いが‥‥。
フロントボンネットカバーを開けると、そこには EV としての電気機器が‥‥無い!
ここは強大なラゲージスペースとなっていた。
そこで断面図をみると、何と高い車高を利用してシャーシ―下にバッテリーがずらっと並んでいる。また駆動用の電気機器も低い位置に置かれている。
最近の EV では SUVタイプが主流となっていて、これはバッテリーなどの配置が容易という事が大いに効いているようだが、ピックアップトラックは更に車高が高く、しかもモノコックではなく頑強なラダーフレームを持っているから、重いバッテリーの搭載もチョイとフレームを弄るだけで実現出来る。
ダッシュボードは EV らしくテスラのような縦長のディスプレイを使用している。操作もこのディスプレイを使用してのタブレットコンピューター方式だろう。
これぞ米国ともいうべきピックアップトラックにも、遂に EV 化の波が押し寄せてきた。この流れは止められないだろうが、要はバッテリーであり、如何に小型・高性能で信頼性の高いバッテリーを開発出来るかにかかっている。
その点では日本はバッテリーではチョイと出遅れている。
と思ったら、トヨタは全個体バッテリーを開発中で、次期プリウスに採用するとも言われている。
頼みますよ、トヨタさん。
なお、Ford F-150 Lightning の詳細については下記にて。
⇒https://www.netcarshow.com/ford/2022-f-150_lightning/
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2021/5/22 (Sat) Tesla Model Y (2021)
EV 専門のカーメーカーという特異なポジションにある米テスラーは、現在プレステージカーのモデルSは別格として、より一般的なモデル3が主力となっている。
そこに新型のモデルYが発表され、米国では既に販売されているという。モデルYはモデル3よりも4,000ドル高いだけ、というから、モデル3よりも上位モデルの位置づけなのだろうか。
実はこのモデルY、サルーンのモデル3に対して SUV というかクロスオーバーに分類される。確かに SUV と言うには車高が低すぎる。
フロントフェイスをモデル3と比べると、デザインとしては多いに共通点がある。
そしてリアはといえば、ウエストラインから下はそっくり、と言うか共通なんじゃないか、とも思ってしまう。
実はモデルYの最大の特徴は外観からは判りにくいが、なんと7人乗車が出来るのだった。その点ではミニバン的な要素もある、正にマルチパーパスカーという事になる。
実はこのモデルは中国の上海工場で製造し、ここを世界的な拠点とするために工場を拡張する計画だったが、米国による中共への規制の為に、現在工場用地の取得も保留している。
そんな事もあり、モデルYの世界的な販売は予定を遅れているようだ。
なお、Tesla Model Y の詳細については下記にて。
⇒https://www.netcarshow.com/tesla/2021-model_y/