BMW New(F10) 528i Touring M-Sports (2011/6)前編 ⇒後編


高級ステーションワゴンの代名詞といえば、メルセデスのEクラスワゴンが脳裏に浮かぶ。そして、EクラスのライバルとなるのはBMWの5シリーズワゴン(BMWはツーリングと呼ぶ)、そしてアウディA6のワゴンであるアバンテだが、A6は今年中にFMCした新型に移行するために、今現在は空白となっている。

このEセグメントのステーションワゴンについては、現在国産車が存在しない状況だから、このクラスのワゴンが欲しければ輸入車を買うしかないのが現状だ。なお、ワゴンで有名なボルボV70については、ドンガラの大きさだけならばEセグメントに近いし、価格もT6は669万円とE250や523iより高いという、これでも買うユーザーがいるのか、と疑問になるくらいのもので、当然ながら、Eクラスや5シリーズのライバルとは成りえない。

ところで、Eクラスと5シリーズのワゴンのエクステリアを比べたのが写真1〜2で、両車とも似ているといえば似ているし、それでいて誰が見てもBMWであり、メルセデスでもある。なお、5シリーズツーリングがEクラスワゴンと対等に比較されるようになったのはE60辺りからだから、未だ10年弱というところだ。
 

写真1
Eセグメントのプレミアムワゴンとして、正にガチンコ勝負の2車で、ワゴンマニアから見れば、どちらも何時かは所有してみたい筆頭だろう。

写真 2
全長は5シリーズが4,920、Eクラスが4,900mmと同等。
ホイールベースは5シリーズ2,970とEクラス2,875mm対して95mmも長い。
その分、リアオーバーハングはEクラスの方が長く、ワゴンらしいスタイルをしている。

新型5シリーズ(F10)については、既に3Lツインターボの535i、3L自然吸気の528i、そして2.5L自然吸気の523iという具合にV8ツインターボの550iを除いた全ラインナップについて試乗してきた。更には事実上は550iのチューンアップ版ともいえるアルピナB5の試乗記も既に発表しているから、F10サルーンについてはほぼ網羅したことになる。そこで今回は昨年秋にサルーンより遅れて発売されたツーリングに試乗してみた。車種は528iツーリング Mスポーツパッケージで、そういえば試乗記でF10のMスポーツを取り上げるのも初めてとなる。ということで、今回の試乗記では主としてサルーンとワゴンボディのツーリングの走りの違いを重点的にチェックすると共に、写真ではMスポーツについての紹介もすることにする。
 


写真3
リアから見た時の528iの最大の相違点は、528iの排気管が左から2本出しに対して、535iは左右各1本出しとなる。
 

 


写真4
Eセグメントワゴンだけあってラッゲージスペースは充分だが、Eクラスに比べるとちょと狭い。

 


写真5
Mスポーツのフロントはバンパーのエアーインテイクをアグレッシブにすることでスポーティーを強調している。
 


写真6
ツーリングの場合は、リアはMスポーツでも基本的には同じバンパー形状となっている。
セダンの場合は下の写真7のように、バンパーが異なる。


写真7
セダンの場合、Mスポーツ(左)はバンパー形状が異なり、反射鏡の位置も違う。勿論リアアンダーカバーの形状も異なる。
 

Mスポーツの標準シートは形状がよりサイドサポートをシッカリした、いわゆるスポーツシート(写真9-3)で、表皮は座面がファブリックでサイドがアルカンターラ(写真10-2)を使用しているのだが、今回の試乗車にはオプションのレザーシート (写真10-1)が装着されていた。 なお、表皮は同じレザーでもMスポーツの場合は標準(写真9−2)のコンフォートタイプのシートと異なり、スポーツシート(写真9-1)を使用している。Mスポーツの標準シートはバックレストと座面の上下のみが電動(写真11-2)で、前後と先端の上下は手動であり、これが オプションのレザーシートだとメモリー付きのフルパワー(写真11-1)となる。
 


写真8
リアのスペースは5シリーズだけあって、3シリーズよりも余裕があるし、ワゴンとはいえ大人が長時間乗っても全く苦にならない。

 


写真9-1
写真の試乗車にはMスポーツとはいえオプションのレザーシートが装着されていた。表皮はレザーでも形状自体はスポーツシートとなっている。

 


写真9-2
528i以上に標準で523iではオプションとなるレザーシートの形状はMスポーツとは異なり、サイドサポートの張り出しの少ないコンフォートタイプとなる。
 

 


写真9-3
Mスポーツの標準は、アルカンターラとクロスのコンビシートで、つや消しの裏革が中々良い雰囲気を出している。
 

 


写真10-1
オプションのレザーシートはBMWで御馴染みのもの。

 


写真10-2
Mスポーツの標準シートは座面がクロスでサイドサポートがアルカンターラを使用している。

 


写真11-1
レザーシートの調整はフルパワーでメモリーも付く。


写真11-2
Mスポーツの標準シートはバックレストの角度と座面の上下のみ電動で、前後と座面先端の上下は手動となる。

Mスポーツに標準のアルミニウム・ヘキサゴン・トリム は、よく見れば6角形のエンボス模様がボツボツと入った決してセンスが良いとはいえない代物(写真14-2)で、BMWに限らすメルセデスでも以前からスポーツ系もモデルに標準となっていたりするから、ドイツ人の感覚からいえば高級でスポーティーなのだろう。勿論オプションで各種のトリムを選べるが、試乗車や展示車でよく見るのは木目が黒 く、水平に目立つファインライン・アンソラジット・ウッド・トリム と呼ばれるタイプだ(写真14-1)。

Mスポーツのドアトリムも標準はアルカンターラーとクロスという、シートと同じ組み合わせが使用されている。実はこのアルカンターラーのつや消しの質感が実に良く(写真13-2)、下手にレザーシートを選ぶとドアトリムもレザー(写真13-1)となり、折角のMスポーツらしさが失われてしまう・・・・と、いうのは個人的な考えだが、同意してくれる読者も多いと思う。

Mスポーツを選ぶか否かは、それこそ個人の趣味の問題でもあるが、これを選んでも損はないだろう。
 

写真12-1
Mスポーツに標準のアルミトリムを装着した室内。他にはステアリングホイールが専用のものになる以外に標準モデルと大きな違いは無い。

写真12-2
オプションのウッドトリムを装着した場合。アルミトリムとどちらが良いかは好み次第。


写真13-1
オプションでレザーシートを選ぶと、Mスポーツでもドアトリムもレザーとなる。

 


写真13-2
Mスポーツの標準ドアインナートリムはシートと同じでアルカンターラとクロスが使用されている。これが、実に良い雰囲気をだしている。


写真14-1
オプションのウッドトリムは3種類あり、写真はファインライン・アンソラジット・ウッド・トリム。

 


写真14-2
写真のアルミニウム・ヘキサゴン・トリムはMスポーツの標準トリムとして設定されている。

以上、Mスポーツを中心に5シリーズワゴンについて紹介してみたが、基本的には何度も取り上げてきた5シリーズそのものだから、あとは各ユーザーの好みと予算で選べばよいだろう。
そして、BMWといえばワゴンとはいえ当然ながら、走りが気になるだろうから、いよいよセダンとの違いを試してみることにする。

ということで、この続きは後編にて。

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