Lexus RX450h 試乗記 特別編
  [Lexus RX450h vs Porsche Cayenne S E-Hybrid 後編 その1]


特別編へようこそ。
前編でも御注意申し上げたように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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後編ではクルマとして一番大切な走行してのフィーリングと性能について比較する。フィーリングと性能って何で分けるのか、って言えば、フィーリングは良いけど何とも動力性能が‥‥とか、性能は抜群だけれどこのフィーリングはちょっと、というように両方とも優れているとな限らないからだ。

先ずはドラーバーズシートに座ったフィーリングから。あっ、この場合は動力性能には関係なかった。日本車のシートが欧州車に比べてイマイチなのは今更言うまでもないが、RX のシート、というかレクサスのシートは国産車としては最も良い部類に入るだろう。そりゃあ、まあ、レクサスの主戦場は米国であり、米国は椅子文化だからそういう所に出来の悪いシートを引っさげて殴りこんでも討ち死には間違いないから、それなりのモノを必死で開発したのだろう。

対するカイエンのシート、というよりもポルシェのシートといえばそれはもう欧州車の中でもピカイチで有名だし、実際の処はレカロからの OEM 供給と言われている。このレカロシートといえばマニア御用達のシートだが、実はこの会社の前身はポルシェ社内のシート部門が分離独立したものだという。しかし、その割には一時期ポルシェはレカロシートを採用していない時期があったようだが、最近ではどう見てもレカロそのものというシートになっている。まあ分離独立というのは色々事情があるのだろうが、そう言えば少し前に (40男の) 国民的アイドルグループの独立問題でマスコミが大騒ぎしていたが、こりゃあ例によって他に何か重大な事があるのを隠しているな、と勘ぐってしまったが、そのような事実は‥‥あっ、あった、あった。どさくさ紛れに TPP に調印してしまったようだ。

シートの座り心地についてもう少し詳しく書くと、RX の場合は試乗車が F SPORT だったこともあり左右のサポートはギチギチにタイト‥‥を想像していたが、そうでも無かった。また F SPORT ということでラグジュアリー系の version L で採用されているレクサス得意の薄くなめした柔らかい質感のセミアニリンシートではなく、ドイツ車的な本革シートだった。

運転姿勢はといえば両車共 SUV ということもありバックレストを立てて膝の角度は90度に近く折り曲げることから、ポルシェでいえば 911 のような低くて足を真っ直ぐ伸ばすシートポジションとは全く異なるから、当然ながらシートの座面の硬さなども違う筈だ。

エンジンスタート(今回の2車はハイブリッド車だからパワーオンと言うべきだが) については、RX は最近の定番である押しボタンスイッチを使用するが、カイエンに関してはインテリジェントキーとなった今でもボタンではなくターンスイッチに拘っている。ポルシェのイグニッションスイッチはシフトレバーと逆側、すなわち右ハンドルならば右に、左ハンドルならば左に配置されている。これはその昔のルマン24時間レースのスタートがいわゆるルマン式であり、これは道を隔てた位置からスタートの合図とともにドライバーはクルマに駆け寄り、飛び乗り、ギアを入れながらクラッチを切ってエンジンをスタートするという動作の為だった。まあ昔のルマンに拘っていることがいかにもポルシェらしいが、カイエンとルマン 24h は関係ないのだが‥‥。

なおスイッチがON となってもエンジンがスタートするかどうかは状況次第というのもハイブリッドでは当然のことだ。

コンソールについても両車 (両社) のポリシーに従っていて、RX はレクサスの提唱するコマンド入力デバイスを配置している。また走行モード切り替えスイッチも其々のメーカーお馴染みのものだ。カイエンについては最近のポルシェに共通のコンソール両端に各種スイッチをずらりと並べたもので、これもポルシェ独特のものだ。

AT セレクターのパターンも RX はレバー根元にレザーブーツを被せたジグザグゲートで、カイエンは直線式と、これまた各社お馴染みの方式を採用している。なおカイエンはパターン表示がパネルに鋳出しされていて視認し難いのも他のポルシェ同様だ。

パーキングブレーキはどちらも電気式だがスイッチの場所は RX がコンソールの奥でカイエンはダッシュボード右端の下の方という双方とも見辛い所にあるが、これは停車中しか操作しないから問題は無い。

ドライバーの正面にあるメーター類は RX の場合、試乗した F SPORT では写真上のようにセンターに大径メーターを配して、これがモードによってスポーティーを連想する回転計になったりハイブリッドらしいチャージメーターになったりする。しかし F SPORT 以外のグレードでは写真左下のように左右対称にメーターを配したものになる。

カイエンでは写真右下のようにポルシェの上位モデル独特の5連メーターで、5連を使用するのは他には 911 とパナメーラであり、マカンやボクスター/ケイマンでは3連メーターとなる。

ペダルについては RX の場合、写真左下では立派なアルミのスポーツベダルが付いているが、実はこれは F SPORT の場合でそれ以外のグレードでは極普通の樹脂パッドとなる。カイエンではポルシェらしくアルミペダルでも滑り止めの樹脂部分が一風変わったものだが、カイエンのパターンは 911 等とはちょいと違う。

走行編という割には中々出発できないが、実際の走行については後編その2にて。

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