ホルムスカイ海峡で走行不能になっているイランタンカーの原油総量は?





2026年5月中旬現在の米中央軍(CENTCOM)および海事監視機関の報告に基づくと、ホルムズ海峡周辺で「逆封鎖」措置により航行不能(Disabled)に陥っているイラン関連タンカーの状況は以下の通りとなっている。

1.航行不能になっているタンカーの総数
米中央軍の公式発表(2026年5月8日付)および最新の報道をまとめると、精密攻撃などにより物理的に航行不能にされた船舶は計4隻。
• M/T Sea Star III(5月8日に煙突を攻撃され停止)
• M/T Sevda(5月8日に煙突を攻撃され停止)
M/T Hasna(5月6日に機関砲で舵を破壊され停止)
• 名称非公表のタンカー1隻(4月中旬以降の措置で累計に含まれるもの)

これら4隻に加え、米海軍によって約57隻の商船が「進路変更」を命じられるか、イランの港への入港を阻止され、海峡周辺で待機・引き返しを余儀なくされている。

2.積載されている原油の総量
航行不能になった個別の船舶と、海峡周辺で停滞している「浮き貯蔵(Floating Storage)」状態の原油量は以下の通り推定されている。
• 直接攻撃を受けた4隻:これらは「空荷(Unladen)」の状態でイランの港へ戻ろうとしていた際に阻止されたケースが多く、この4隻自体に積載されている原油量は限定的とみられる。

• 海峡周辺の滞留原油総量:「逆封鎖」の影響で、イランが輸出できずにタンカーに積み込んだまま海上で待機させている原油(および石油製品)の総量は、2026年5月時点で約1億3,000万バレル以上に達している。
◦ これは封鎖開始前の約3倍に相当する規模となる。
◦ イラン国内の地上貯蔵施設が満杯に近づいているため、タンカーを「動く貯蔵庫」として利用せざるを得ない状況が続いている。

まとめ

約1億3,000万バレルという事は中国の消費量である1日あたり約1,600万バレルに対して約8日分となっている。

またイランの原油星団量は1日約300万バレルだから43日分。何と1.5か月分が「納入」できない状況だ。