中国が軍民両用として強襲揚陸艦を建造




中国の台湾侵攻が囁かれているが、現実には人民解放軍海軍には上陸作戦の要となる強襲揚陸艦が手薄状態だ。現在の主力は075型強襲揚陸艦で、2024年時点で3隻が就役、1隻が試験航行中なのが確認されている。

075型は満水排水量36,000~40,000t、全長232mで、米国のアメリカ級(45,000t、257m)と概ね同サイズだ。スペック的にもアメリカ級と同等だが、まあ中共製のパチものだからハッタリは大いにあるだろう。空母のような全通甲板を持ち、航空機はヘリコプター30機が搭載できるというが、米国のように戦闘機(F35B×6機)の搭載はできない。

そもそも、中国にはF35BのようなVSTOL機が無いのが最大の理由だ。

そんな状況の中国だが、広東省広州市で台湾有事を想定した軍民両用艦が建造されていることが、読売新聞のスクープで判明した。

この画像の船は貨物船に甲板を置いて改造した艦船で、平時には海洋調査などを行う一方、有事には軍が揚陸艦として運用し、兵員・兵器の輸送や監視活動に利用するとみられる、と報道されている。

同船は幅約40m、長さ約200mとされ、全通甲板を持つなど形状は空母に似ているというが、寧ろ長さ232mの075型強襲揚陸艦に近い。これはまさに台湾侵攻時の上陸作戦に使用する事を前提にしているとしか思えない。

同船の船体には軍艦に付与される艦番号がなく、民間調査船である事を示唆する船名が書かれているというから、平時は民間で運用される可能性が高いという。

一部では海洋調査船に偽装した軍艦だとも言われているが、その成り立ちからすれば、基本は民間船舶を強襲揚陸艦風に改造したものだろう。

軍用艦と民間船舶では基本構造がマルで異なり、民間船では戦闘時のハードな使用にはとても耐えられないと思うが、まあ、そんな事は気にしないのが中国だ。

スクラップを再生した空母と貨物船を改造した強襲揚陸艦で、果たして台湾上陸作戦なんて出来るのだろうか?

因みに、輸送艦と言っているが、実はウェルドッグを装備している本格的な強襲揚陸艦を持っている国もあるが。