---------------------------------------------------------------------
2020/2/20 (Thu) Toyota Corolla Sport vs BMW 1 Series <4>
今回はドアを開けて室内の比較から始める。
最近の日本車は一見しての奇妙な部分は無い、というと若い人なら不可解に思うだろうが、少なくとも30年前の国産車といえば田舎のキャバレーか農家の応接間を彷彿させるいわゆる ”キャバレーシート” が当然だった。そしてドライビングポジションはバックレストの調整用のラッチ間隔が広く、しかも最も起こしてもまだ寝過ぎであり、必然的に寝っ転がって手を伸ばすというヤンキースタイルにならざるを得ないという状況だった。
さらに座面形状も最悪であり、クッションもブカブカでグリップ何てことは全く考慮されていないなど、もう恥ずかしいのなんの。それに比べれば最近の国産車は実にまともになったものだ。
さて先ずはカローラスポーツの室内を見ると、実は写真上のクルマはシートのサイドやバックレスト、そしてドアトリムの一部にレッドレザーが使われているのでちょいと派手で、しかもセンスも悪い。ただし他の色もあり、これはあくまで一例と思った方が良い。といってもイメージが湧かないだろうから中間グレードの例も写真下に載せておく。といってもこれもオプションなのだが。
そして1シリーズはといえば、写真のクルマが M Sport ということで、これはもう BMW の Mスポお馴染みの雰囲気であり、これはこれで好きなユーザーには堪らないだろうから、スタンダードより79万円高い (118iの場合) くらいは我慢しよう。でもちょっと高すぎない?
今度はシート表皮を拡大してみると、カローラスポーツでは上位モデルの G "Z" のオプション (17.9万円) としてサイドに本革、センターにウルトラスエードというファブリックを使用した写真下のものが設定されている。なお本革部分はレッドもしくはブラックが選択できる。そして標準の場合は G "Z" でもブラックのファブリックとなる。
中間グレードとなるGでは標準がブラックのファブリックだが、写真下の本革とファブリックのコンビで色はサドルタンのものがオプション設定 (12.7万円) されている。そしてベースグレードに当たる G "X" はブラックのファブリックとなる。
次に1シリーズはというと、 M Sport の為にセンターがファブリック、サイドと前端がアルカンターラというお馴染みの表皮が使われているが、従来よりもセンターのファブリック部分の面積が減って、多くの部分がアルカンターラとなっている。
それではシートのポジション調整はというと、カローラスポーツでは全てがマニュアル方式でパワーシートの設定はオプションにも無い。この辺は庶民向けのCセグハッチという事で、パワーシートはいらない、という考えだろう。
そして庶民にはスカッフプレートもいらないという事で、その手のものは付いてない。尤も "Corolla Sport" なんてプレートが付いていても誰も嬉しくないが‥‥。
1シリーズはこれまたお馴染みのポジションメモリー付きパワーシートとなっている。なお写真はスカッフプレートが "M135" となっているが、118i M Sport の場合は単に ”M” となる。
次回も引き続きインテリアを比べる事にする。
つづく
---------------------------------------------------------------------
2020/2/17 (Mon) Toyota Corolla Sport vs BMW 1 Series <3>
ではボンネットフードを開けてエンジンをくらべると‥‥
カローラスポーツのエンジンバリエーションは4気筒 1.2L ターボ 116ps のガソリン車と 1.8L 98ps と 72ps のモーターを加えシステム出力 122ps のハイブリッド車の2種類が設定されている。
まあハッキリ言ってパワー不足の感はあり、ここはCセグハッチらしいホットモデルが欲しいところだ。実は近日中に欧州では「GR SPORT」が発売されるようで、パワートレインはハイブリッドのみでエンジンは 1.8Lと2.0Lが組み合わされるという。高性能モデルもハイブリッドのみで押していくのは上手い方法だ。
次に1シリーズでは3気筒 1.5Lターボ 140㎰ の 118i と4気筒 2.0L ターボ 306㎰ の M135i がラインナップされている。何れもカローラスポーツよりもハイパワーであり、取り分け M135i に至ってはホットハッチとして十分な性能だ。ただし先代迄の縦置き直6エンジンとは異なり横置き4気筒で、この点では何とも寂しいものもある。
タイヤ・ホイールについてはグレードによって異なるのは当然で、見た目も大いに変わるから差別化としては最も基本的な部分だ。
では最初にスタンダードグレードで比較すると、タイヤサイズはカローラスポーツも 118i も205/55R16 と同一だ。当然ながらホイールのデザインも大人しいが、実はカローラスポーツではその下にベースグレードがあり、これだとスチールホイールに樹脂キャップという最近では珍しくなった組み合わせとなる。
では上級モデルはというと、カローラスポーツ G"Z” では 225/40R18、118i M Sport ではこれまた 225/40R18 と同サイズだ。118i の 140㎰ でもオーバースペックなのにシステムパワーでさえ 122㎰ のカローラスポーツハイブリッドでは無用の長物ではあるが、まあ見かけという面では効果は十分にあり、天下の BMW M Sport 並の迫力だ。
次はブレーキだが‥‥
これについては従来ブレーキがショボいので有名だった BMW も最近は 118i でさえ M Sport にはフロントに対向4ピストンキャリパーを採用するなど、カローラスポーツとは大いなる差が付いている。勿論性能的にも4ピストンともなれば‥‥実は公道での合法的な走行では殆ど変らないのだが、ホイールと同様に見かけの良さという点では実に効果はある。
次回からはインテリアを比べる事にする。
つづく