大型汎用機(大企業や官公庁の基幹システムなどで使われる、高い信頼性と処理能力を持つ大型の高性能コンピュータ、メインフレーム)から現代的な言語(Java, Go等)へ書き換えた後の新システムは、単一の巨大な専用筐体から、標準的な汎用サーバー(x86 / ARM)群による「分散インフラ」へと根本的に変化する。
主な移行先のハードウェア構成パターンは以下の3つがある。
1. パブリッククラウド(AWS / Azure / Google Cloud)

現在、モダナイゼーションにおいて最も多く選ばれている形態で、自社で物理ハードウェアを所有・保守する必要がなくなる。
• ハードウェアの実体:データセンター内の汎用x86サーバー(Intel Xeon/AMD EPYC)またはクラウド独自ARMプロセッサ(AWS Gravitonなど)。
• 構成:コンテナ基盤*(Kubernetesなど)上で動作し、処理負荷に応じて自動でサーバー台数を伸縮(オートスケーリング)させる。
*コンテナ基盤:アプリケーションとその実行に必要なライブラリや設定ファイルをひとまとめにした「コンテナ」を効率的に実行・管理するためのプラットフォーム(システム環境)
2. プライベートクラウド / 自社データセンター(オンプレミス)

金融機関や官公庁など、データの国外持ち出し制限や超低遅延ネットワークが求められる場合に採用される。
• ハードウェアの実体:Dell、HPE、Ciscoなどの汎用x86ラックマウントサーバーや、Nutanixに代表されるHCI(ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ)。
• ストレージ:メインフレーム特有の磁気ディスク・チャネル結合から、超高速なNVMe対応オールフラッシュストレージ(SAN/NAS)へ置き換わる。
3. ハイパフォーマンスLinuxサーバー(大規模バッチ専用)

メインフレームが得意としていた「極めて巨大な一括データ処理(夜間バッチ)」を引き継ぐため、一部のコア処理用に高スペックなノードを配置する形態だ。
• ハードウェアの実体:数TB〜十数TBのメインメモリを積んだ大型x86サーバー(パソコンと同じ「x86」と呼ばれるCPUの設計(アーキテクチャ)を採用した、安価で性能の高いサーバー)、またはIBM Power Systems(IBMが開発・提供する、企業の基幹業務や大規模なデータ処理に特化した高性能・高信頼なエンタープライズサーバーのファミリー、Linux on Power)など。
メインフレームと新システムのハードウェア比較


メインフレーム時代は「絶対に壊れない単一の超高額ハードウェア」に依存していたが、移行後の新システムは「1台のサーバーは壊れる前提で、ソフトウェアとクラウド構成で冗長性を担保する汎用ハードウェア群」へと変わる。
とはいえ、メインフレームからの脱却は相当な困難もあり失敗例も多い。