トヨタ クラウン(旧) マイルドハイブリッド (2002/08/19) | ||
試乗車一覧
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※この試乗記は2002年8月現在の内容です。現在この車種は新車販売が終了しています。現行車は新型(通称ゼロクラウン)にフルモデルチェンジされています。 いつもボロクソいってるクラウンだけど、たまには最新型に乗ってみないと、いつの間にすご〜く良くなっているかもしれない、との思いで試乗したのだが、さて結果は? 試乗車は「マイルドハイブリッド(THS−M)」で、ナビやその他高価なオプション満載の車両だった。しかし、どうして試乗車というのはやたら最上級グレードにオプション付けまくるのだろう。今回の試乗車はたぶん五百万円に迫るだろう。 シートは当然フルパワーのためスイッチひとつで自由に調整できる。昔のクラウンのように、どう調整してもシートバックが寝すぎた状態にしかならず、必然的に寝転がって運転するという中小企業社長風ドラポジになってしまうことがないのはメリットだ。でも、パワーシートの付かない低グレード車(ロイヤルエクストラ等)はやっぱり寝転がりスタイルなのかな? シートに腰を下ろすと、いまだにフニャッと頼りないウレタンに、なにかクラウンらしい懐かしさを感じる。やはり、この感覚でないと、ユーザーからクレームがつくのだろう。でもこのシートじゃ1時間運転したら、間違い無く腰が痛くなるだろう。
シートの表皮も一見豪華そうだけど、良く見れば化繊丸出しの安物で、これも農家のオヤジや旋盤工から1代で成り上がった町工場の社長がターゲットなのが見え見えで、なんとも悲しい。 メーターはオプティトロンのため視点が遠く、そろそろ近くを見るのがイマイチの身には非常に見やすい。しかし見易いだけで、メルセデスのような安心感と質実剛健さや、BMWのように都会的なセンスもなく、やっぱり田舎の農協オヤジむけのセンスがヒシヒシと伝わってくる。 走り出すと、3ℓとは思えないトルクのなさ。THS−M仕様は確かにパワーが劣るけど、低回転までトルクが細いのか?それとも通常仕様でもこんなもんなのか?
スロットルを思いきり踏みつけると、暫くして(えらくデカいタイムラグで)シフトダウンされたが、やはり3Lのフル加速とは信じがたいトロさだった。
カーグラのデータ見たら、3Lのロイヤルサルーンがゼロヨン16.4秒だったから、やはりハイブリッド化でかなり性能が落ちているのか。 操舵特性は、クラウンのイメージどおりで、全く切れないステアリングと今時珍しいドアンダーで、フワフワのサスもイメージどおり。やはりクラウンは不滅だった。 ロイヤルではなくアスリートなら、少しはマシとも思うけど、先月のマークUから考えても大した物じゃなさそうだなぁ〜。 首都圏近郊の我が家付近でも、3シリーズはウジャウジャいるし、もちろん5やCやEだって結構走っている。ボルボV70試乗したときの感想はボロクソだったけど、あれはその日の朝に525ツーリング乗った足でボルボに乗ったからで、今こうしてクラウンに乗ってみると、V70だって捨てたもんじゃない。クラウンオーナーから見れば、乗り心地は悪いけど、これが安定性重視の欧州車なんだと納得するだろうし、値段的にはむしろ安いし、大きさは1回りデカくて立派だし、つい手を出してしまうのも当然のような気がしてきました。 このままでは、日本は安物クルマ生産専門で、中国や韓国と無理なコスト競争で、ヨレヨレになるしか無いのだろうか? THS−M(マイルドハイブリッド)について 信号待ちで停止すると、約20秒程度後に回転計の針はゼロを指し、メータ内にグリーンの「ECO」表示が出る。元々、アイドリングはやたら静かなので、目と耳で集中していないと判らない。 スタートのためスロットルを軽く踏むと、カツンという軽いショックと共に走り出す。カタログではスタート直後は電気モータで走ると説明されているが、電気で走るのは極一瞬で、感覚的には非常に作動の早いセルで再始動するような感じで、そのためスロットルを踏んでから走り出すまで極短いタイムラグを感じた。 以上の動作では、ほとんど違和感は無かったけれど、スタート時にスロットルを多めに踏むと、ガツンというショックがある。まあ、この車で信号グランプリする奴はいないだろうから、良しとするか! 結論として、この車は「ハイブリッド」であることに意義があるのだろう。官庁のお抱え運転手付きの車は、環境に配慮したハイブリッドを使うということで、世間さまの白い目をかわせるというメリットがある。だから、こんな車をオーナードライバーが買うのは間違い!! |