Lexus IS 300h (2013/7) 前編 | |
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レクサスのDセグメントセダンであるISがほぼ8年ぶりにFMCされた。前回のISは国内のレクサス販売網が新たに構築されて、その第一弾としてGSとともにレクサスの国内販売の主力となるべく投入されたモデルだった。当時は、ベンツ・ビーエムよりも割安で内容はそれ以上のレクサス車は、輸入車ユーザーが挙って乗り換える‥‥なんて妄想を抱いたいたクルマ音痴のマスコミが多かったが、FMCしたとはいえ、その一つ前のモデルとして米国で販売されていた ISは、国内ではアルテッツァと呼ばれたモデルであり、プアーマンズ3シリーズとしてイマイチの出来と販売実績だったモデルだから、幾らFMCされたといっても、所詮は偽3シリーズには変わりなく、結局GSとともにレクサスの新規展開の足を引っ張ってしまった。結局、本当に欧州(ドイツ)車と張り合えるクルマは一年後のLS発売まで待つしか無く、この立ち上がりの躓き(つまずき)からレクサス店は苦しい販売実績を続けることとなってしまった。 そう言えば、8年前にレクサスが日本で売れないのは見栄やブランド趣味の日本人に原因がある、とか言っていた自称クルマ通で教養レベルが高いといっていた輩が結構いたが、そのうちに、レクサスの国内展開は失敗だった、なんて解りきった事を言い出したりした訳で、まあ最近では自動車にかぎらず、文化人やインチキマスコミの言うことが如何に信頼出来ないかが既にバレてしまったが、当時は結構マジにベンツ・ビーエムも終わった、と思っていたB層も多いのではないか。えっ、今でも大勢いるって? |
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では最初に、8年ぶりの新型ISのエンジンバリエーションは IS 250: V6 2.5L 215ps 420〜480万円 と3種類で、IS250とIS300hの価格差は60万円となるが、実はIS300hは優遇税制分がベースグレード(480万円)の場合 自動車重量税 約30,000円 となりIS250との価格差は32万円弱まで縮まってしまう。さらに、IS300hには車両接近通報装置(IS250には設定無し)、LEDヘッドランプ(IS250では+141,750円)が標準装備であり、この差を考慮すると約18万円程度となり、それでも車両近接通報装置は付かないから、事実上は同等価格と言うことになる。しかも燃費(JC08モード)はIS250の10.6km/Lに対してIS300hは23.2km/Lだから、これはもう誰が考えても300hを選ぶだろう。実際にIS250は殆ど売れず、ISの7割が300hということだ。ということはIS250を選ぶユーザーもいるわけで、多くの場合、優遇税制を考えても支払い時点ではIS250の420万円に対してIS300hは454万円であり、それだけで34万円支払いが多いから、ギリギリ予算でISが欲しいユーザーでは、その34万円が出せないためにIS250を選ぶことになるのだそうだ。そんなに無理して買うこともないのに、なんて余計な事を言いたくなるが‥‥。 ここで今回の新型ISのラインナップにクラウンハイブリッドを加えてのスペック比較をしてみる。 ![]() クラウンハイブリッドと比べてみればパワートレインは全く同じで、またシャーシーやボティもクラウンが多少長いこととホイールベースも50mmほどクラウンが長いが、本来はDセグメントのISとEセグメントのクラウンだった筈が、こうしてみると両車であまり差が無いようにも見える。ということは、クラウンはいつの間にか車格的にもDセグメントになってしまった、というか、Dセグメント車が大きくなってしまったのだった。クラウンとISでは価格はIS300hが70万円程高いのは例によって御持て成し価格が入っているからで、この辺はユーザーも納得して買っているのだろう。なお、値引きなしのワンプライスを貫くレクサスブランドのISに対して、場合によっては結構な値引きのあるクラウンだから、両車の実質価格はは更に広がることになる。 エクステリアもインテリアもベースグレードと"version L"はそれ程変る事はないが、"F SPORT"の場合はハッキリと判る違いがあるため、以下の写真では出来るだけベースグレードと"F SPORT"の比較をしている。 新型ISのエクステリアは全体的にグラマラスになり、これは写真以上に実物を見ると感じるが、F SPORTの場合は更にフロントバンパーのエアインテイクを中心に派手になっている。ISのアウターサイズは全長4,665 x 全幅1,810oであり、ライバルというか目標というかBMW3シリーズの4,625 x 1,800oに対して全長が+40o、全幅が+10oと僅かに大きい程度だから、ほぼ同一寸法と見てもよさそうだ。 |
