ドイツ製プラミアムカー御三家として、他２社と比べてどうしてもイマイチなアウディだが、Ｃセグメントについては以前から A3 が奮闘していることら、他社と十分以上に勝負してきた。尤も最近はメルセデスがＡクラスでのバリエーション展開などで好調だから、アウディも安心してはいられない。さて御三家の一角である BMW はといえば、このクラスでは元々商品として弱かったが、最近は FMC での FWD 化で増々アドバンテージを無くしている。

さてアウディ A3 だが、この度 FMC が実施され一足先に発表されたスポーツバックに続いて今回はセダンが発表された。

A3 は既に先代モデルでもセダンが設定されていたが、今回のモデルも言ってみればエクステリアはキープコンセプトとなっている。幅と長さは僅かに大きくなっているようだが、ホイールベースに変更は無い。という事はプラットフォームは旧型からのキャリーオーバーという事だろう。

リアビューも基本的に同じで、最近のトレンドであるリアコンビネーションランプを大きく変更させる事もやっていない。

変わり映えのしないエクステリアに比べるとインテリアは時代の進化を反映している。

取り分け最近のトレンドであるメータークラスターのフル液晶化と ATセレクターの電子化は当然のように実施されている。

クルマという商品は常に FMC の度に大きくなっていくから、今やＣセグメントがセダンとして十分に使い物になるサイズとなっている。丁度20年程前のＤセグメントに相当するサイズだから、比較的買いやすいプレミアムブランドとして人気があるのも当然だ。

なお何時ものように詳細は下記にて。
  ⇒ https://www.netcarshow.com/audi/2021-a3_sedan/

前回までの合弁メーカーに続いて、今回からは独立ブランドの販売上位車について纏める。とはいえ、通称名を聞いても判らず、またメーカーも日本人には馴染みが無い。ということで、先ずはトップ10の通称名一覧とこれらメーカーについて纏める事にする。

ところで上位10モデルの多くが SUV である事に気付くだろう。中国は未舗装などが多いのか、それてとも単なるブームなのか？

長城汽車
河北省保定市に生産拠点を持つ中国初の非国営企業で、その名称は万里の長城を起源としている。英文表示は (Great Wall Motor Company Limited) で簡略体では长城汽车と表記する。生産能力は年間30～40万台で、別にウクライナにも工場がある。

独立ブランド販売第一位の哈弗 (Hover) はハイラックスサーフのシャーシを使用し、4気筒ガソリンエンジンは三菱製2.4L (4G64 ,4G69)で、他に自社製の2.8Lディーゼルエンジンもある。 月に5000台というのは合弁ブランドでもシルフィーに次いで第2位の台数だ。

スタイルは日産ムラーノのパクりとも言われているが、まあ中国の自主開発車は全てがパクりと思っても良いだろう。

奇瑞汽車 
安徽省蕪湖市に本拠を持つ。奇瑞汽車 (きずいきしゃ)は英文表記では Chery Automobile で中国のビッグ５の一角を担っている。資本は安徽省と同省蕪湖市によるから、非国営ではあるが民営ではなく事実上の公営企業といえる。

同社はジャガーランドローバーと合弁事業を行っているが、どちらかと言えば自主開発車が多いメーカーだ。上表を見るとトップ 10中の５車種を独占しているという状況で、ここでも自主開発主体である事が判るが、実は合弁事業としては後発だったために大手の合弁先が無かった事も原因となっている。

奇瑞汽車の中で最も販売台数の多い艾瑞泽 (アリゾ) GX はＣセグメントの小型セダンでエクステリアは欧州のスポーツセダン的だ。発売は2018年で1.5L ターボエンジンやCVTなど最新の機構を備えていて、自主開発車としては結構レベルが高そうだ。

そして瑞虎 (Tiggo) 5x は中型クロスオーバー SUV 車でエンジンは1.5Lターボ、2.0Lで、発売は2013年だから決して新しいモデルではない。

Tiggo は５以外にも３、７、８があり、何だか BMWのＸシリーズみたいだ。そして３と８は同じく10位以内に入っているから、その人気は大したものだ。まあプア―マンズＸシリーズという位置づけだろうか。SUV に強いのはランドローバーと合弁事業を行っている事もあるだろう。

次回も引き続き中国独自開発メーカのトップ10で残る3メーカーを取り上げる

  　⇒ 2020年２月 中国乗用車販売台数 <4>