VW ゴルフ GT TSI (2007/2/18)      


ゴルフとしては外観上でGTIよりは大人しいが、EやGLiというファミリーモデルよりはスポーティーな外観が
このグレードの特徴を表している。

フォルクスワーゲン(VW)の代表車種でもあるゴルフに新しい車種が追加された。グレード名のGT TSIからもわかるようにVWの新しいコンセプトであもあるTSIテクノロジーによるエンジンを搭載している。 具体的にいえば、1.4ℓの直噴エンジンにターボチャージャーとスーパーチャージャーを組み合わせて、低回転時には機械式のスーパーチャージャーでレスポンスを上げ、高回転側ではターボチャージャーで 強力に過給するという方式だ。 これにより最高出力170ps/6000rpm、最大トルクは24.5kg-m/1500〜4750rpmという、同じゴルフの2ℓNAモデルよりも高出力、高トルクを発生する。 このエンジンに組み合わされるのはVW得意のシーケンシャルミッションであるDSGで、ゴルフとしては今までGTIおよび、その豪華版でもあるGTXに搭載されていたものだ。 そして、GT TSIの価格は305万円也。2ボックスのCセグメントで、しかも排気量は1.4ℓと聞けば、普通の日本人なら「冗談じゃない、ヤッパリ外車はボッタクリだ」と大騒ぎをしても当然のようなスペックと価格には間違いない。 ところがVW同士で比べれば、2ℓ自然吸気のGLiが282万円だから、それよりも高出力のGT TSIが23万円高というのは妥当な価格でもあるから、VWファンから見れば期待の新車種 となる。

現行型のゴルフとしては、GTI試乗記を既に発表しており、VWゴルフの初代から現在までの経過などはこちらを参照してもらうとして、今回は最大の相違点でもあるツインチャージャーのエンジンについてのインプレッションを主とすることにしよう。


写真1
リアスタイルはチョット見にはGTIと大きな違いは見当たらない。左2本出しの排気管もGTIとソックリだ。

 

    

 


写真2
このクラスの本家だけあてリアスペースは十分にあるから、大人4人の移動には不満はで出ないだろう。

 


写真3
豪華でも何でもないが、いかにも耐久性がありそうなシート表皮など、実用に徹しているのがゴルフらしい。GTIが赤と白のチェックを配したシート表皮を使っているのとは対称的だ。

 

前回乗ったGTIの内装がシート座面に赤/白のストライブが入ったチェック柄だったりと、スポーティに振っていたのに比べれば、GT TSIの内装はフォルクスワーゲンらしく地味な配色で、やはりGTIとはコンセプトが異なるようだ。いまだに国産車が欧州車に太刀打ちできない代表のようなシートの座り心地は、欧州車の中でも、一際評判の良いVWだけあって、カチッとしているが、それでいて適度の柔らかさも持っているし、体をサポートするツボを実に良く捉えている。シートの調整は全て手動式となっているのも、このクルマが実用車であることの証でもある。

トルコン式のATも含めて同一のポジション配列を持つセレクターをDに入れて(勿論、ブレーキペダルを踏んで)から、ゆっくりとアクセルを踏むと、エンジン回転数が一瞬上がってからクルマは走り出した。この一瞬が、実はこのクルマが普通のATではなく、シーケンシャルシフトのDSGのためにクリープがなく、走り始めはクラッチが繋がるのだという事を認識する。このDSGはGTIにも装着されていたので、既に体験済みだから改めて驚くことは無かったが、先日乗って試乗記としても発表したプジョー1007のシーケンシャルシフトと比べると、・・・・・いや、比べてはいけない。

