米国の制裁(SDNリスト掲載)を受けたICC関係者は、米ドル決済網や主要金融機関から事実上排除されるため、通常の電子決済に頼らない回避策とICC・加盟国による独自の緊急保護措置を組み合わせて生活を維持している。
🔷現金(キャッシュ)給与支給とアナログな取引

• 手渡しでの緊急給与支給: ICC事務局(オランダ・ハーグ)は、対象者の銀行口座が凍結・利用不能となった場合、米ドルや米国の国際決済網を経由しない現地通貨(ユーロなど)で給与や手当を現金で直接支給するアドホックな支援を行っている。
• 対面現金決済への切り替え:クレジットカードやオンライン決済が遮断されるため、日用品の買い物や対面での家賃支払いは現金取引で対処している。
🔷米ドル非依存の金融手段と家族名義の活用

• ローカル金融機関の利用:米国と取引関係を持つ大手グローバル銀行は「二次制裁リスク」を懸念して口座を閉鎖(デリスキング)するが、米国接点を持たない超小規模な地域金融機関や公的信用機関での取引を模索する。
• 家族口座の活用:本人名義の金融取引が全面的にストップするため、制裁対象となっていない家族の口座や資産を生活費の支払いに利用して生活を繋いでいる。
🔷法的抗弁およびEU対抗法制の活用

• EU「対抗法制(Blocking Statute)」の盾:欧州域内では、米国の過剰な域外制裁のみを理由とした金融機関の口座不当解約を差し止める動きがあり、銀行に対する異議申し立てや裁判を通じた口座維持の試みが行われている。
• 米財務省(OFAC)へのライセンス申請:家賃、医療費、食料費など基本的人道ニーズを満たすための「例外認可(個別ライセンス)」の取得申請や、制裁措置そのものの無効化を求める訴訟を米連邦裁判所に提起して争っている。