Alpina B5 BiTurbo (2011/3) 後編


B5のエンジン始動は、オリジナルの5シリーズと同様にインテリジェントキーを所持してスタート/ストップボタンを押す。 そのボタンの位置も形状も5シリーズと同じだが、ボタンの下部に樹脂製の指置き場?のようなものがある(写真41)。 アイドリングは当然静かで、流石にV8の高級車だし、メータークラスターもデザイン自体は5シリーズと変わらないが、始動によりメーター盤面は濃いブルーに照明されて、これまた独特の高級感を演出する(写真42)。

5シリーズと全く同じ電子式のATセレクターの右側面のロック解除スイッチを押しながら手前に引いてDレンジに入れ、セレクターの手前にあるパーキングブレーキスイッチを押して解除する (写真43)。そして、フートブレーキを放せば極普通にクリープで前進するから、そこからユックリとスロットルペダルを踏んで走り出す。 信号で停止後にハーフスロットルで発信する時にも、既に強力なトルクを感じるが、それでもエンジン音は静かで、挙動も極々ジェントルだから、この状況ではパワーに余裕のある高級車という感覚で運転できる。それでも低速トルクは絶大だから、同じく500ps級でも自然吸気の高回転エンジンを載せていたM5に比べれば、街中では格段に運転し易い。
B5の走行モードには大人しい順から 「COMFORT」→「NORMAL」→「SPORT」→「SPORT+」という4種類があり、 これは5シリーズに標準のダイナミックドライビングコントロールと同じだが、相違点としては5シリーズに無い「COMFORT」というモードがあるのが、いかにもジェントルなアルピナらしい(写真44)。取り合えずはデフォルトのNORMALで走ってみる。 首都高に入るまでの数キロ区間は都心の一般道を流れに乗って走るが、左車線に停車中のクルマがいたり、右左折車線のために頻繁な車線変更を必要とする都心の主要道路の走行は、いつもながら大パワーエンジンの加速性能を利用して 臨機応変に隣の車線のクルマの前に簡単に入れることが安全確実であることを感じる。そう、強烈なトルクは安全な運転に寄与するのであり、これはクラウンマジェスタなどでも感じることだし、V8サルーンのメリットでもある。

首都高に入ってからは、適度な流れに乗って15分ほど走って、フィーリングにも慣れたところでスポーツモードに切り替えてみる。 モード切替は△のSPORTボタンを1度押すとSPORTモードとなり、さらにもう一度押すことでSPORT+となる。NORMALでのB5の乗り心地は多少硬めではあるものの実にしなやかで、首都高の橋げたの継ぎ目でもサクッと通過する。アルピナは元来レーシングモデルのチューナーだったから、エンジンとともにサスペンションのチューニングも本職なことと、BMW車に標準装備されているランフラットタイヤ(RFT)ではなく、 オーソドックスなミシュランパイロットスーパースポーツを履いていること、それにも増してBMWのオリジナル車に比べて予算もあることから、部品も厳選されていることもあり、B5の乗り心地は正に絶品だ。この乗り心地の良さは、SPORTモードを選択しても多少は硬くはなるものの、基本的 な乗り心地の良さは殆ど変わらないが、強いて言えば橋げたや路面の段差で多少のショックがある程度で、その分足腰がよりシッカリするので、スポーティーなクルマが好きなユーザーなら、SPORTに入れっぱなしでも良いかもしれない。
実は試乗車にオプション装備されていたアダプティブドライブ(21.2万円)は走行状態からダンパーを最適に制御するという、言ってみればポルシェのPASMみたいなもので、実際にPASMを装着したカレラの場合、ノーマルを選べば硬さはあるものの、あらゆる高級サルーンと比べても乗り心地の良さではトップクラスとなる。B5の絶妙の乗り心地はアダプティブドライブのご利益も大きいのだろう。と、いうことは、21.2万円をケチると、これほどの乗り心地は実現できないかもしれない。

車両重量が1,950kgあるとはいえ、パワーは520psもあるからパワーウェイトレシオは3.8kg/psという、正にスーパーカー並みだし、メーカー発表の性能も、0→100km/h加速が4.6秒、最高速度が307kmという堂々 たるもので、これはもう、乗る前からおおよその想像は付く。 それに、こんな性能を一般公道で試すことはできないが、それでは試乗記にならないので、できうる範囲でその性能を紹介してみる。

