Lexus UX 250h (2019/2) 後編 その1


  

クルマに乗り込む事は容易であり、これはまあ最近の乗用車ナイズされた SUV に共通したモノだ。今回の試乗車は UX250h AWD version C でシートは L-tex という合成皮革だが見た目は一瞬本革に見える位であり座り心地も悪く無い。シートの形状や硬さなども欧州車的であり、最近は随分と進化したとはいえ並みの国産車とは一線を画している。

パワースイッチはセンタークラスタ右横というメジャーな位置にあり、これまたお馴染みの丸いボタン式スイッチで、これは C-HR のダッシュボード右端とは対照的な位置となっている (写真31) 。これにより両車は如何にも無関係に感じられる事を考えれば、出自を上手く隠していると感じる。AT をDドライブに入れるにはコンソール上のセレクターをP→R→N→Dと直線的動かして選択するが、ハイブリッドとは言え一見するとガソリン車のような方式であり、更にはDから右でSとなり、ここから奥に押すと UP (+) 、手前に引くとDOWN (−) というマニュアルシフトが可能となる (写真32) 。と言う事は要するに極普通のディプトロタイプと言う事だ。これに比べると C-HR ではD迄は UX と同様だがマニュアルシフトは無く、その代わりにDの更に手前にBというポジションがある。このBは多分 Brake のBであり、要するにエンジンブレーキを効かせるために低いギアレシオを選ぶ降坂モードという事だ。

因みにトヨタの場合、プリウス等のハイブリッド専用車では電子コントロールの小さなレバーとなっているが、UX や C-HR のようにガソリン車もラインナップされているような車種ではガソリン車のレバーと共通化している。ただしプリウスの電子式は同じ電子式の BMW のような高級感は無く、ハッキリ言ってチャチい。

写真31
パワースイッチは UX がセンタークラスタ右横というメジャーな位置にあり、 C-HR のダッシュボード右端とは対照的な位置となっている。

写真32
UXのATセレクターはティプトロタイプだがC-HRはマニュアルが省かれその代わりにエンジンブレーキ重視のBがある。
なおプリウス等のハイブリッド専用車のセレクター(写真下)は全く異なる。

さて走り出す為にパーキングブレーキを解除しようとそのスイッチを探すと、なんとステアアリングコラム左のダッシュボード下面の妙に操作し辛い位置にあった (写真33) 。その理由として通常はセレクターをDに入れてアクセルと踏むとパーキングブレーキは自動的に解除されるのでスイッチでの解除は殆ど使用しないからだった。まあセレクターさえDに入れなければ問題は無いのだが、停車している時にDに入れたままで降りようとする等して、この時に間違ってアクセルと踏むとパーキングが自動的に解除されてクルマは暴走状態となる。勿論直ぐに気が付いてアクセルを離してフートブレーキを踏めば良いのだが、動揺してそのまま歩道に突っ込んで死亡事故‥‥というのは昨年起った事故だった。ドライバーは元地検特捜部の幹部で、退職後は年収が億の単位でレクサス LS を買ってご機嫌な生活をしていたようだが、所詮成金親父が慣れないハイテク高級車を運転したのが間違いだった。それでも地検は忖度して逮捕せず在宅起訴したというが、その後は如何なったのだろうか?

えっ、誤操作じゃ無いって? もしかして冤罪で処刑された元死刑囚の怨念とか??

ここで、チョイと目線を足元に移動してペダルを見ると、UX の場合ラグジュアリーグレードという事もありウレタンパッドの地味〜いなヤツで、一見すれば C-HR と似たようなモノだ (写真34) 。でもまあプレミアムブランドとしてはアクセルペダルがオルガンタイプという事で多少コストがアップしているだろう。

走り出す前に今度は正面のメーターに目を移すと、最近流行りの全面が1枚のディスプレイ化されているモノでは無く、右端の小メーターはアナログのメカ方式を使用しているようで、正面の円形メーターや左端のインフォメーションはカラーLED化されている (写真35) 。対する C-HR ではメーター類は自光式のアナログ式で中央の小さな表示のみがLED化されているという、まあ言ってみれば従来のオーソドックスなものだ。


写真33
UXのパーキングブレーキは本来自動解除を使用するので、スイッチは見づらいところに"一応”付いている。


写真34
UXはスポーツグレードでは無いので地味なウレタンパッドが付いているがアクセルはオルガンタイプで、C-HRの吊り下げ式とは差別化されている。

写真35
UXのメーターは最近流行りの全面が1枚のディスプレイ化されているモノでは無く、右端の小メーターはアナログ方式を使用している。
対するC-HRでは一時代前のアナログの自光式となっている。

この先はその2へ続く。

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