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トランクリッドを開けて中を覗くと、ハイブリッドでも十分な奥行きがあるのに感心するが、更にリアシートのバックレストを倒してトランクスルーが出来るというのは実用上で大きな強みとなる。普通、ハイブリッド車はリアシートバックレスト背面にはバッテリーを置くためにトランクスペースは特に奥行きが短いし、トランクスルーなんて夢のまた夢だったが、トヨタはあっと言う間に解決してしまった。やはりハイブリッド技術はトヨタが一番前を、それも独走に近い状態で走っているのは間違いない。 ヘッドライトはガソリン車がキセノンであるのに対して、ハイブリッド車はLED式となっている。まあ、ハイブリッド車のヘッドライトが電気をバカ食いしていたらサマにならないから、ここは低電力のLEDで正解か。 |
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ISのインテリアカラーはトパーズブラウン、アイボリー、ライトグレー、ブラックの4種類に加えて、F SPORTには専用色のダークローズも設定されているが、これは結構赤に近くアバルトやアルファロメオなら似合うような色だが、ISにこの手のインテリアカラーは、イタリアンスーツを着て良がっている短足、胴長、デブ、ハゲの日本のオッサン、という感じがしてならないが‥‥。 シートはベースモデルがファブリックと人工皮革のコンビだが、これは見かけも良いしグリップも良いから無理に本皮は要らないような気もするくらいで、敢えて30万円以上も投資する必要も無さそうだ、というのは個人的な考えだから、ここはオーナーの考え次第だが‥‥。 |
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GSを始め最近のレクサスのインパネは、以前のトヨタ丸出し演歌調を捨てて欧州車的な横長基調になっているが、ISも勿論この傾向に従っている。このためにセンター クラスターのパネル類は視認性を重視して極力上の方に集中されていて、特にディスプレイを最上段に配置しているなど、これもBMWに代表される欧州車的な配置となっている。そして、そのディスプレイはBMWよりも大きいことで、後出しトヨタの面目飛躍というか、まあこの辺は堪えて下され!えっ?ISはレクサスでトヨタではないと‥‥ エアコンは当然ながら2ゾーンのフルオートタイプだが、操作ボタン類が小さいのが気になる。だだし、実際にはコンソール上のリモートタッチという入力デバイスとディスプレイを使って視線を前方に置いたままで調整できるら、ここはオマケ的なものと考えても良さそうだ。 |
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現行GS辺りからレクサスの内装はソレまでの日本オリジナルの演歌調から欧州調へと大きく舵を切ったが、今回のISも当然ながらこの流れに沿っている。今回の写真で紹介したインテリアはベースグレードがアイボリーでF SPORTが赤に近いダークローズというカラーで、どちらも一番売れ筋であろうブラックやブラウンなどから外れているから、チョッとイメージが違っているかもしれないが、レクサスに限らずBMWでも試乗車とか展示車は、決して売れ筋のインテリアカラーでない場合が多い。 レクサス(BMWもほぼ同様)の展示車を見ていつも思うのは、立派なショールームは勿論のこと、展示車にはビニールカバーやダンボールのプロテクター等が付いていないことで、他ブランドのように極力傷まないように展示して新車として販売するという根性が見え見えなのと違い、伊達に経費を掛けている訳でないと感心する。軽自動車ディーラーには試乗車までシートにビニールを掛けたままで、ツルツルと滑りながら試乗(と言ってもアット驚く5分くらいだが)する、なんていう例もあるくらいだ。 とレクサスを少しは持ち上げたところで、この続きは後編にて。 |