最初に片側2車線の幹線道路を走ってみたが、60〜70km/h程度の巡航時は回転計の針は1500rpm辺りを指している(写真5)。車両重量が1.4トンもあるクルマを1.4ℓのエンジンで駆動していると思えば、驚異的な低速トルクであることは間違いない。 この点ではツインチャージャの恩恵は十分に発揮されているし、幾ら過給しているとはいっても1.4ℓエンジンを1500rpmで巡航させていれば、燃費が良いだろうということは容易に想像がつく。 そこで、カタログ見てみれば、このTSIの10・15モード燃料消費率は14.0km/ℓで、これは天下のトヨタがゴルフをライバルとして国内発売した話題のブレイドの13.4km/ℓを凌いでいる。 まあ、10・15モードなんていうのは、あくまでも規定に沿って走った時の値だから、実際の走行では参考程度にしかならないのはご承知のとおりだが、それでも数字上のスペックにかけては天下一品のトヨタに勝つと言うのは凄いことには違いない。
今度は少し踏み込んでみると、これまた1.4ℓとは思えないトルク感とともに加速していくが、その時のエンジン音は不快では無い物の、決して静かでもない。 この点をブレイドと比べてみると、流石は絶対的排気量が1.7倍もあるブレイドは2000rpm以下のトルク感ではTSIよりも勝っているが、本格的にターボチャージャーが効いてくる2000rpm過ぎからは、ブレイドに勝るとも劣らない加速を見せてくれる。 ただし、今度は同じゴルフのラインナップでもあるGTIと比べてみれば、絶対的な加速ではGTIに軍配があがるし、4000rpmを越えてからの盛り上がり感もGTIのほうがドライバーの満足感は大きい。 要するに、GTIはアクまでFFホットハッチの定番スポーツモデルであり、このTSIは小排気量による低燃費と環境保護を目的として、しかも走りを満足させるためにツインチャージャーを搭載したモデルだと解釈すれば良い。 もうお判りと思うが、GTIに惚れ込んだドライバーが、より先端を行った新時代のメカと想像してTSIに乗ると、前評判程でもないとガッカリすることになる。

動力性能ではGTIに勝ちを譲ったTSIではあるけれど、こと軽快なハンドリングという面では、中々良好でもある。何しろ車両重量で50kg軽い分の殆どはエンジンの重量差だろうから、 TSIはGTIよりも鼻先が大人一人分も軽い事になる。乗って直ぐに軽い操舵力に気が付くが、最初はパワステのセッティングの違いだけかと思ったのだけれど、走っているうちにGTIよりも明らかに軽快な操舵性に気が付 いた。 言い換えればドッシリ感がないとも言えるのだが、この軽快感は捨て難い。ところで、ブレイドの操舵性はといえば、物凄く好意的に言えば極めてドッシリとしてい て、小型ハッチバックという外観からは想像出来ないくらいにハイオーナーカー的だ。 まあ、ブレイドの乗り味を良いと感じるユーザーは、間違ってもVWの試乗をすることは無いだろう。(間違って試乗すると、硬い・煩い・チャチい・高いとなる訳だが・・・・) そして、一般的な欧州車ファンがブレイドに試乗すれば、これまた笑い話のネタになるほどダメ車と判断するのは間違いない。 これはある意味立派に住み分けで出来ているわけでもある。


写真4
実に質素なフロントの眺め。試乗車に装着されていたナビはオプションの純正品。
 


写真5
一般道の50〜60km走行ではエンジンは1500rpmを保っている。中央下、左の赤い文字のメーターがブースト計。

 


写真6
プラスチック丸出しの操作パネルにゴルフらしさを感じる。質素とみるか、チャチとみるか?人それぞれだろう。

 

広い幹線道路を10分程走ってから、高速道路に乗ってみた。欧州の代表車種であるゴルフの真のメリットを探るのには最適とも思われる高速走行ではあるが、生憎当日の天気は雨、それも、結構降っていた。これは逆に考えれば、悪条件時の高速特性を試せるからむしろ好都合とばかりに料金所で通行券を取ってから (試乗車にはETCは付いていない)、一気に加速をしてみる。 最近の料金所は、隣のETC専用ゲートのクルマが行き成り迫って来たりして、加速の遅いクルマだと結構怖い目に合うこともあるが、TSIでフル加速すれば、今時ETCがステータスと勘違いして、 自分が優先だとばかりに強引に横から追い越しを図る勘違いなライトバンなどは一気に引き離せる。本線の合流にもTSI程度の加速性能があれば全く危険なく合流できるが、高性能なスポーツカーなどのように加速車線でフル加速したら、合流前に本線のクルマより速度が出ていたなんていう程ではない。

