B_Otaku のクルマ日記


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2019/12/24 (Tue)  Toyota Rav4 vs BMW 3 Series <2>

このところ所用が多くて、このシリーズの更新が途絶えていたが、気を取り直して続ける事にする。さて今回は、何とまだ2回目だったので、例によって前後正面の比較から‥‥

全幅 x 全高は RAV4 が 1,855 x 1,685㎜ 、3 シリーズ (320i) が 1,825 x 1,440㎜ と、当然ながら SUV の RAV4 の全高が 245㎜ も高い。それにしても RAV4 の全幅 1,855㎜ というのは完全な国際サイズであり、都内でも戦災にあわなかった地域では採り回しに苦労するどころか、場合によっては物理的に走行すら出来ない、何て事になるのだが‥‥。

また3シリーズにしても先代では日本向けに限ってはドアノブの高さに低いモノに代えて、ファミリーマンションのタワーパークの対応として 1,800㎜ を超えないようにと配慮されていたのだが、G20 では 25mm オーバーしてしまった。

そしてフロントグリルは前回述べたように、RAV4 は最近のトヨタのアイデンティティであるキーンルック。そして3シリーズは勿論キドニーグリルで、そのブランド価値は BMW が圧倒している。

リアについてはフロント程のアイデンティティは無いのが常だし、実際両車も一目でそれぞれのメーカーが判るかと言えば、まあ中央のエンブレムで判るのだが、少し離れるを見辛いしフロントグリルの様な圧倒的な特徴では無い。しかも最近は BMW 何てチョイと高級な分譲地なら掃いて棄てる程に見かけるから、前のクルマが BMW でももしもの追突等をしないようにビビりながら走るドライバーは先ずいないだろう。

全長 x 全高は RAV4 が 4,600 x 1,685㎜ 、3 シリーズが 4,715 x 1,440㎜ 、ホイールベースは其々 2,690 および 2,850㎜ で、3シリーズが全長で115㎜、ホイールベースでは 160㎜ 長い。しかし3シリーズは RWD のためにエンジン縦置きであり、しかもバリエーションに直列6気筒エンジンがあり、更に前後配分を 50:50 にするという BMW のポリシーもありボンネット長が RAV4 より長いことから、長手方向の長さのアドバンテージが結構うち消されてしまっている。

まあその代わり旋回性能では圧倒的に3シリーズが勝っているのだが、極々大人しく走るファミリーユースでは旋回速度何て如何でも良いし、ステアリングレスポンスだってトロくても気にならないから、大して強みにもならないのだった。

ではリアラゲージスペースはというと‥‥

リアにハッチを持つ SUV の RAV4 と独立したトランクルームを持つセダンの3シリーズを比べるのは幾らなんでも無理があるが、それでもセダンのトランクというのは車内とは完全に隔たっているというメリットもあり、まあこの辺は好みの問題だろう。

それよりも興味の持てるのは奥行きであり、3シリーズは全長が 100㎜ 以上も長いのにラゲージスペースの長さは寧ろ RAV4 より短いくらいだ。この差はヤッパリ技術の違い‥‥な~んて事は残念ながら無いが、受けを狙うには今やドイツ車よりも日本車の方が技術が上だ、みたいな事を言ってみるもの面白そうだ。いや中の下以下の日本人の多くはそんな程度の認識であり、そこが売国マスコミの突けどころなのだった。

それではボンネットフードを開けてみる。フードの保持については言うまでも RAV4 は手動でロッドをセットするタイプで、3シリースではフードの根元付近に強力なダンパーを左右に装着していて、開ければそのままにしておいても保持される。更に3シリーズは車内の開閉レバーを2回引く事で、ロックが外れる BMW 独特の方式のために、狭い隙間から解除レバーを探す手間が省けて極めて使い易い。

ボンネットフードの裏側は RAV4 では以前から良く目にする防音と保温を兼ねたインシュレーターが貼ってある。そして3シリーズはこのモデルからは補強を兼ねたプレスフレームの2重構造となっているが、トヨタも新型カローラでは似たような構造を採っている。尤も開閉レバーや保持用ダンパーと違い、実際の使い勝手には全く影響が無いから如何でも良いとも言えるが。

では肝心のエンジンはというと‥‥

RAV4 のエンジンバリエーションは4気筒 2.0L 171ps のガソリンと 2.5L 178ps と88ps/54ps のモーターを加えたシステム出力 219ps のハイブリッドの2本立てで、上の写真はハイブリッドの場合だ。トヨタの安モノらしくエンジンルームの内部はコチャゴチャと乱雑だが、それでも同じくハイブリッドのカローラよりは大分マシだ。なおカローラ ハイブリッドはワンランク下の 1.8L + 72/7.2ps モーターでシステム出力は 122ps となる。

