なぜ日本ではJTC型企業が半世紀も生き残ったのか





「JTC(Japanese Traditional Company)」が半世紀以上も日本で存続してきた理由は、単に企業文化が古いからではなく、戦後日本の経済システム全体がJTC型に最適化されていたことにある。

主な構造を整理すると。

1.日本の高度成長モデルと相性が良かった
1950〜80年代の日本経済は
• 大量生産
• 長期投資
• 技術の積み上げ
が重要だった。

この時代の主力企業は
• トヨタ自動車
• 日立製作所
• 東芝
• 三菱重工業
のような巨大製造業。

こうした産業では
• 技術者を長期育成
• 熟練技能の蓄積
• 部門間の協調
が重要であり、終身雇用+年功序列はむしろ合理的だった。

つまり、JTCは時代遅れではなく、当時は最先端の経営モデルだった。

2.メインバンク制度
戦後日本では、企業は株主ではなく銀行に支えられていた。

典型例
• 三菱UFJ銀行
• みずほ銀行
• 三井住友銀行
これをメインバンク制度と言う。

特徴
• 銀行が企業を長期支援
• 赤字でもすぐ倒産しない
• 経営陣の入れ替えが少ない

結果
企業が保守化する

3.株式の持ち合い
日本企業は互いの株を持ち合っていた。


• 企業A → 企業Bの株
• 企業B → 企業Aの株
これを、株式持ち合いという。

効果は
• 敵対的買収が起きない
• 経営者が株主から追及されない
• 長期雇用が維持される

欧米では
• 株主が強い
• CEOがすぐ解任
だが、日本では、会社=共同体だった。

4.日本社会の文化
日本社会は
• 和
• 組織重視
• 長期関係
を重視るす。そのため会社は、雇用機関+共同体だった。

企業が担っていたものは
• 住宅
• 社宅
• 年金
• 人間関係
• 結婚相手

つまり、会社=人生インフラだった。

5.労働市場の特殊性
欧米:転職市場が巨大
日本:新卒一括採用

この制度では、22歳で一生の会社が決まるため企業は
• 長期教育
• 年功昇進
を前提にした。

6.90年代以降も崩れなかった理由
1990年代に
• バブル崩壊
• グローバル競争
でJTCの弱点が露出した。

しかし完全に崩れなかった理由は
1. 労働法が強い
2. 高齢社員が多い
3. 解雇が難しい
4. 社内政治が強い

つまり、制度の慣性。

7.しかし今JTCが崩れ始めている
現在は3つの理由で崩れている。
① IT革命
ソフト産業では年功序列が機能しない

② 人口減少
人手不足で、転職が普通になった。

③ 株主圧力
日経平均株価 の企業の株主の約3割は外国人と、海外投資家が増えた。
その結果、利益重視の経営が求められる。

8.皮肉な結論 実は
JTCは日本経済を成功させたモデルだった。

しかし成功しすぎて、変わる事が出来なくなった。

という訳で、日本独特の制度が生きながらえてきたのだが、ここに来ていよいよ終わりか‥‥

と思ったら、どうも、そうでも無いらしい。

これについては、次回にて。