BMW 320i (2001/10/29)
 

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※この試乗記は2001年10月現在の内容です。現在この車種は新車販売が終了しています。現行車は新型3シリーズにフルモデルチェンジされています。
 

BMW3シリーズは旧型のE36については318tiと328iクーペに乗ったことがあるが、現行E46については、これが初体験となる。

乗り込んで最初に感じるのは、国産上級車に比べると、チョッと見た目には質素で人によっては高級感が無いと感じるようだが、よく見れば、なんともオシャレな内装だし、仕上げも最近評判の悪いメルセデスに比べて遥かに良い。

シートはメルセデスやVWのように座面がコチコチの硬さではなく、弾力のあるウレタンが敷いてあるような感覚だ。ただし、3シリーズのシートは少し小ぶりなので、身長180以上だとチョッと狭いと感じるだろう。試乗車のシートは手動の調整で、背もたれは日本車のようにレバーでノッチを外して、どこかツメが引っかかったところで保持するタイプのため、欧州車に良くある無段階にキメ細かく調整できるものを期待するとチョッと冷める。

走り出した第1印象は、とに角スムースなことだ。最初に10m走っただけで、全く振動無しに吹けあがるエンジンに今まで乗った、どのクルマとも違う走りを感じる。’01モデルから2.2ℓとなった排気量のお陰で、巷で言われるようなトルク不足を感じることは無く、さりとて、E36 328iで感じたような、チョッと右足をペダルに乗せただけで、ドヒァーと首が後ろにノケゾルことも無く、普段の使用には十分と感じられる。

操舵感は以前乗ったE36と大きく変わることは無く、最近はクイックになったといわれるメルセデス(MB)の新Cクラス(W203)よりも、中心付近の反応は良い。ただし、切り初めに、タイヤがよじれるような感じがあり、多分標準装着の195/65R15が原因と考えればオプションの16インチにすれば改善されるだろう。試乗コースには、たいしたワインディング路はないが、それでも極力コーナーを探して走って見たが、これもBMWらしくオンザレール感覚で、それこそニュートラルステアと言える感じで回って行く。

ブレーキのフィーリングは最初の遊びは軽く、ある所でドンッと止まると、そこからは短いストロークと軽い踏力で、ギュッと絞めこむ感じで実に良いフィーリングだ。ポルシェのような特殊なクルマを別にすれば、3シリーズのブレーキは、現在のトップを走っている事は間違いない。

最初は冷やかし半分で試乗した320は、世間の評判とうりの大傑作車で、実はこの1週間後に、ほぼ決定していたMB C200を押しのけて、我が家のファーストカー(実は1台持ちだけど)の座を確保してしまった。

 

追記:BMW 320i M-sport (2002/03/18)

同じ320でもM-sportとの違いは?との疑問を確かめるべく試乗した結果は?

乗り心地は硬いといえば硬いが、これも当たりが付けばもっとしなやかになるはず。また硬いとはいってもダンパーが効いているし、ボディー剛性もあるので一瞬バシッというショックがあるだけで、実に収まりが良い。国産のスポーツタイプの硬さとは当然次元が違い、決して不快ではない。 ステアリング特性はノーマルの320より多少クイックというか追従性が少し良い。足が少し硬い分、ハンドリングは少し良い。しかし、基本的なものは同じなのがすごい。

   

シートは標準車に比べてずっと良い。表皮もサイドは人口の裏革(ランクルがよく使うエクセーヌと同じ、欧州ではアルカンターラというらしい)だし、座面の長さも調整できるなど、チョッと魅力。ただし、ウッドパネルには合わないのでやはり標準のチタンっぽいパネルのままが良い。 このMスポーツはそのままで実に完成されており、唯一の欠点は買った後にイジル楽しみが期待できない点。

結論としては、個人の趣味の問題で、どちらもお勧め。でも、Mスポーツの外観のカッコ良さも魅力で、価格的にもオプションをゴチャゴチャつけるより余程安上がりでコストパーフォーマンスは抜群。(約25万円高い分はホイールだけで元がとれる)

自動車雑誌の比較でも結局結論が出ないのは、やはりそれぞれの良さがあって、最後は買う人が決めるしかないことに今回納得した。