NATO加盟国の常駐代表約30名来日による成果はなにか





2026年4月中旬、NATO加盟国(約30カ国)の常駐代表(大使)が揃って来日した。

この事実は、「欧州・大西洋」と「インド太平洋」の安全保障は不可分であるという認識を象徴する極めて異例かつ過去最大規模の外交イベントとなりった。

主な目的と得られた成果は以下の通り。

1.来日の主な目的
• 戦略的連携の深化:ロシアによるウクライナ侵攻や中国の海洋進出、さらに緊迫化する中東情勢(特にホルムズ海峡の封鎖状況)を背景に、日本との安全保障上の協力を具体化すること。

• 防衛産業・技術協力の模索:米国への過度な依存を減らすため、日本の高度な製造基盤や防衛技術、サプライチェーンの多様化に向けた協力の可能性を探ること。

• 「対米外交」のノウハウ共有:トランプ政権下でNATO軽視の姿勢が強まる中、日本がいかにして良好な日米関係を維持しているのか、その経験を学ぶという側面もあった。

2.主な活動と対話の内容
大使一行は、岸田文雄元首相や茂木敏充外相、外務省幹部らと精力的に面会を行った。

地域情勢の議論:
中東情勢:アメリカとイランの対立が深まる中、封鎖状態にあるホルムズ海峡に対し、日本がどのような具体的対応を取り得るかについて、大使側から強い関心が示された。
◦ 東アジア:北朝鮮の核・ミサイル問題や、ロシアとの軍事協力に対する懸念が共有された。

• 現場視察:防衛関連企業の工場視察などが行われ、技術面での実務的な連携が話し合われた。

3.得られた成果
• 不可分な安全保障の再確認:「一方の地域の事象はもう一方に直結する」という認識が改めて文書や協議で強調され、日本とNATO、さらには「IP4(日本・韓国・豪州・NZ)」との連携強化が合意された。

• 具体的協力の進展:サイバー安全保障、宇宙、先端技術、宇宙ドメインなどの分野で、実務レベルの協力をさらに積み上げていく意思が確認された。

• 強力な政治的メッセージ:30カ国の大使が一堂に会して来日すること自体が、中露などの現状変更を試みる勢力に対する強い抑止メッセージとなった。

補足:今回の訪問は、これまでの「閣僚級の往来」とは異なり、意思決定を支える「大使級の実務集団」が直接現場(日本)の安保環境を肌で感じ、日本の防衛産業を視察した点に大きな特徴がある。