中国が国際社会へアピールしても、先進国は寧ろ日本の軍備増強に好意的に感じている





中国による「日本の軍国主義化」という批判が、G7をはじめとする主要先進国にはほとんど響いておらず、むしろ日本の防衛力強化や安全保障上の役割拡大が歓迎されている。

2.先進国(G7・西側陣営)の視点:日本への「歓迎」と中国への「警戒」
アメリカをはじめ、欧州や豪州などの先進民主主義国は、現在の東アジアにおける最大の覇権主義的な動きを行っているのは中国であると共通の認識を持っている。 そのため、日本が防衛費を増額し、反撃能力の保有を含む安全保障政策の大転換を進めていることに対し、先進国側は「軍国主義の復活」ではなく「ルールに基づく国際秩序を維持するための、大いなる貢献」として極めて好意的に評価している。この層において、中国のプロパガンダは事実上機能していない

2.グローバルサウス諸国の立ち位置と中国の狙い
中国がこの種のナラティブ(語り口)を主に発信し、浸透を図っているのは、「グローバルサウス」と呼ばれるアジア、アフリカ、中南米の発展途上国・新興国だ。

これら諸国の影響力については、「国際的な影響力は殆どないのではないか」という見方がある一方で、国際政治のパワーバランスにおいて無視できないキャスティングボートを握りつつあるという側面もある。

• 国連での「票数」という武器: 国連総会など「1国1票」の場において、グローバルサウスは圧倒的な多数派となっている。中国はこれらの国々を取り込むことで、国際機関における自国の発言権を担保し、新疆ウイグル自治区や台湾問題などでの自国への批判をブロックする防壁として利用している。

この問題の解決として米国は既存の国連に代わり中国やロシアを排除した新しい国際組織を作ろうとしている

• 歴史的記憶の利用: 東南アジアの一部やアフリカなど、かつて欧米や日本の植民地主義・帝国主義を経験した国々に対しては、「日米欧=旧列強・支配者」という構図を提示する中国のロジック(反植民地主義の文脈)が一定の共感を呼びやすいという土壌がある。

3.グローバルサウスは本当に中国に同調しているのか?
しかし、グローバルサウスの国々も決して一枚岩ではなく、中国の言いなりになっているわけではない。彼らの外交は極めて「実利主義(したたか)」だ。

• 経済的依存と安全保障のバランス: 中国からの巨額のインフラ投資(一帯一路)は受け入れつつも、いわゆる「債務の罠」や主権侵害への警戒感は年々高まっている。

• 東南アジア(ASEAN)のリアル: 特に南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンやベトナム、インドネシアなどは、経済的には中国を重視しつつも、軍事的な脅威は身に染みて理解している。そのため、日本の防衛力強化や、日本からの防衛装備品(巡視船など)の供与を水面下、あるいは公然と歓迎しているのが実情だ。

まとめ
結論として、中国による「日本の軍国主義批判」というアピールは、主要先進国に対しては完全に無力化しており、むしろ日本の地位向上を助けている

中国がターゲットにしているグローバルサウス諸国においても、彼らは中国の思想に心から同調しているというよりは、経済的・外交的な利害関係から全否定を避けているに過ぎないケースが大半で、国際社会全体を見渡せば、中国のこの外交戦術は「かつてほどの効果を上げていない」というのが現実だ。