BMW G05 X5 xDrive 35d (2019/4) 後編 その1 |
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背の高い SUV とは言えドアを開けて室内に乗り込むのに "よじ登る" 感覚は皆無であり、サルーンより少し高い程度に感覚でドライバーズシートに座る事が出来る。シートは最近のBMWらしく硬い座面だが身体全体を上手くホールドするのは殆どの国産車には無い魅力だ。エンジンは最近のBMW、要するに "G" 系列となってからダッシュボードからコンソール上に移動したボタン (写真21) を押す事で始動する。このボタンを含めた ATセレクター や iDrive のコマンドダイヤル、走行モード切り替えスイッチ、そして電動パーキングブレーキスイッチなどが一つのパネルにユニット化されているのも、G系の新型車に共通となっている (写真22) 。 エンジンが始動すると正面のメータ−クラスターに表示が出るが、これも新型のG系に共通してもので、既に最近の BMW 車試乗記でもお馴染みのデザインだ (写真23)。足元のペダルも新型の M Sport で既に使われているスポーツペダルで、これまた旧タイプのショボいヤツからやっと世間並みとなったのも他の最新モデルと同様だ (写真24)。 セレクターをDに入れてパーキングブレーキスイッチを押し続けて解除しゆっくりと前進すると、トルコン式らしく極スムースに発進する。公道手前で一時停止してクルマの流れが切れるのを待ち、やがて流れが途絶えたのでゆっくりと左にステアリングを切りながら公道に出る。この時駐車場の段差を通過するが、殆どショックが無く通過するのは流石に SUV だけあり、これが同じ BMW でもMモデル等だと低い車高や極端に扁平なタイヤなど目一杯神経を使う必要があるが、X5 は何も考える事無く普通に走れば良い。 最初に軽く加速してみると流石の大トルクだけあって、スロットルを僅かに踏んでもそれなりのトルクを感じる事が出来、操作性は極々自然だ。そしてディーゼルエンジンとしては異例に静かで振動も無い事に気が付く。試乗車のエンジンは B57A30A だが、同じ 3.0L ターボディーゼルの先代 (F15) N57D30A とはエンジンが異なり、前世代のN系に対して新開発のB系は大いに改良されている事になる。そんな状況だからこのクルマはお世辞抜き (いや、多少はあるが) に V8 4.4L ターボの xDrive50i (F15 1,152万円) 並みにさえ感じた。 |
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今回の 35d については前述のように同じ直6 3.0L ターボディーゼルだがエンジン型式が代わっている。それでは実際にエンジンを見比べるとどうなるだろう (写真25) 。運転席の足元、右端の側面にあるレバーを2回引くと言う BMW お馴染みの方法で、これにより半開きのボンネットカバーの隙間から手を突っ込んで解除レバーを探すという作業から解放されるのは実に有り難いが、他車が追従しないところをみると特許でもあるのだろうか? エンジンルーム内を見れば、当然エンジンに変更があったのだから見掛けも違うが、最近のエンジンらしくカバーが付いているから、実はそのカバーのデザインが違う事が解かるくらいで、その下のエンジン本体は殆ど見えないのも最近の傾向だ。 なお折角エンジンルーム内を見たのだからサスペンションタワー付近の構造も見てみる。この部分はプラットフォームの一部としてどのくらい金の掛った構造なのかを知ることが出来る。それで結果は既に F15 からアルミ精密鋳造により細かくリブを立てて軽量化と高剛性を達成するタイプとなっていた。まあ X5 というのは5シリーズの SUV モデルだから当然かもしれない。これに対して3シリーズがこのような構造になったのは最新の G20 からだった。付け加えると、このサスタワーとボディを繋ぐ (補強する) バーは、今回からフロントとの間にも追加されてより剛性アップが図られている。 |
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剛性アップのサスタワーバーは新型ではフロント側にも追加された。 |
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つづきはその2にて。 |