雨は結構な勢いで降っていたが片側3車線の主要な高速道路だけあって、この程度の雨では排水が行き届いているのだろうか、路面に水溜りは殆んど無い状態だった。 最初は左車線で90km/h程度の流れに乗ってみたが、この時の速度感覚は並みの国産車で言えば精々50km/h程度にしか感じない。 最近は国産車でも高速安定性が向上して、3リッタークラスのハイオーナーカー以上になれば、100km/h程度では高速という感じはしないのだが、このクルマの高速安定性は次元が違う。 それではと気を良くして、右側の追い越し車線に出て速度を上げてみると、こんな雨にもかかわらず、驚くほどの安定感は全く変わらないどころか、むしろ増したようにも感じる。 街中で結構軽かった操舵力は適度の重さを維持して、正に矢のように直進するし、それでいて進路変更などでのステアリング操作をすれば決して鈍いという事はない。 サスペンションは雨で濡れた路面をガッチリとグリップして、正に路面に吸い付くように走る。ハッキリ言って、高速安定性という面ではBMWのサルーンよりも間違いなく勝っている。 まあ、BMWはサルーンとしては異例にスポーティな操舵特性に味付けされているから、安定性という面のみでみるとゴルフには敵わないのは納得できる。 が、それにしてもCセグメントのハッチバックという外観から想像すると、信じられない程の高速安定性を持っていることに改めて驚いた。

この安定性に出来の良いシートが加わって、このまま何時間でも休憩なしで目的地に行けそうな気になるが、今回は2区間を走行後に再度上り方向に入りなおして帰路に向かった。 途中、左車線をユックリと流しているポルシェカレラS(997)を一気に抜き去る。雨天のポルシェと言うのは結構怖いものがある。カレラSのドライバーは「クッソーっ、天気さえ良ければ、ゴルフなんかには負けないのに!」なんて思っていたんじゃあないかなぁ?

高速道路を降りた後は、片側一車線の普通の市道を走ってみる。VWと聞くと、硬い乗り心地を想像するし、実際にパサートV6は一般のユーザーには硬すぎるのではないかと思えるほどの乗り心地が唯一気になる点だったが、 このGOLF GT TSIはVWとしては乗り心地が良かった。と、言っても前回乗ったニュービートル程ではなく、また普通の路面の凸凹程度なら十分に快適なのだが、 少し大きな段差や継ぎ目などでは、ガツンっという強い突き上がある。

TSIのミッションはGTIと同じDSGを装着していて、このDSGは前回GTIに試乗した際に体験して、噂どおりの出来のよさを確認したが、今回のTSIには前回は 初期モデルで間に合わなかったステアリンコラムのパドルスイッチが装着されていた。 このスイッチは、ステアリングスポークの裏に隠れていて、ドライバーからは頭部が辛うじて見えるくらいだ(写真9)。しかも質感はプラスチック丸出しで、材質に拘ったスカイラインは言うに及ばず、実質半値に近いウィングロードにも負けている。そして、フイーリングはと言えば、まずストロークが非常に長い。最初にマニュアル操作をした時に、少し引いたのに変速が起こらすに、随分トロイなあと思ったら、実はもっと手前まで引く必要があった訳で、しかもフィーリングは如何にもゴムの反発力を使っていると いうのが判る安物電卓的なもので、コノ手のパドルスイッチとしては最低と太鼓判を押したいくらいだ。フィーリングの悪さを除けば、DSGの作動自体はレスポンスも良く十分に使い物になるのだが、自由自在に操るには出来の悪いスイッチが足を引っ張る(いや手を引っ張る)。