320i のエンジンルーム内は RAV4 に比べて明らかにすっきりとしているが、言い換えればエンジンや補記類は殆どカバーの下で見えない。RAV4 がエンジン横置き FWD であるのに対して、3シリーズは勿論縦置き RWD で、しかも例によって前後の静的重量配分をイーブンとする為に極力後方にエンジンを搭載している。まあこれこそが BMW を買う最大のメリットなのだが、最新の1シリーズはこの掟を破ってしまった。

エンジンルーム内を見るついでに両車のストラットタワーの構造を比較してみる。RAV4 は薄い鋼板をプレスしたものをスポット溶接で繋ぎ合せるという従来からの工法を使用している。対する3シリーズは複雑なリブや補記類の取り付けベースなど、見るからにコストを掛けているし、この構造を見る限りは薄板のプレスでは無く精密鋳造 (勿論アルミ) だろう。これが5シリーズになるともっと徹底したアルミ構造になるのだが、まあその辺は3と5のカテゴリーの違いという事で、価格差は伊達ではない。

しかし逆に考えれば BMW やメルセデスベンツは安モノを作れない体質で、メルセデス何て10年程前にトヨタの低価格に危機感を抱いてEクラスでコストダウンを図ったら、モロに安モノマル出しになって失敗しているくらいだが、ではトヨタは逆に高級車を作れるかと言えば、まあレクサスブランドで何とかやってはいるし、BMW が大衆車を作ったらもっとどうしようも無いクルマを作るだろう。

大衆車というのは実は非常に高度な技術を必要とする訳で、例えば超高性能車なんていうのはガレージメーカーでも可能で、事実マイナーなこの手のクルマは世界中に一杯あるが、まともな大衆車を作れるメーカーは限られている。

しかし実際に両車を比較してみれば、そもそもこんなモノを比べるのが間違いなのだが、COTY 審査員の先生方は流石にこれを同一の俎板に載せてしまうのはプロの証し!

次回はエクステリアで残ったブレーキと、いよいよインテリアの比較へと進む。

つづく






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2019/12/22 (Sun)  Toyota Highlander (2020)

トヨタ ハイランダー (Highlander) は 2000年にハリアーベースの廉価版として発売されたもので、ハリアーは米国ではレクサス RX という高級ブランド品であったが、その廉価版がハイランダーで、そのまた日本名がクルーガーだった。クルーガーはその後 2007年頃まで販売されていたが、2007年の FMC で2代目となった際に日本での販売は行われなかった。

海外向けのハイランダーはその後2013年には3代目となり、今年4月にはニューヨーク国際オートショーで4代目が発表された。この4代目が今回正式に発売されてオフィシャルフォットも公開された。なお今回からは日本でもハイランダーとして販売される予定で発売は来年春ことだろう。

新型はイランダーのフロントは RAV4 と同様の台形グリルを持っているが、RAV4 はグリル上部に最近のトヨタのミドルクラス以下で共通のキーンルックを持っているが、ハイランダーではそれに近いモチーフのラインがグリル内上部に付いている。

リアは細長いコンビネーションランプを使い、フロントグリル同様に RAV4 とは上級車としての差別化をしているようにも感じる。またブリスター化されたリアフェンダーは C-HR 的なマッチョ感も適度に出している。

ダッシュボードのデザインは最新のモデルらしくセンタークラスター上部のディスプレイとその下にはエアコンのパネルなど高い位置に機器を集中させて視線移動を最小限にしている。

ハイランダーの大きな特徴は3列シートを持つ事で、これによって御父さんは家族の欲しがるミニバンを買わずに済む事になるし、女房がクルマ音痴ならこれはミニバンだと騙す事もできる‥‥かも?

最近のトヨタは FMC を機にカローラを国際サイズにしたり、ヴィッツをヤリスと海外向けと名称と内容の共通化を図って (謀って) いるが、このハイランダーの復活も国内市場を海外と同等のラインナップとする一連の流れの中での新発売といえる。

実はこのクルマの製造は米国インディアナ工場であり、日本向けも米国から輸入されるようだ。トヨタと言っても米国車だからトランプ大統領に文句は言わせねぇ、というノリだろうか。価格は米国で3,200ドルというから、日本では300万円代で販売されるだろう。サイズから言ってもトヨタの SUV としては大きめだし価格も決して安くは無いから、ファミリーと言っても中流向けだ。なお世田谷自然左翼向けにはハイブリッドモデルも用意されるようで、米国では既に春から販売予定となっている。

なお何時ものように詳細は下記にて。
  ⇒ https://www.netcarshow.com/toyota/2020-highlander/

 


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