NISSAN NOTE X & MEDALIST 前編
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マーチベースの小型ミニバンというコンセプトで2004年に発売されたニッサン ノート(E11)は中々評判が良く、街でも結構見かけるので販売台数を調べたらば2011年には月平均4,000程売れていたから、今のご時世でモデル末期ということを考慮すれば悪くはないだろう。そのノートが8年ぶりにFMCを実施して2代目E12となった。

ラインナップは自然吸気(NA)エンジ ンがS(125万円)とX(130万円)、スーパーチャージャー(S.C.)のDIG‐Sが同じくS(145万円)とX(150万円) 、そして最上級グレードであるMEDALISTが167.5万円(S.C.のみ)、更にライダーが154万円(NA)と174万円(S.C.)となる。実は今回ティーダを廃止してノートに統合するために、ティーダユーザーの買い替え用として豪華装備を付けたのがMEDALISTだということだ。

まずは新旧ノート、そしてライバルの本田フィットの諸元を比較してみる。

  

新型ノートの最大の特徴はエンジンで、先代が4気筒1.5Lを搭載していたのに対して、新型はマーチと同じ3気筒1.2Lとなり、上級モデルにはスーパーチャージャー(S.C.)のよる過給で先代の1.5Lに近いパワーとトルクを発生しているのは今流行のダウンサイジングということになる。その甲斐もあって、燃費は大分向上しており、とくにS.C.版のモデルはJC08モード燃費で24km/Lという立派な数値となっている。

新型のエクステリアに先代(E11)の面影は全くない。これが今後の新しい日産顔なのだろうか。そして実際にみる現車は、何やらライバルであるホンダフィットに似ているように見えるのだが。MEDALISTはXと比べるとボティー下部のエアロパーツが追加されているのが大きな違いとなるが、他には特に見当たらない。そしてトップモデルの筈のMEDALISTでも、標準はスチールホイールであり、標準でアルミホイールを履いているモデルは無いから、欲しければオプションで選択する必要がある。





今度はリアゲートを開けてみると、リアラッゲージスペースはタイヤハウスの出っ張りが大きく幅方向に狭いのだが、そんなに高級なサスペンションを装備している訳でも無いのに何故だろうか。

ドアを開けた時に最初に目に入るシート形状は、見た目では結構サポートも良さそうだ。リアパッセンジャーの足元もこのクラスとしては十分に広く、フロントに170cm級のドライバーが座っても、普通の体型なら後席で膝が全席のバックレストに当たる事もない。なお写真のMEDALISTに対してXの場合もシート表皮の色が違うくらいで、シート形状などは大きな違いはない。
そのシート表皮は、Xがファブリックで色はセンターがブルーのために、室内が少し明るく感じられる。ファブリック自体は欧州車のような織目の粗いもので、国産車も最近は演歌調のベロアから足を洗ったクルマが多くなったのは喜ばしい限りだ。そして、MEDALISTはといえば、サイドにレザーを配したコンビシートで、色はダークグレーとなっている。なお、新型ノートにはカタログで調べた限りではアイボリーなどの明るい内装色は設定がなく、ここで紹介した2種類が全てのようだ。



ドアのインナートリムは基本的にシート表皮と同様の素材が使われている。それ以外ではメダリストのほうが多少の光物を使っているという違いはあるが、大きな相違は無い。


MEDARISTのHR12DRエンジンはスーパーチャージャーによる過給で98ps、14.5kg-mとベースのNA(HR12DE)エンジン(Xに搭載)の79ps 10.8kg-mに対して、パワーで24%、トルクで34%アップしている。 基本的に過給以外は共通点が多いスペックだが、写真で見比べると全く異る外観をしている。

 

インパネは当然ながら両グレードで共通であり、違いはパネル類や空調、メーター等など装着機器類で、特にセンタークラスターのイメージは両車でかなり異なる印象がある。なお、基本的にオーディオレスであり、エアアウトレットの下の2DINサイズのスペースにオーディオもしくはナビをディーラーオプションか、もしくは後ほどカーショップなどで装着することになる。

 

エアコンはMEDALISTがオートであるのに対してXではマニュアルとなる。そしてパネル類もMEDALISTのピアノブラック仕上げに対して、Xはプラスチック丸出しと、質感に差をつけている。



こうしてインテリアを見てみれば1車種で旧ノートとティーダのユーザーを吸収するというちょっと無理筋な方針だが、シート表皮の違いは当然として、他にもセンタークラスターをプラスチック丸出しとピアノブラックで差を付つけたり、ドアグリップの一部に部分的にメッキを配したりと、小技を効かして何とか差別化してはいる。

というわけで、室内も見渡したので、早速走ってみることにする。

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