首都高を走行中はSPORTモードに入れっぱなしにして走行したが、とにかく乗り心地の良さと安定した走りに加えて、前車との距離が開いたら1/2程スロットルを踏めば、わずかなタイムラグでストレス無く1段シフトダウンし、充分な加速を始める。この時、 フルスロットルを踏むと、2段のシフトダウンとともに強烈な加速で、あっという間にヤバイ速度に達してしまう。 B5のミッションはオーソドックスなトルコン式の8ATで、ZF製であることがスペックに明記されている(ZF 8HP70 SWICH TRONIC)。最近はデュアルクラッチのDCTタイプが流行のようだが、スムースな変速という点では未だトルコンATには敵わないし、パワーロスといっても73kg ・mという強大なトルクがあれば全く問題はない。このATは変速時に、エンジンへの吸気、噴射や点火タイミングまで調整することでショックを最小限にしているそうで、確かに変速のスムースさは アルピナのジェントルでいて強大なパワー&トルクという相反する性能を満足している。
フル加速時のエンジン音も、基本的には静かで、それでいてV8独特のビートはハッキリ認識できる。その音量レベルは、これ以上小さいと物足りないし、これ以上大きいとうるさく感じるユーザーもいるだろうという、実に上手いところを 突いている。しかし、悪く言えばポルシェカレラのように、ワクワク・ドキドキする楽しさは全く無いし、M5のようなレーシングカー顔負けのサウンドを放つ訳でも無い。 なお、今回の試乗は3人乗車であり、リアシートには体重35kgのモデル体形の美女が乗っている・・・・・筈だったが、手違いで75kgのオッサンだったために、5 20psとはいえ、加速性能は多少ダウンしている事も考慮しておく必要がありそうだ。

抜群の乗り心地の良さと強力無比な動力性能は、一般道での巡航でもチョッと気を抜くと、気が付かないうちに恐ろしい速度に達している可能性さえある。だから、ちょっと気を抜くと50km/h以上の速度オーバーは簡単だから、運が悪いとタップリと臨時の税金を払うことになる。しかも、免停の講習のために2日間も仕事を休む羽目になる。あなたが 受診のために何時もの病院に行ったときに「○○先生 木〜金曜日 学会出席のために △△先生の代診となります」なんて紙が待合室に貼ってあったら、もしかして主治医は今頃免停の講習中かもしれない。
 


写真41
B5のスタート/ストップボタンは位置も形状も5シリーズと同じ。ただし、B5は下部にガード(指置き場?)のようなものがある。
 

 


写真42
デサインは同じだが、B5のメーター盤面はセンスの良いブルーに光る。
 

 


写真43
ATセレクターはベースの5シリーズと同じだが、ミルテウッドのベースプレートやサイドのレザーとステッチが全く違う雰囲気を醸し出して、あたかも違うスイッチに感じる。
 

 


写真44
走行モード切り替えスイッチは5シリーズと同一品を流用しているが、B5は4段階に切り替える。
その方法はデフォルトのNORMALを中心に
    SPORT+
     △
    SPORT
     △
    NORMAL
     ▽
    COMFORT
となる。
5シリーズの場合には
COMFRTモードが無い。
 

 

今回は時間も十分にあったので、ハンドリングを試すために勝手知ったるホームグランドまで足を伸ばしてみた。ここは、以前の試乗記で何度も走ったところで、ポルシェカレラS、ケイマン、パナメーラS、BMW528iなどをテストしたお馴染みの場所だ。B5はRFTを使用していない事と、5シリーズには標準装備されるアクティブステアリングもない。 その為、操舵力は適度に重く、レスポンスも極自然で、アクティブステアリング独特のわざとらしさも無い。そして、この操舵特性は走行モードによって大きく変化する。NORMALモードでは実用サルーンとしてはスポーティーだが、適度のダルさが長距離ドライブで疲れないメリットがあるだろうし、SPORTでは少しクイックになる。これが、SPORT+だと、他のモードに比べて明らかにクイックで、不感帯も殆どなくなり、逆に操舵力は多少増す。 このモードでの操舵フィーリングは贔屓目にいえばポルシェカレラのフェーズ2(現行、後期型)に似ているし、手首の操作くらいの微妙な操舵でも、車はピクッと敏感に反応する。乗り心地は明らかに硬くなり、エンジンレスポンスも上昇して、ジェントルだったB5は完全に豹変する。 いつものワインディング路は年度末ということもあり、普段よりクルマが多くて、最初の試験アタックでは充分な走行ができそうも無い状況で、今回はSPORT+ではなくSPORTモードでの走行とした。ミッションはセレクターをD位置から左側に 倒したマニュアルモードにするというBMW5シリーズでお馴染みの方法でセレクトする。ここで、マニュアル操作用のパドルスイッチを探すと・・・・・んっ?無い?? ところが、ステアリングのスポーク裏側には人差し指で押せる位置に小さな丸いスイッチのような物があるのを感じた。 実はこれがアルピナ独特のSWICH TRONIC用のマニュアルスイッチで、パドルのように視覚的に派手なパフォーマンスはないが、実用上は全く問題が無い (写真46)。この辺も、アルピナの謙虚な性格を物語っている。 なお、このスイッチは右でアップ、左がダウンというオーソドックスな配置だから全く違和感無く使用できる。

