Volkswagen The Beetle 前編
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フォルクスワーゲン タイプ1は通称ビートルと呼ばれて第二次大戦後から1978年までドイツで生産され、その後もブラジルで2003年まで生産されていたから、そのライフスパンは何と半世紀にも及んだわけだ。この歴史的なタイプ1のスタイルを現代に蘇らせたのが1998年から生産が開始されたニュービートルで、形は似ているがタイプ1が空冷水平対向エンジンをリア に搭載していたのに対して、水冷直列エンジンをフロントに積むという、要するにゴルフをベースとしていた。 このニュービートルは大方の予想を裏切って結構なヒットとなって、特にVWの販売が中断していた米国で人気が出て、これでVWが再度米国に打って出る切っ掛けを作ったという。 今回の新型はその名もNew BeetleからThe Beetleへと変更された。そこで、The Beetleの諸元を同じVW社のゴルフの中から同じエンジンを搭載したTSI Trendline、そして先代のビートルであるNew Beetleのラインナップから新型に近いエンジン性能であるEZを比較してみる。それにしてもNew Beetleという車名が旧型というのは、何やら紛らわしい。 ザ ビートルをゴルフと比較するとエンジンとトランスミッションは全く同じモノを使っており、車両重量も価格も殆ど同じとなっている。世の中の常識からすれば実用車のゴルフに対して、パイクカーであるザ ビートルは価格が高くて当然だが、何故か同じ価格となっている。 なお、ザ ビートルのプラットフォームはジェッタと共通のA5(PQ35)プラットフォームを使用しているということだから、ゴルフYとは少し異るようだが、そのゴ ルフは日本でも近日中に新型のZに変更となる予定で、このゴルフZはMQBという全く新しいプラットフォームとなる。そして先代モデルであるNew Beetleと比べると、新型は全長(+590o)、全幅(+80o)とも大きくなったが、全高は逆に5oとはいえ低くなっているから、なるほど見た目にも広く低くなっているわけだ。 前後の正面から見ると、ビートルというには広く低い現代的なフォルムではあるけれど、斜めから見れば充分にビートルに見えるから不思議だ。フロントのヘッドライトはレザーパッケージにはバイキセノンライトが標準で、ベースグレードはオプションとなる。 リアハッチを開けると、意外にもラッゲージスペースは結構広く、床板を持ち上げるとスペアタイヤが現れる。最近のクルマはパンク修理キットの搭載でスペアタイヤを持たない場合が多いが、The Beetleのようにテンパーとはいえスペアータイヤを積んでいるのは珍しい。 ドアを開けてインテリアを見てみると、試乗車は上級グレードのレザーパッケージ(303万円)のために見かけは豪華だ。リアのパッセンジャースペースは特に足元が狭いが、それでも大人が何とか座れるから、+2というよりも4シーターと言っても良いかもしれない。しかし、決して広くはない。 |
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ドアは最近のクルマには珍しくフルトリムではなくて、塗装色の鉄板が出ているのは勿論演出だが、トリムの部分はプラスチック丸出しで安っぽい。運転席側のドア側アームレスト前端にはパワーウィンドウのスイッチがあるが、2ドアなので当然ながら2つしか無い。右下の写真を見るとアームレストの表面にはクロスが貼ってあるようだ。
そして、インパネはドアのインナーパネルと同様で水平部分が車両の塗装色と同じになっている。そういえば、数十年前のクルマは皆こんな感じだった。 このクルマの性格から単純にインテリアの質感がどうのという事は出来ないが、よくよく見ればいわゆるプラスチッキーというヤツだから、300万円超の価格を考えれば、さて‥‥。 ということで、続きは後編にて。 |