PORSCHE MACAN TURBO (2015/5) 前編 (1/2)

  

ポルシェのブランニュー中型SUVである MACAN (マカン) は昨年秋に発売されたが、中々試乗するチャンスが無く、というか個人的に決して興味があるクルマとう訳でもなく半年遅れとなったが今回試乗してみた。先ずは MACAN のバリエーションと兄貴分の CAYENNE のスペックを比べてみる。

今回の試乗車である MACAN TURBO はV6 3.5L ターボで、パワーウェイトレシオ 5.0 s/ps、0 - 100q/h 加速が 4.8秒 というのは充分に高性能車の部類であり、少し前の 911 に近いものだ。

それでは何時ものようにエクステリア、そしてインテリアの順に各部を紹介するが、車両は MACAN TURBO を基本として一部に MACAN S のものを使用しているが、PORSCHE の常で豊富に用意されたオプションから何を付けているかまで調べていないので、写真はあくまで MACAN の雰囲気を感じるための参考としてもらいたい。まあ、実際の購入にあたっては膨大な選択を必要とするオーダーシートを埋めるか、それとも見込み発注の在庫車の中から自分の希望 (と予算) に合った個体を選ぶことになる。

写真1~2はMACAN S だが、トップ写真の MACAN TURBO と比べてもそれほど大きな違いはない。特にリアから覗く合計4本のマフラーなど、迫力は中々のものだ。ところで実際に MACAN の実車を見ると結構コンパクトに見えるが実は全幅が1,925o もあるから決して小さい車ではない。しかしCAYENNE と比べると明らかにコンパクトに見えるのだが、実は前幅では25o しか科違わないし、ホイールベースだって90o 短いだけなのだが‥‥。というと、MACAN のデザインが小さく見えるだけで2台並べれば大して違いないのではないかと思うだろうが、今回は上手い具合に2台を並べて見比べるチャンスがあったのだが、MACAN に比べると見た目ではCAYENNE は明らかに馬鹿でかいし、その迫力は他を圧倒していた (写真3) 。


写真1
一見してポルシェと判るスタイルはまさにCAYENNE の弟分という感じだ。


写真2
写真はMACAN S だが、それでも立派なダブルマフラーが左右から出ている。


写真3
CAYENNE よりも85o も低い全高はウエストラインから上が低く更に
Bピラー以降のルーフラインが大きく下降するクーペラインとなっている。
アウターサイズの差以上に小さくみえるのは、これらが原因だろう。

フロントフェイスはいわゆるポルシェ顔であり、言い換えればカエル顔だから本来は決して精悍とか優美とかいうものではなく言って守れば間抜け面なのだが、世間ではこれこそポルシェの顔だと知っているからバカにするどころか、この顔がバックミラーに写ったらば慌てて道を開けるドライバーも結構多い。勿論後ろを見ていないようなドライバーの後ろについても何も起こらないし、本当にカエル顔の変なクルマだなぁ、なんて思われる場合もあるが‥‥。

リアに回って見ると TURBO では先ずは片側2本、合計4本出しの排気管が目に付くが、よくよく見れば四角い大きな排気管は単なるマフラーカッターで、その奥には一般的には充分に太いとはいえ大したことは無い排気口が覗いている (写真6)。そしてリアゲートには大きな "PORSCHE" と "Macan turbo" のエンブレムが付いている (写真7)から、SUV なんて邪魔なヤツと思った中古ランエボのオーナーは近付いた瞬間にポルシェと判って自ら身を引く (普通は) 。まあ、中にはポルシェなんて高いばかりで大した性能じゃあない、何て本気で思っている国産命の自称クルマ好きとか走り屋もいるが、少しでもサーキット経験のある本格的な走り屋ならば、ポルシェの実力はよ〜く解っている筈だ。


写真4
フロントフェイスはポルシェ顔であり、精悍とは程遠いカエル顔だが、ポルシェだから許される。


写真5
リアゲートはウエストラインから上を大きく寝かせて実用性よりもスタイルを優先している。


写真6
TURBO では排気管の四角い大きなマフラーカッターを付けてSとの差別化を行っている。


写真7
リアゲートには大きな "PORSCHE" と "Macan turbo" のエンブレムが目を引く。

リアゲートを開けてみると大柄なクルマの割にはラッゲージスペースは広いとはいえないが、奥行きは結構あってマカンを検討中のユーザーが実際に自分のゴルフバックを持ってきて入れてみたらば斜めすればピッタリ入ったのを見たことがある。ただし、4つはどうだろうか? トノカバーを取っ払って上に積み上げれば何とかなるかもしれない。結局全幅が1.9m を超えている割にはラッゲージスペースの横幅がイマイチ狭いということだが、これはマジなリアサスの弊害と思えば納得も出来るというものだ (写真8)。何しろ、マカンは ”ポルシェ” ですから。

なお、リアゲートの開閉は当然ながら電動式となっている (写真9) 。今度はスケベジジイになった心境でラッゲージルームの床をチラリとメクってみたらば、その下には浅いとはいえ多少のスペースがあった (写真10 左) 。最初は前半分が持ち上がって、未だ奥がありそうということで更に持ち上げてみたらば床面全体が床下スペースを持っていた (写真10右) 。


写真8
大柄なクルマの割にはラッゲージスペースが広いとはいえないが、奥行きは結構ある。


写真9
リアゲートは電動式となっていて、閉める時はテールゲート下端のスイッチを押す当方式はポルシェのみならずBMW等とも同じ方法だ。


写真10
リアラッゲージルームの床を持ち上げるとそこには高さ方向は細いが多少のスペースが有る。写真左上が半分開けたろころで、右は前回時の状況だ。

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