VolksWagen Polo GTI 特別編
  [VW POLO GTI vs SUBARU BRZ 前編]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

今回はVWのBセグメント車POLOのラインナップ上最上位のグレードであるGTIと、久々の小型FRスポーツとして話題のスバル BRZを比較してみた。価格はポロ GTIが294万円で、スバル BRZ Sが279万円とほぼ等い。しかし今回の2車はスポーツタイプもしくはスポーツグレードで価格が300万円弱というのが共通点であり、それ以外は何の共通点もない。エンジンはポロがターボ+スーパーチャージャーのツインチャージャーであるのに対してBRZは自然吸気だし、駆動方式はポロがFFでBRZはFR。そして、その出で立ちはポロはご存知のとおりBセグメントの実用ハッチバックベースであり、BRZは専用ボディ(とシャーシー)を持っている。

先ずは例によって両車のスペックを頭に叩き込むことにする。対象はマニアの本命BRZ Sに加えて廉価版のBRZ S(242万円)と、ポロのラインナップから今回の主役であるGTIともう1車種はBRZ Sと価格的に同一クラスのポロTSI Highline(247.8万円)を選んでみた。

BRZではSとRの違いは装備のみで、パワートレインは共通となっているから動力性能としては変わらないが、ポロの場合はGTIがターボとスーパチャージャのツインチャージャーであるのに対して、TSI ハイラインはターボのみのシングルチャージャーであり、パワーもGTIの179psに対してTSIでは105psと大いに異なっている。

今回の比較は価格が300万円弱であることと、動力性能が優秀なスポーツグレードであるということのみで選んだために、BセグメントのハッチバックとCセグメントのスポーツクーペを比較するという暴挙を冒すわけで、マトモに比較するのはちょいと気が引ける。 実際にエクステリアを比較すれば幅が狭く背も高いポロと幅が広く背の低いBRZを比較すればスタイルの良さはBRZの圧勝となるのだが、それでも人それぞれに好みも違うからポロの方がカッコが良い、と思う読者もいるかもしれない??

真正面からの比較では前述のとおりで、幅が狭く背の高いポロと幅が広く背の低いBRZ。

側面から見ると両車の性格の違いがよく判る。これはもう、同じ土俵で比較するのが間違っていると思ってしまうが、まあ、ネタとしては面白いかもしれない。ところで、下の写真は本来のGTIとBRZ Sではいが、基本的なプロポーションは変わらないので比較用としての問題は無いと思う。なぜに、こうなったかといえば、偶々ドンピシャの写真が無かったという事情による。

プロポーションは仕様が無いとして、BRZの左右に太く輝く2本の排気管と比べて、ポロ GTIは片側2本と一応コンフォートモデルとは差別化されているが、一般的に歴代のGTIはもっと太くてクロームメッキされた排気管が特徴的だったのだが、今回のポロは気のせいか地味だ。

そしてトランクを開けてみるとスペース的にはCセグメントのBRZのほうが幅方向に広く、ポロは所詮Bセグメントだから幅も奥行きも狭い。ただし、BRZだってCセグメントの実用セダンと比べれば決して広くないし、特に高さ方向は低い。

 

最近の上級モデルはドアを開けるとサイドスカットルプレートにそれぞれのロゴが入っていて、これがオーナーからすればステイタスであるし、満足感を与える事になる。それで、今回の2車はといえば、ポロにはGTIのロゴがちょと小さめだが白地にブラックの文字でハッキリと認識できる。これに対してBRZにはアルミに滑り止めをつけた、ペダルと同じようなデザインのパネルがついているだけで、ロゴは無い。

ここは特別編なので毒舌を吐かないと許してくれない読者もいるので、仕方なく一言加えると、GTIなんていうのは大衆ブランドのフォルクスワーゲンのスポーツグレードだから、大したステータスなんてあるわけ無いのだが、こういうのに限ってオーナーはプライドを持っていたりする。サイドスカットルプレートのロゴで感動するのだったら、M5やALPINA、はたまたCARERRAとかならともかく、GTIじゃねぇ~。まあ、必死の貯金や、恐怖の鬼ローンでやっと買ったGTIだから、思い入れのあるのはよく判る。それに比べてM5クラスの場合は、単に経費が余ったので税金対策に買ったりするので、買う時には大騒ぎするとしても、納車されてしまえば思い入れは大した事はないし、次に会った時にはポルシェになっていたり、なかにはベントレー!だったりする。

