台風による千葉県印旛沼の堤防決壊に伴い、成田市などの沼沿いに設置された地上設置型の太陽光発電施設が一面冠水し、ソーラーパネルや架台下の機器から煙と炎が上がる火災が発生した。
水上施設ではなく、「地上の太陽光パネルが冠水した際」に起きた事故の原因と、その特有の危険性は以下の通り。
🔷事故の原因:なぜ冠水後に地上パネルから発火したのか

・架台下にある電気設備の水没とショート
◦ 地上設置型の太陽光発電施設では、パネルの下や架台の低い位置にパワーコンディショナー(集電装置)や接続箱、配線ケーブルが配置されている。
◦ 堤防決壊による冠水でこれらが水没し、水中の泥や不純物を介して電気回路が短絡(ショート)を起こした。
・水が引く過程でのアーク放電(火花)
◦ 完全な水没時だけでなく、水位が下がり始める段階で露出した電気回路に不純物が付着したまま通電することで、連続的な火花放電(アーク放電)が発生し、周囲の配線被覆や樹脂部材に着火した。
・太陽光による強制的な継続発電
◦ 足元が冠水して事故が起きていても、昼間に日光が当たる限りパネルは高電圧(数百ボルト)を発電し続ける。スイッチで発電を止めることができないため、一度鎮火したように見えても太陽光が差し込むたびに何度も再発火・放電を繰り返した。
🔷地上設置パネルが冠水した際の深刻な危険性

・消防が物理的に近づけず「放火・鎮火ができない」
◦ 現場へのアプローチ不可:施設周辺の道路や敷地全体が冠水しているため、消防車や隊員が物理的に現場へ接近できない。
◦ 水を使った消火が不可能:冠水地域で放水を行うと、水を通じた伝導により消防隊員が感電する危険があるため、通常の消火活動ができず「遠巻に見守る(自然鎮火を待つ)」しかない状態に陥る。
・広範囲に及ぶ「水中の感電リスク
◦ 水没したソーラーパネルや高圧の送電ラインから、周囲の浸水地域に漏電している可能性がある。
◦ 近隣住民が避難や片付けのために冠水した水に入ったり、ボートで近づいたりした際、目に見えない水中電流により致命的な感電事故に巻き込まれる危険が非常に高まる。
・水が引いた後の「時間差での再発火」
◦ 冠水が解消して水が引いた後も危険は去らない。
◦ 電子基板や配線に付着した泥や泥水(塩分・金属分)が乾燥すると、絶縁性能が破壊される。そこに再び太陽光が当たると、浸水から数日経過した後に突如ショートして再発火・延焼を引き起こすケースがある。