ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)のリアルタイム速報記事「Russia Hammers Ukraine’s Capital in Deadly Attacks」(2026年7月2日付)が、ロシア軍がウクライナの首都キウイ(キエフ)に対しておこなった、開戦以来最大級とされる猛烈な夜間空襲の凄惨な被害と、その戦略的な背景を報じている。

🔷過去最大規模の夜間空襲
ロシア軍は木曜日の未明にかけて、弾道ミサイルや巡航ミサイル、そして数百機に及ぶ大量の自爆ドローンを組み合わせた波状攻撃をキウイに仕掛けた。キウイのビタリ・クリチコ市長が「首都に対する敵の最も大規模な攻撃」と表現するほど激しいもので、街中が数時間にわたって爆発音に揺れた。
🔷 甚大な市民への被害
被害は軍事施設にとどまらず、多くの住宅地や民間インフラに及んだ。
• 犠牲者: キウイ市内だけで少なくとも17〜21人が死亡し、数十人が負傷(子供2人を含む)。アパートの瓦礫から救出活動が続けられている。
• 避難の規模: 激しい爆撃から身を守るため、5万2,000人以上(うち子供4,500人)の市民が地下鉄の駅に殺到し、夜を明かした。駅のホームには簡易テントやエアーマットレスが並び、異常な緊張感に包まれた。
• インフラ破壊: 市内28カ所以上で建物の倒壊や火災などの被害が確認されている。
🔷攻撃の背景にある「深部攻撃への報復」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、インテリジェンス(機密情報)からロシアが大規模攻撃を画策していることを察知し、直前に訪問していたアイルランド・ダブリンでの予定を切り上げて急遽帰国していた。
今回のロシアによる大規模な爆撃は、ここ数週間にわたりウクライナ軍がロシア国内の重要インフラ(大規模な天然ガス処理プラント、衛星通信センター、複数の石油精製所など)に対しておこなった、ドローンによる深部攻撃への報復・圧力を強める狙いがあるとみられている。
🔷 ウクライナの訴えと国際社会の反応
ウクライナ政府は、ロシアのミサイルやドローンの多くは防空システムで迎撃したものの、限界があるとして、欧米の同盟国に対して「さらなる防空システム(パトリオットなど)の即時支援」を強く呼びかけている。
これに対し、EU(欧州連合)の外交トップであるカヤ・カラス氏は、今回の民間人を巻き込んだ凄惨な攻撃を受け、ロシアに対する新たな追加制裁を提案する方針を示している。
要点: 今回の攻撃は、ウクライナによるロシア国内へのインフラ攻撃の激化に伴い、ロシア側が首都キウイの市民生活を激しく破壊することで、これまでにないレベルの「力による圧力」をかけようとした局面の変化を捉えた報道となっている。