2026年2月に連邦最高裁が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づく一律の相互関税を違憲・違法と判断して以降、トランプ政権は議会承認を必要としない通商拡大法232条(国防・安全保障上の脅威)および通商法301条(不公正な貿易慣行)を通商政策の主軸に据えている。中間選挙での敗北により議会を通じた法制化が不可能になったことで、政権がこれら2つの大統領権限をさらに先鋭化させ、日本の自動車・半導体業界に以下のような直接・間接の影響とリスクをもたらすことが懸念される。
1. 自動車・同部品業界への影響とリスク
米国は2025年4月に通商拡大法232条に基づき自動車・同部品に25%の追加関税を発動し、その後の日米関税協議(2025年9月適用)によって、日本からの輸入分は既存の最恵国待遇(MFN)税率(乗用車2.5%)を含め合計15%へと引き下げられた。また、米国生産車向けの部品には「関税相殺プログラム」などの緩和措置が導入されている。しかし、ねじれ議会化によって以下のリスクが浮上している。
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2. 半導体・同製造装置業界への影響とリスク
半導体分野では、先端品から汎用(レガシー)品、さらに川上の素材に至るまで、232条と301条の双方が複雑に絡み合って影響を及ぼす。

3. 民主党議会による「ブレーキ」が効かない理由
民主党が上下両院を奪還したものの、ラストベルト(中西部の工業地帯)の労働者票を重視する民主党議員の多くは、自動車や鉄鋼の国内保護や対中強硬策(301条関税)に賛成の立場をとっている。そのため、議会が232条や301条の大統領権限を剥奪・制限する法改正に動く可能性は極めて低く、日本企業は今後2年間も大統領布告によるトップダウンのルール変更に晒され続けることになる。
