4日、米ジョージア州にある現代自動車・LGエネルギーソリューション工場で、さながら軍事作戦のような「大規模合同移民取り締まり」が行われた。工場の上をヘリコプターが飛び、工場周辺には装甲車をはじめとする武装した軍用車両があちこちに配置され、逮捕者を輸送するための大型バスもひっきりなしに行き来した。
米国土安全保障調査局(HSI)や米連邦捜査局(FBI)の要員たちはパスポートなどの身分証確認や顔写真撮影を行い、違反が疑われる者は「結束バンド」で手を縛って連行した。LGエネルギーソリューションと共に施工を担当している現代エンジニアリングの本社や協力会社の社員を含め、韓国人だけで約300人が連行されたという。
逮捕された韓国人は米ジョージア州にある施設に収容されたが、そこは刑務所よりも環境が悪く、「ボロボロのマットレス、漏水、水たまり、カビ、古いシャワー施設、換気システムのカビと残骸、多数の虫、お湯が出ないシャワー、作動しない便器、厨房冷凍庫の故障した温度計、温かい食事の不在」などが2022年の抜き打ち検査で判明したという場所だ。

ただし、この報道は韓国メディアによるものなので誇張がある事も考えられ、逮捕者が実際にはどのような状況なのかは定かではない。
この取締によって、ジョージア州にある韓国系のバッテリー工場3カ所すべてが停止状態にあり、就労ビザ問題が解決しなければ廃業する工場はさらに増えるものと見られている。
今回逮捕された韓国人の多くは「工場稼働に必要な特殊技術を持つエンジニア」や「設備インストーラー」であり、B-1(商用出張)ビザで渡米し、短期間(最大75日程度)で専門的な作業を行っていたとの事だ。
B-1の短期商用ビザや、ESTA(ビザ免除プログラム)で米国入りし、現場で作業に関わるというのはグレーゾーン的な運用であり、今回はこれが摘発された事になる。これに対して韓国の政府や弁護士は「こうした方法自体は日本・ドイツなどの外資系企業でも行われてきた」と主張しており、業界慣行の一つでもあったと指摘している。
要するに韓国を狙い撃ちにした、という主張のようだが、まあ、それは充分にあるだろう。
この摘発により、韓国が米国内で展開する筈の大規模なバッテリー生産設備の立ち上げは大幅に遅れる(若しくは中止となる)事は確実だ。
言い換えれば、米国としては韓国企業のバッテリー工場が稼働する必要性を感じていないどころか、悪く言えば妨害すらしている、という事だ。あくまで推測だが、EV自体がオワコンとなってしまった今の時点では韓国企業の大規模バッテリー工場なんて必要ないというとも考えられる。
このような韓国にとっては一大事に於いて、大統領の李在明はどうしているかといえば、映画を鑑賞して大笑いする様子をSNSに投稿したことで、韓国野党・国民の力所属議員が「韓国国民約300人が米国で手錠をかけられ、虫がうごめく収容所に閉じ込められているのに、大笑いして映画を鑑賞した後、SNSで宣伝までするのか?」と批判した。
あれあれ、ダメだこりゃ(笑
ところで、日本の企業が米国工場を立ち上げる際、支援要員のビザなどはどうなっているのだろうか。
これについては【後編】にて