写真7
1.4ℓの直噴エンジンにターボチャージャーとスーパーチャージャーを組み合わせて最高出力
170ps/6000rpm、最大トルクは24.5kg-m/1500〜4750rpmという、同じゴルフの2ℓ
NAモデルよりも高出力、高トルクを発生するエンジン。


写真8
DSGかトルコンかを問わずにゴルフ全てに同一なセレクター。Dの手前がS(スポーツ)で、この位置はセレクターレバーの解除スイッチを押さないと入れられない。

 


写真9
マニュアルシフト用のパドルスイッチ(写真の黄色い矢印)はプラスチック丸出しの質感を、ゴムっぽいフィーリングで良い点数は付けられない。

 


写真10
雨の高速走行でも驚異的な安定性をみせる。流石はアウトバーン育ちだ。

   

 



 

 

 

市道から農道に入って、GTI試乗記で使ったワインディング路(田んぼに沿って路がグニャグニャ曲がっているだけだが)を走ってみる。軽いノーズからくる軽快な操舵性から、もしかしてGTIより楽しいコーナーリングを体験できるかとも思ったが、どうもそうでもない。いや、TSIのコーナーリングが決して悪いわけではないし、この時は小降りになってはいたが、路面はウェット状態だったので、当然コーナーリング速度も落としてはいたが、そういうことに関係なく、GTIのほうがスポーティな乗り味だった。実はGTIですら、BMW130i等と比べるとワクワクする楽しさに欠けたのだが、このTSIは更に楽しくない。

今度は市街地を走ってみる。古い街並みをクネクネと通る旧道はセンターラインがあるとは言っても、部分的には道幅が5mを確保できていない程で、元々5ナンバーサイズしか考えていないような道路だ。最近の欧州車は軒並み1.8m以上の 全幅があるが、ゴルフは1.76mだから何とか気楽に走れる限界ともいえる。今時のクルマだからボンネットは見えないが、車幅を把握するのは容易だから、並みのドライバーなら十分安全に走れる。このような状況でもスピード感覚は無く、十分な安全速度を守っていると思っても、ふと速度計を見ると針は結構な速度を示していたりする。こんな状況だから、前車の後を普通について、この狭い路を40〜50km/hで走る場合には実に平和その物だ。ゴルフの良さは高速道路のみではなく、市街地でも、その安定性からくるアクティブセーフティを感じられることで、ドライバー にとっては実に安心感がある。

ブレーキに関しては試乗車の場合、やけに遊びが多かった。ただし、一度ガツンと当たった位置からは、今度は踏んでもストロークしないほどに、ガチガチだったりする。ブレーキのフィーリングは、効きさえ良ければ、 あとは慣れの問題でもあるが、GTIはもう少し自然なフイーリングだった。10年ほど前ならば、国産車のブレーキと言えばストロークは長く効きも悪い。しかも踏力に対してリニアでなかったりと、欧州車のブレーキを知ってしまうと恐ろしくて乗れない代物だったが、最近は国産車の進歩が著しいから、今やゴルフといえども決して抜群のブレーキとは言えなくなってしまった。 ここで前後ブレーキのディスクローターやキャリパーの寸法を比べてみれば(写真11、12)寸法差が歴然としている。天下のゴルフと言えども、FF(FWD)という形式によるフロントヘビーな重量配分から、ブレーキも著しくフロントの負荷が大きいのが判る。 まあ、別にゴルフに限らず、国産車の大部分を占めるFF車は皆こんなものだ。それに比べると前後の重量配分が50:50のBMWなどは、フロントブレーキの負担は遥かに軽くなる。 更には、リアエンジンのポルシェ911系は当然ながらリアヘビーで、急激な減速をしてフロントに荷重が移動した時点で、ほぼ50:50になるから、ブレーキは前後同一負荷となる。 この理想的なブレーキ特性があってこそ、あの路面に吸い付くような制動特性が得られるのだし、ブレーキの負荷が均等に前後に配分されることによる耐久性の向上は、ルマンに代表される耐久レースでの強さにも一役買っているのは間違いない。
FF車のブレーキの話がでたついでにもう少し話を進めると、実際のフロントブレーキ負荷は70%を優に超えて、フロントへの荷重移動が大きい緊急ブレーキでは80%にも達する。このことから問題になるのが、ブレーキ失陥時の対策である2系統のブレーキの配分方法で、 FR車のようにフロント/リアで分けた場合、もしもフロント系が失陥すると70%ものブレーキ力を失うことになり、残ったリアの30%では法規を満足する残存性能を得られない事になる。 そこで、現在のFF車の多くは対角系統、すなわち右前と左後および左前と右後ろでそれぞれ1系統としている。これにより、必ずフロントのどちらかが生き残ることになり、正常時の50%が確保できる。 しかし、ここで問題が生じる。ブレーキ故障時にフロントの片側が作動しないということはフロント片輪のみの制動、すなわち極端な片効きにより大きくステアリングを 大きく取られるという危険な状況に至ってしまう。 そこで、FF車では操舵系のジオメトリー(アームなどの寸法関係)を安定志向に設計する。具体的にはFRに対してスクラブ半径などを大きく変えるのだが、この詳細は別の機会で説明したいと思う。 そう、FF車の直進性が良かったり、ステアリングのセンタリングが強いのは元をただせばフロントベビーの重量配分から周り回って緊急時のブレーキ特性が原因だったわけだ。


