2026年、ついに本格稼働する次世代国税システム、通称「KSK2」。従来のシステム(KSK)でも「なぜか脱税がバレる」と言われてきたが、KSK2ではその精度と網羅性が次元の違うレベルに引き上げられる。
具体的にどのように脱税や申告漏れをあぶり出すのか、その「包囲網」の仕組みを詳しく解説する。
1. 「税目」の壁を超えた自動照合
これまでの国税システムは、所得税、法人税、消費税などが別々に管理されている側面があり、調査官が手作業で矛盾を探す必要があった。KSK2ではこれが完全に統合・自動化される。
• 具体例:
◦ 法人税の申告書には「売上5,000万円」とあるのに、消費税の申告では「課税売上4,500万円」となっている場合、KSK2がその「500万円の差」を瞬時に検出し、アラートを出す」。
◦ 経営者の「個人の所得」と「法人の役員報酬」の整合性も、全件自動でチェックされる。
2. AIによる「異常値」の自動抽出
KSK2の最大の武器は、蓄積された膨大な過去のデータに基づくAI分析。
• 同業種比較: 「同じ地域、同じ業種、同じ規模」の他社データと比較して、特定の経費(例:外注費や交際費)が突出して高い場合、AIが「不自然な申告」として調査対象リストの上位に自動的にランク付けする。
• 申告漏れ予備軍の特定: 申告はしていないものの、外部データ(銀行口座の動きや取引先からの支払い情報)から「この人は本来これくらいの所得があるはずだ」と推論し、無申告者を効率よく特定する。
3. 外部情報(金融・海外・不動産)とのリアルタイム連携
KSK2は国税庁内のデータだけでなく、外部とのデータ連携もこれまで以上にシームレスになる。
• 金融機関とのデジタル連携: 従来、銀行への残高照会は紙ベースで行われることも多かったが、金融機関とのオンライン連携が進むことで、多額の入出金や「名義預金」の疑いを素早くキャッチする。
• 海外資産・暗号資産: 国際基準(CRS)に基づく海外口座情報や、暗号資産(仮想通貨)の取引データもKSK2に取り込まれ、個人が隠そうとする「見えない資産」を可視化する。
• 不動産登記情報: 不動産の所有権移転データと申告状況を照合し、「親名義で買った不動産の資金源が実は子供だった(実質的な贈与)」といったケースも捕捉しやすくなる。
4. 調査現場の「モバイル化」と即時判定
KSK2によって、税務調査官の武器も進化する。
• 現場での即時アクセス: 調査官がタブレットを持参して調査現場へ行き、その場でKSK2のデータにアクセスできるようになる。「事務所に戻って確認します」というタイムラグがなくなり、現場で矛盾点を即座に指摘することが可能になる。
• 紙の排除(AI-OCR): 依然として紙で提出される申告書も、AI-OCRによって全件デジタル化。すべての情報が検索・分析可能なデータとして蓄積される。
まとめ:KSK2がもたらす「見逃しゼロ」時代
これまでの税務調査は「ベテラン調査官の勘」に頼る部分もあったが、KSK2は「データによる全件スクリーニング」を実現する。
前回のブログ でも結論としたが、 今後はこれら国税のシステムを知りきって「節税」を指南できる「最新のAI対策を知り尽くした超エリート税理士」の時代となるだろう。