Lexus RX450h 試乗記 特別編
  [Lexus RX450h vs Porsche Cayenne S E-Hybrid 前編 その2]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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次にインテリアに目を向けると両車共結構雰囲気は似ているし、SUV ということもありどちらも高い着座位置となっている。実は下の写真で RX はグレードが ”F SPORT" のモノを使っているが、その理由はカイエンがポルシェらしくスポーティーなシートなのでそれに合わせたというところだ。その事もあって両車のシート形状なども一見すると近い形状となっている。

リアシートはどちらも座面は平で、カイエンでさえコンフォート志向となっている。ポルシェといえばサルーンのパナメーラでさえリアにもバケットタイプのシートを使うくらいだが、やはり SUV は別のようだ。なお足元のスペースは流石にこのクラスだと充分確保されているから、ロングドライブでも当然ながら問題はない。

シート表皮は RX の場合 ”version L” ではレクサス得意のセミアニリン本皮シートが標準で装備され、薄くなめされた表皮はなめらかであるが、これが写真左下の ”F SPORT” では専用本皮スポーツートと命名されたものが標準となり、同じレザーでもセミアニリンではなく座面にはベンチレーション用の小穴も開いていないように見えるが、カタログを見るとベンチレーション機構付きとなっていた。カイエンのシートもシート表皮は当然レザーで、座面とバックレストの中央には通気穴が空いている。

シート調整はどちらも電動式なのは当然だし、シート位置メモリーも付いている。また乗り込む際には両車共其々のロゴの付いたサイドスカットルプレートが目に入る。

ドアーのインナートリムもプレミアムブランドのEセグメント相当だから、どちらも手が掛っているし高級素材を使用している。すなわち両車共クロームメッキの質も良いし、アームレストはレザーを張ったパッドで凝ったステッチも入っているなどしっかりと金を掛けている。



なおシートポジションメモリーは両車共ドアノブ付近の同じような位置に付いている。このシート位置のメモリーは複数のドライバーが運転するファミリーユースでは特に有用で、これが無いとドライバー交代の度に再調整することになり、その度にベストポジションが判らなくなってしまい、結局適当な位置で運転する事になるから、これは実用的にも有用な装備だ。

ダッシュボードのデザインは RX では最近のレクサスに共通する天板が2段になっているもので中央のディスプレイも横幅がかなり広いワイド画面となっている。カイエンでは現行ポルシェのインパネデザインの大きな特徴としてセンタークラスターの高い位置からフロアーコンソールが急斜面で継る独特の配置であり、これは2009年末に発売された Panamera (970) から始まり、3代目 Cayenne (958、2010年) 、現行911 (991、2011年) 、現行Boxster & Cayman (981、2012年) そして昨年の Macan (95B) と続いて、現行ポルシェ インテリアのアイデンティティとなっている。

RX のセンタークラスターは上部には中央にアナログ時計を配し左右にはエアアウトレット、その下にはオーディオおよびエアコンの操作パネルというオーソドックスなものだが、これらは極力上に配置されているために天板から飛び出したディスプレイとともに運転中でも視線移動は少ない。

カイエンではセンタークラスターといえる部分はナビのみで、その下端からは急角度でコンソールに繋がっている。そのコンソールは AT セレクターを中心として上と左右の3方向にエアコン関係のスイッチが並んでいる。

RX のオーディオおよびエアコンはセンタークラスター上のオーソドックスなモノだ。最近のレクサスは RX も含めてコンソール上のパソコンのような入力装置とディスプレイで操作するが、使用頻度の高そうなオーディオ操作はこのパネルでも可能となり、これはBMWなどでも同じ思想となっている。

カイエンでは AT セレクターを中心として上と左右の3方向にエアコン関係のスイッチが並んでいる。オーディオはナビ一体型 (要するにクラリオンの市販品のポン付け) のためにコンソール上には関連スイッチは無い。

両車ともにフロントセンターコンソールの後端にリア用エアアウトレットが装着されている。特にカイエンではフロントのエアアウトレットと同じデザインになっているなど、よく見れば中々凝っている。

この中盤戦までの戦いではボクシング風に言えば「7ラウンドまで終わったところでのびーおたさんの採点は9対9のイーブンです」というところで、後半戦の試乗編に移ることにする。

この続きは後編にて。


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