写真11(リア)
前後とも225/45R17タイヤと7J×17アルミホイールの組み合わせ。GTIの場合はタイヤサイズは同一ながら、ホイールは7.5Jでデザインが異なる。


写真12(フロント)
左の写真(リア)と比べるとディスクローターの外径が明らかに大きい
。 やはりFFだけあって、流石のゴルフでも相当なフロントへビーな証拠でもある。

 

ツインチャージャーという特徴のみが一人歩きして、なにやらGTIにすら勝るスポーツグレードと勘違いされがちなGT TSIではあるが、目的はアクまで小排気量化による排出ガスの減少と低燃費を、必要十分な動力性能 と両立させることで、決して高性能なホットハッチではない。しかし、1.4ℓという排気量を考慮すれば、その性能は驚異的ですらあるから、ツインチャージャーも決して無駄ではない。
今回の試乗で何より感心したのは、むしろその安定性で、高速性能は当然ながら、狭い市街地などの不利な条件下での安定性は、流石に国産小型車とは一線を隔していた。20年以上も前ならば、初めてゴルフに乗ったら、その見かけとは裏腹に国産上級車が足元にも及ばない高速安定性に 大きなショックを感じたモータージャーナリストが結構いたようだが、国産車も世界で十分通用するまでに進歩した現在では、それ程大きな違いは無いかと思っていたら、何の事はない、 今だに大きく水を明けられていたではないか。正直に言えば、ゴルフのようなCセグメント以下の輸入車を買うことには多少の疑問を持っていた。ワザワザ割高な輸入車を買うメリットは、最低でもDセグメント、それもBMMやメルセデスと言った定番ブランドのみというのが本音だったのだが、今回Golf GT TSIに乗ってみたら、安定性からくるアクティブセーフティは捨て難いものがあるし、一度これを知ってしまうと、国産なら結構高級そうなクラウンのベースモデル並みの値段で、カローラ級のゴルフを買う気持ちになってしまうわけだ。

最近は国産車を含めて、新型車が出るたびに値上げ傾向にあるようだが、それにしても1.4ℓのCセグハッチバックが300万円を越えるなんて、と思うのは日本人としては決して少数派ではない。しかし、小型ハッチバックの乗り易さは捨て難いものがあるし、日本人の平均年齢が上昇しているから、今後は益々上質なコンパクカーの試乗は拡大しそうな気がする。そんな時代に、近い将来にオイシイ市場になりそうな高級コンパクトカー市場を、輸入車にさらわれたんじゃ堪らないとばかりに発売されたブレイドは、カタログ性能が同等なのに70万円程安い!と皆が思ってくれる程に、世の中は甘くなさそうだ。