マニュアルモードで1速から発進すると車は凄い勢いで加速して、あっという間に回転計の針は跳ね上がるが、今はフル加速テストではないので 1速、5,000rpm、約50km/hで右側のSWICH TRONICスイッチを押してシフトアップする。このレスポンスもトルコンATとしては最もレスポンスが良い部類 であり、これならあえてDCTを必要としない程だった。 2速にシフトアップ後はひと踏みで60km/hに達するから、ここからは3速、3,000rpmで巡航し、最初のコーナーに入っていく。まずは減速度によるフロントへの荷重移動などはせずに、そのままで旋回してみると、アルピナがベースのBMW同様に実に素直なアンダーステアなことが判る。アクティブステア機構の無い自然なフィーリングはE39以前の、ある面では最高のコーナーリングフィーリングだった時代のBMWを思い出す。次に少し速めの速度で、コーナー入り口までブレーキを残してフロント荷重ぎみで旋回してみると、これまた実に素直に安定したコーナーリングを見せてくれる。
このように文句なしのアルピナB5ではあるが、実はB5試乗の10日程後に比較のために528iツーリングに試乗して、興奮は覚めかかったがB5のフィーリングは未だ体に残っている状態での比較を試みてみた。
試乗コースは途中からB5と全く同じで、特に例のハンドリングコースはシッカリと走ってみた。まず、最初に走り始めた瞬間に操舵感もエンジンの特性も、やけに軽快なことに気が付く。取り分け操舵感の軽快なことは驚く程で、勿論RFTやアクティブステアリングによる フィーリング的なハンディはあるものの、エンジンが軽いことによるフロント荷重の少なさが、これらの弱点を完全に帳消しにしている。 欠点が殆ど無いと思われたB5も、絶対的に重いV8ターボエンジンによるフロントヘビー気味の重量バランスからくる 慣性の大きさは如何にもならなかった。これは何もB5に限らず、V8搭載のEセグメント車に共通していることで、先代フーガのV8はもっと酷かったし(だから新型からは日本でV8の販売を中止した)、レクサスGSだって、V8のGS4 60よりもV6のGS350の方が余程軽快だ。更には、V8の現行M3は軽快なハンドリングでは4気筒の320iに全く歯が立たない ことでも判るように、B5はV8のEセグメントサルーンとしては最高に出来が良いのだが 、物理の法則には敵わないということを実感する。
528iツーリングによる比較試乗でもう一つ発見したのは、直6自然吸気(NA)エンジンの素直なレスポンスと吹け上がりは、V8ツインターボのB5に比べて、これまた格段に軽快だったことだ。 8個のピストンによる摺動抵抗は当然ならが6個よりも大きい。そして、各シリンダーが60度の位相を持つ直6エンジンのバランスの良さは、4気筒×2で90度の位相であるV8との違いもあり、改めて直6NAのメリットを思い知らされたという結果だった。

ところで、新型B5(F10)のターボエンジンは520ps だから、先代B5(E60)のスーバーチャージャーエンジンの537psに比べて17psのダウンとなっているが、実はトルク特性は大幅にフラットに改善されているために、常用域では遙かにトルクフルな特性となっている (右図)。
とはいえ、先代ALPINAが550i(E60)とは全く異なる独特のエンジンを使用していたという面では寂しさもある。この理由を考えてみると、近年の世界的な環境規制を踏まえると、ALPINAクラスの小メーカーは独自のエンジンを開発するまでの余力がないことから、BMWのような大手メーカー のエンジンをベースとして、チューンナップするしか生きる道が無いのではないだろうか。そういう意味ではALPINAよりも生産台数が多いであろうMモデルでさえ同様で、M5のF1譲りのV10やM3の6連スロットルの直6などという、マニアックなスペックのエンジンは今後は無くなってしまうだろう。 事実、近日中に詳細が発表されるであろう新型M5(F10)は高回転型NAのV10ではなくV8 ツインターボだといわれている。

