結論から言えば、首相の新しいセンチュリー(SUVタイプ)には、極めて高度な防弾ガラスや装甲、その他の特殊な治安対策装備がガチガチに施されているようだ。

当然、テロや襲撃から国のトップを守るための「最高国家機密」にあたるため、トヨタ自動車も警察庁も具体的なスペック(何ミリの弾丸まで耐えられるかなど)は一切公表していない。しかし、これまでの総理大臣専用車の実績や、ベースとなった車両の目撃情報から、以下のような強力な装備が組み込まれているのは確実だ。
首相専用車に施されている主な特殊装備
見た目は洗練された高級SUVだが、その中身は「動く要塞」といえる。
• 重厚な防弾ガラスと特殊装甲:窓ガラスは、ポリカーボネートなどを何層も重ねた数センチの厚みを持つ「ラミネート防弾ガラス」で、ドアパネルや床下、ルーフ(天井)の内側には、防弾チョッキなどにも使われる高強度のアラミド繊維(ケブラー)や特殊鋼板の装甲が張り巡らされており、ライフル弾の直撃や、車体下での手榴弾の爆発などにも耐える構造になっている。
• ランフラットタイヤ:銃撃や爆発でタイヤが完全にパンクし、空気が抜けてしまった状態でも、時速80km程度で数十キロメートル以上走り続け、現場から安全に脱出できる特殊なタイヤを装着している。
• 燃料タンク・電子制御系の防護:万が一の引火や爆発を防ぐため、燃料タンクには自動消火機能や、弾丸が貫通しても穴を自動で塞ぐ特殊な自己シール技術が施されている。
• 専用の通信・識別設備:移動中も常に政府高官や自衛隊、警察と秘匿性の高いホットラインを繋ぐための「衛星通信アンテナ」や、車列を組む際に警察の警護車両(SP)が瞬時に首相公用車だと識別するための「フロントグリル内の青色LED警告灯」が装備されている。
窓枠を見ればわかる「防弾」の証拠
実は、2025年秋にアメリカのトランプ大統領が訪日した際の警護車列に、試験運用中とみられる「防弾仕様のセンチュリーSUV」が世界で初めて目撃され、一部の自動車ファンの間で大きな話題になった。
一般向けに市販されているセンチュリーと見比べると、その違いは一目瞭然で、 防弾ガラスがあまりにも厚く重いため、窓枠(ウインドウフレーム)が通常の倍近く太く、重厚な金属で補強されている。外から車内を覗き込んでも、ガラスの厚みによる特有の屈折で、中の様子が歪んで見えるのが特徴という。

こうした重装備を追加した結果、車両重量はベース車両(約2.5トン)から大幅に増加し、3トン〜4トン近くに達していると推測される。
この超重量を支え、いざという時に力強く加速して危険地帯を脱出するために、「SUVの頑丈なシャシーと足回り」が不可欠だったというわけだ。