という具合にサービスしたので、ここで本題に戻ってインテリアを見てみる。

最初にフロントドアを開けてみると、どちらもサポートの良さそうなシートが目に入る。ポロ GTIはシート中央に赤を配したチェック模様というゴルフGTIと同じこれぞGTIというアイデンティティが目に入る。対してBRZも国産シートとしては例外的に出来の良いスポーツシートが装着されている。これはトヨタ系列の豊田紡織が開発したようで、やれば出来るじゃあないか、なんて言いたくなるのだが、その前に日本のシートメーカーって本当に駄目なのか?という疑問がある。実は以前聞いた話だが、少なくともBMW3シリーズのE46時代はMスポーツのシートを日本のメーカーに発注していたそうだ。ということは、もしかして、日本車だって金を掛ければもっと良いシートを作るメーカーは日本にもあるのかもしれない。しかし、ここでも強力な関連企業を持つトヨタの力をハッキリと見せつけられた訳で、スバル独自の開発だったらばシートなんて酷いものになっていただろうというのは、レガシィを見れば容易に想像が付く。それならスバルは今後全てのシートを豊田紡織から購入すればいいかといえば、そんなことをしたら、従来購入していたシートメーカーは大きく業績が低下して、最悪の場合は倒産してしまうから、それは出来ない。

次にリアについては、先ずはポロのリアドアを開けると、外形からは想像もつかないくらいに十分な前後スペースを確認できる。まあ、これは日本の軽自動車はあの寸法でもポロ以上に広いから、今更驚くことでもないが。そしてBRZのリアドアを開ける‥‥ことは出来ないのは当然で、フロントシートのバックレストを前に倒して、そのスペースを見れば驚くほどに狭い。ハッキリ言って大人が乗るにはフロントシートをかなり前に出す必要があり、フロントに170cm級のドライバーが乗った時のリアは足を置くスペースすらない。

シート表皮を拡大してみると、ポロ GTIは例によって欧州調のファブリックで前述のようにGTIの証である赤いラインの入ったチェック模様と、サイドには赤いステッチが入っている。BRZはグレードがSでは写真のファブリック/トリコットのコンビに赤いステッチとなり、下位グレードのRではトリコットとなる。またオプションでレザー/アルカンターラのコンビも用意されている。

ドアインナートリムについては、ポロ GTIは結構広いスペースにライトグレーのファブリックを使い、アームレストはダークグレー、そしてグリップなどはブラックというカラーの組み合わせが実に良い雰囲気を出している。BRZは赤いステッチの入ったレザー(合成皮革?)を多用するなど頑張って入るのだが、何となく田舎臭いセンスが惜しい。

VWだって決してお洒落なブランドでは無いのだが、それでもBRZに比べれば格段に垢抜けている。BRZはスバル製だから富士重丸出しの北関東のセンスとはいえ、兄弟車の86はトヨタブランドなのだから、トヨタの意見はどうなっているのだろうか。あっ、あそこも東海地方だった。宇都宮と名古屋の合作では、こんなものか。



インパネは両車の個性が出ていているが、ポロ GTIは当然ながらBセグメントハッチバックという大衆車であるポロをベースにしている訳で、結構地味で実用的なデザインとなっている。これに対してBRZの場合は専用に起こしたインパネなのだが、ドアのインナートリム同様に田舎臭いデザインなのがイマイチ気にかかる。

センタークラスターの配置はどちらも最上部にエアコンのアウトレットがあり、ナビのディスプレイはその下の少し低い位置にあるから、走行中の確認には多少の視線移動がある。エアコンはどちらもフルオートタイプが装着されていて、そのデザインはこれまた両車の個性がでている。ポロ GTIは良く言えばポップな感じがするが、言い換えれば安っぽい。BRZはMINIを彷彿させるトグルスイッチを使ったり、ダイヤルにはクロームメッキを施したりと努力は認めるが、これまたセンスは良くない。

なお、ナビについてはどちらもオーディオ一体式で、言ってみれば市販品の流用だが、この価格帯では他車も同様な方式となる。すなわち、オーディオはエアコンとともにセンタークラスターに装備され、ディスプレイとも連携して各種情報を表示するという、完全なシステム化されているのはもっと上位の車種でないと予算的に無理なようだ。



ということで、この続きは後編にて。

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