上記の傾向のように、BMWの量産エンジンをベースとしたことでE60時代の1,745万円に対して、新型では1,495万円と250万円も価格が下がったし、トル ク特性から言えば大幅に強化されたわけで、これは決して悪いことで は無いのだが、コテコテのアルピナファンからすると、前の方が良かったという事になるのだろう。まあ、これは空冷時代のポルシェが未だに人気がある事と同じだが。

今回はコースの関係で首都高から国道へ降りてしまい高速道路は走行していないが、この乗り味からして高速道で一般的な犯罪にならない程度の速度(反則にはなるが)で巡航する分は全く安全快適であろうことは、容易に想像できるし、もっと上の速度で、通称ふわわであろうとも・・・・・・、へっ、へっ、へっ。ところで、高速の安定性なんていって、もしかして、一般道で試したんじゃあないか?って。じょ、冗談じゃあ無いっすよ・・・、モゴモゴモゴ
 


写真45
基本的に5シリーズと同じドライビングポジションだから、ボンネット先端も確認できるし、高性能車としては取り回しが良く、運転し易い。
 

 


写真46
ステアリングホイールのスポーク裏側の極自然に指が当たる部分にあるスイッチ(白←)がシフトスイッチとなる奥ゆかしさだ。
 

 

写真47
V8 4.4ℓ ツインターボエンジンは520ps/5,500rpm、72.9kgm/
3,000〜4,750rpmのパワー&トルクを発生する。
 


写真48
エンジンのトップカバーにはアルピナのエンブレムが付いている。

 


写真 49
ボディのシリアルNoはBMWオリジナルを×で消して、アルピナのナンバーが入っている。
 

 

アルピナはE39時代のB10において、上級モデルではアルピナブルーにALPINAの白いロゴが入ったブレンボー製のアルミ対向ピストンキャリーパーを採用していたが、その後は 片押しタイプとなってしまった。今回の新型B5もかなり大型のキャリパーではあるが、アルミ製とはいえ片押しのフローティングタイプを使用している。 M5の場合は、それでもディスクローターはドリルドホール、要するに穴あきローターを使用していたが、B5は穴もスリットもない普通のローターが付いている。それで、実際の効きはどうかといえば、B5のブレーキはBMW5シリーズの軽く足を乗せただけでガツンっと効く、言ってみればカックン気味の特性ではなく、ある程度の 踏力を必要とするが踏めば踏むほどに効くタイプでポルシェのブレーキに近い。とはいえ、ポルシェ程には踏力を必要とはしないから、慣れれば誰でも極々自然に操作できる。

最後に今まで触れていなかったCOMFORTモードを選択した場合についての状況を紹介してみよう。COMFORTを選択すると、当然ながらスロットルレスポンスはNORMALに比べて緩慢にはなるのだが、最近の国産車のECOモードとか Iモードとかのように、トロ過ぎてとても使い物にならない等という事は無く、充分に実用になる。そしてステアリングレスポンスも多少は大人しくなるが、これまた極僅かである。そして、最も顕著なのが乗り心地が更に良くなることで、首都高の橋桁の継ぎ目なども殆どショックがなく、いわゆる猫足状態になる。ドライバー側として感じるのは、走行中に路面の大きな凸凹で多少上下のピッチングが出ることで、言ってみればメルセデス Eクラスのコンフォートモデル的になることだ。前述のように、今回はリアに75kgのウェイトが乗っているが、そのウェイト氏によれば、COMFORT時のリアの乗り心地は抜群で、正にショーファードリブンの高級車そのものだったとか。因みに、SPORT+の時には、ステアリングを微妙に操作するたびに、体が左右にピクッ、ピクッと振られたそうだ。

アルピナB5をショーファードリブンで使うために購入するユーザーは居ないだろうが、普段は自らパーソナルカーとして運転していても、場合によっては誰かに運転させて重要な仕事に行く、なんていう使い方も出来るところは、1,500万円のクルマだけのことはある。
 


写真 50
アルピナ独特の細いスポークのホイールに、前:255/35ZR20、後:285/30ZR20タイヤが標準となる。
 

 


