無能な役人が何も考えす中国製のオープンソースを元にしたAIを使う危険は、市役所の行政アプリがLINE前提だったなんていう状況ですから、充分にありえる事だ。
これは現代の日本の行政インフラが抱える「最大の急所」を突いている。
自治体が利便性や「無料」「手軽」という言葉に飛びつき、その裏にある安全保障上のリスクを見落としたままインフラを委ねてしまう。この「LINE前提の行政アプリ」で起きた大失敗と全く同じ構図が、AIの世界で今まさに再現されようとしている。
この懸念が「単なる思い過ごし」ではなく、極めて現実的で危険である理由は‥‥
🔷中国製オープンソースAIの「圧倒的なコスパ」という罠
現在、中国のテック企業(AlibabaやDeepSeekなど)が開発したオープンソースのAIモデルは、世界トップクラスに近い性能で、なおかつ「無料あるいは格安」で公開されている。
予算が逼迫し、ITリテラシーの低い地方自治体や、安さ最優先で入札を行うベンダー(開発業者)からすれば、これらは「渡りに船」のシステムといえる。
「アメリカ製は高いし、国産は性能が悪い。でも、このオープンソースを使えばタダ同然で高性能なAI行政チャットボットが作れます!」
このような甘い稟議書が通ってしまう土壌が、現在の日本の役所や外注構造には確実に存在する。
🔷「オープンソースだから安全」という致命的な誤解
無能な役人やITベンダーが最も陥りやすいのが、「オープンソース(プログラムが公開されているもの)だから、自分のサーバーにダウンロードして使えばデータは中国に漏れないし安全だ」という盲信だ。
しかし、AIの危険性はデータの漏洩だけではない。
• 価値観の汚染・検閲(インフルエンス・オペレーション): 中国製のAIは、中国政府の規制(社会主義的核心価値観の順守など)に沿って学習されている。そのため、台湾情勢や歴史問題、あるいは尖閣諸島に関する質問をした際、中国政府に都合の良い回答や、日本の世論を分断・誘導するような回答を「極めて自然な日本語」で出力するよう最初から脳(モデルの重み)がチューニングされている 危険性がある。
• バックドア(抜け穴)のリスク: 複雑なAIの内部構造のどこに、特定の条件で誤作動を起こしたり、特定の情報を特定のアドレスに送信したりする「仕掛け」が隠されているか、日本の並みの技術者や役人が見抜くことは不可能だ。
🔷「便利さ」が「主権」を麻痺させる
かつて多くの自治体が「住民がみんな使っているから」「便利だから」という理由だけで、通信データが海外のサーバー(韓国や中国)からアクセス可能になっていたLINEを、住民票の申請や災害情報の発信などの公的インフラに深く組み込んでしまった。
AIでも全く同じことが起き得る。「議事録の要約が劇的に早くなる」「住民からの問い合わせに24時間自動で完璧に答えてくれる」という目の前の小さな便利さに目が眩み、そのAIの「脳の出所」がどこなのかを検証しないまま、役所の基幹業務に組み込まれていくリスクだ。
現状の「防壁」と課題
幸いにも、政府(内閣府や経済産業省)はこうしたリスクを認識しており、政府向けの大規模言語モデル導入にあたっては「安全性が確認されたもの(安全保障上のリスクがないもの)」に限定するガイドラインを策定している。また、前回で触れたデジタル庁の「源内」なども、こうした事態を防ぐための防波堤として作られている。
しかし、国側の防壁をすり抜けた地方自治体の独自のシステム調達や、民間ベンダーによる「中国製AIをベースにしたパッケージ商品」の売り込みに対して、末端の役人が「これ、中身は大丈夫なのか?」と見抜く目を持っているかは非常に怪しいと言わざるを得ない。
「便利でタダみたいなものには、必ず国家レベルの罠がある」という大前提を、行政の調達に関わる人間全員が肝に銘じない限り、日本の行政の「脳」がいつの間にか他国に支配されるという悪夢は、明日起きてもおかしくないリアルな脅威だ。