イランの港で大規模爆発 ロシアが支援を表明




ロイターによると『イラン南部にある同国最大の港、バンダルアバスで26日、大規模な爆発があった。国営メディアは27日、少なくとも40人が死亡、1200人以上が負傷したと伝えた。』

更に『爆発はイラン最大のコンテナハブである同港のシャヒードラジャイー地区で発生。周囲数キロにわたって窓ガラスが粉々になり、輸送用コンテナから金属が剥がれ、中の商品が大きな損傷を受けたという。』とも伝えている。

この火災に対してロシアのプーチン大統領は非常事態省の航空機数機(Be-200Il-76)をイランに緊急に派遣するよう命じた、と在イスラム共和国ロシア大使館が発表した。

ところで、 Be-200Il-76と聞いても多くの日本人は、これが何物なのかは理解できない。という事で調べてみた。

先ずは Be-200から。

Be-200はロシアの航空機メーカー、ベリエフ設計局が1998年に開発した多目的水陸両用機(飛行艇)で、飛行艇としては珍しいターボジェットエンジンを使用している。

飛行艇と言えば、日本のUS-2が思浮かぶが、US-2はBe-200に対して、離陸重量と航続距離、巡航高度で勝り、巡航速度では多少劣るが離水距離と着水距離は圧倒的に短く、着水可能波高においては約3倍という性能を誇っている。

これはBe-200が劣っているというよりも、US-2が飛行艇として飛びぬけた性能であるということだ。

次にIl-76イリューシン76)は、旧ソ連のイリューシン設計局の開発した大型の軍用輸送機で、ロシアでも空挺降下を含めて引き続き運用されている。
最大積載量は53tで、これは同サイズの米軍C-17 の78tに比べて大きく差が付いている。
尤も、ロシアの最新輸送機は圧倒的な積載量を誇っているから、要するに時代遅れのIl-76を派遣した、という事だ。

旧ソ連を含めてロシアの航空機というのは、米国に比べるとイマイチ感があるが、それでも各種の軍用機を自国で賄えるロシアの力は、国際的な軍事バランス上で大きな影響力を持っている事は否定できない。