写真51
B5はM5と同様に、これだけの高性能車でも片押しキャリパーを使用している。さらに、ローターは穴もスリットも付いていない。
 


写真52
535iのキャリパーは容量的にはB5より小さいが、基本的に
同一シリーズのキャリパーを使用している。
 


写真53
M5の場合はB5と同系の型押しキャリパーだが黒く塗装されている。さらにドリルドローターを使用している。

豪華で高性能、ハンドリングも抜群で、しかも乗り心地も高級車そのモノで、一台で全てを満足するクルマは無いかという無理難題を掲げられたとき、その要求に最も近いのがアルピナB5だと思う。それほどまでに全てを満足する、ある面では理想のクルマでもある。かのポールフレール氏が生前に、もしも一台のみの所有で全てを満足するクルマを選べといわれたら、躊躇無くアルピナを選ぶという趣旨のことを言っていたのを思い出した。今回の試乗記では、全くもってべた褒めになってしまったが、トヨタが80点主義ならば、アルピナは全て100点狙いであり、クラウンがオールマイティーに点数をとる 中堅国立大学型の秀才だとすれば、B5は全科目満点の東大型というところか。
あれっ、先ほど、軽快さでは528iに敵わないって言ってたじゃねぇか?なんていう突っ込みが入りそうだが、秀才という面では抜群の東大出も、実務という面では世間の冷たい風に当たってきた、2〜3流大学出身者に敵わなかったりするのと同じということで、如何だろうか。そして、アルピナのもう一つの欠点は言うまでも無く価格であり、逆にその価格がオーナーにとっては密かな満足感でもあるかもしれない。 528i(サルーン)の715万円 という価格は、何とB5の半分以下だから、工業製品としての出来の良さという面では528iの方が勝っている事になってしまうが、それを言ったらハイオーナーサルーンで250万円以下から設定のあるトヨタマークXが一番偉いことにな るので、この話はこれくらいにしておこう。

冒頭に記したように日本では昨年、約200台のアルピナが販売されたが、その多くは3シリーズベースのB3(左ハンドル仕様で999万円)だったそうだ。B5とは言わないまでもB3だってオールマイティーの理想の万能車だから、こちらの方はより多くの人に薦められる、といっても乗り出しでは 1,000万円を超えてしまうが。

ところで先日、ホンダのディーラーの前を通ったら、ディーラーの中庭で営業マンやメカニック、そして受付のお姉さんも加わって4人の家族連れに対して納車式らしき事をやっていた。ピカピカのステップワゴンを確認しているファミリーの希望に満ちた満足そうな姿が 今でも目に焼きついている。人生は贅沢を求めたらば限がない。ALPINA B5は確かに性能も内装の質感も抜群に良い。 しかし、満足感は初めて買った憧れのBMW、E36の318iに勝ることができるだろうか?というわけで、B5をスンナリ買えるようなお金持ちが羨ましいので、なんだかんだ言ってはみたが、やっぱりB5は良い!
5シリーズのオーナー、とりわけE60の550iオーナーで、そろそろF10への買い替えを考えているのなら、ぜひともB5を検討してみては如何だろうか。 最後に、不幸にもアルピナに興味を持ってしまったアナタのために、コンタクト先を紹介しておく。アルピナも今では主要なBMWディーラーでも取り扱っているから、馴染みのBMW ディーラーで何時ものセールスマンに声を掛けるのも良いだろう。 ただし、他のBMW車と違って、展示車を見ることも出来ないから、いち早く現車を確認して、実際に試乗して確かめない、という場合には、総代理店であるニコルオートモービルズにコンタクトを取るのが手っ取り早い。
ウェブサイト(URL:https://www.alpina.co.jp/)からコンタクトを取っても良いが、以下のアドレスにメールを入れれば 営業担当者に直接アポイントが取れるし、そうなればその後の話が早いと思うので、居ても立ってもいられない、という読者はそちらの方をお勧めする。
E-mail: alpina_sales15@nicole.co.jp

如何でしたか、1,500万円也のスポーツセダンは。
えっ?他にも同クラスを比較したい、ですか?
よ〜し、それでは行ってみましょうか。100年に一度とか、観測史上最大とかいわれている大災害で、日本人の心の中が不安で一杯な今日この頃。不安なんて忘れて、この際、理想のセダン探しをやってみよではありませんか。という訳で

こから先は例によってオマケだから、言いたい放題が 気き入らない人達は、読まないことをお勧めいたします。今回のテーマは、ずばり

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