今や世界で最も注目されている場所であるガザ地域だが、実はこの沿岸は30億立方メートルという大量の天然ガスが含まれている海洋ガス田が1990年代末に発見されていた。
このガス田はパレスチナ自治政府(PA)に属しているが、1999年にイスラエルとPAの間で結ばれた合意により、イスラエルの承認無しには開発する事ができなかった。
それから既に20年以上が経過しているが、このガス田は未開発のままだった。そりゃそうだろう、こんな危ない地域の開発に手を出すような民間企業は無いのが当然だ。加えて、2007年にハマスがガザ地域を支配したことで、ガス田からの膨大な収入がハマスに渡る事を認める訳もなく、それ以降の進捗は無かった。
ところが、昨年からエジプトを通して新たな交渉が始まり、今年の7月にエジプトがプロジェクトを後援しガスの殆どがエジプトのエネルギー部門に販売され、その後欧州に販売される事で、イスラエルも合意していたのだった。
ところが、それから3カ月後、今回の紛争が勃発した事で、アラブの和平の波同様にガス田の開発も吹っ飛んでしまった。
このエネルギーの販売が軌道に乗れば、今まで極度に貧しかったパレスチナ人も裕福になると期待する意見もあるが、何しろ腐敗だらけのパレスチナ自治政府と極悪テロ組織のハマスでは、膨大な利益が出たとしても、パレスチナ人に還元なんかする筈もなく、一部の幹部が私服を肥やして大金持ちが出現し、増々貧富の差と悪政が蔓延るだけなのは、旧ソ連や中国を見れば判ることだ。
それにしても、今回の紛争の原因は、そう単純ではないという事だった。
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