TOYOTA COROLLA Axio Luxel 前編
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カローラシリーズは今年の5月にFMCされ、簡易試乗記ではワゴンバージョンのフィールダー、その中でもトップグレードである18Sエアロツアラー(212万円)に試乗した。実はワゴンとはいえカローラということで、ふらふら・ヨレヨレにパワー不足というカローラーのイメージから、結果は久々のボロクソ評価を期待していたのだが、何とこれが十分な動力性能としっかりした足回りに弱アンダーの素直なハンドリング、そして剛性感もあり結構レスポンスの良いステアリング系など、全く期待を裏切られてしまった。

そこで、今回はリベンジ(?)として、よりカローラらしいであろうと思われるアクシオ(セダン)1.5Lに試乗してみた。今回のカローラシリーズは1.8Lの設定がワゴンのみでセダンには無いから、今回の試乗車である15ラグゼール(190万円)が最上級モデルとなっている。

クルマを見る前に、例によって試乗車とライバル達のスペックを比較してみる。

アクシオの最上級豪華モデルであるラグゼールは先代では1.8Lだったが、今回からは1.5Lとなった。要するに、このクルマ(特にこのグレード)のユーザー層は1.8Lなんかを求めてはいないのだ。アクシオの最大の特徴は5ナンバーサイズを死守したことで、これにより国内もしくは一部の途上国以外には販路が無いクルマとなってしまったが、それでも続けられるトヨタの底力を素直に褒めておきたい。

昔からカローラのライバルと言えば日産サニーであり、そのサニーの末裔がティーダ ラティオだが、このクルマも既モデル末期であり、本来ならば昨年の夏までに新型となる噂だったが、3・11の大災害により計画は延期され、その後はどうなったのか定かではない。そしてスバル インプレッサ G4はといえば、前2車とは異なり全幅1.7m超えの国際サイズで、しかも駆動方式は4WDであり、更には価格的にもライバルと同一のカテゴリーとなるなど、まともに考えれば一番のお勧め車種だが、例によって脆弱な販売網と営業マンの特殊性から、未だにクルマは良いのにねぇ・・・という状況から抜け出せていないようだ。



それでは実車をみてみよう。試乗車はアクシオ 1.5 ラグゼールで価格は190万円と決して安くない。エクステリアは特に何の特徴もない小型4ドアセダンであり、カローラとしてアイデンティティは何もなく、言ってみれば無印良品的だが、それこそがカローラユーザーが望むものなのだろう。

エンジンルームに収まっている横置き1.5L 109psの1NZ-FEエンジンは排気量の割にギッシリと中身が詰まっているが、最近としては珍しく補機や配管類がゴチャゴチャと丸見えだ。



インテリアは前回試乗したフィールダーがスポーティーな若者向けを意識したのかブラックのみだったが、アクシオの場合はグレーもしくは写真のライトグレーが選べる。今回試乗したラグゼールのシート表皮はダブルラッセル*1であり、これが下位グレードになるとベロア調トリコットになる。

ドアのインナーパネルはよく見ればプラスチックの一体成型の安物だが、ラグゼールの場合はドアノブにメッキしたり、パワーウィンドウスイッチのベースパネルを木目調にしたりという小細工で一見すると高級に見える。



*1 ダブルラッセルとは高機能ファブリックで防水、透湿性や優れた吸水・速乾性を持っていて、トリコットよりはシート素材として優れているが、当然ながら価格は高い。

 

ドライバーズシートを中心にインパネやコンソール周りを見ると、ふんだんに使われているウッド(風のフェイク)が目を引く。言ってみれば、カローラというよりもミニクラウンというべきか。

ミッションはCVTで、コンソール上のセレクターはジグザグゲートであり、そのベースプレートは勿論ウッド(調)が使われているが、低いグレードとの差はこのプレートのみだった。

ラグゼール(と中間グレードのG)のエアコンはフルオートタイプが標準装着されているが、低位グレードのXの場合はマニュアルエアコンとなる。なお、純正のナビはオプションを知れべたら設定が無く、これはディーラーオプションとなるようだ。まあ、190万円の車に30万円のラインオプションを設定しても、誰も買わないだろう。それに60歳以上のドライバーはナビなんか必要ないし、あっても使わない(使えない!) 可能性が大きい。



運転席に座ってみると、シートの座り心地は以前よりは大きく改善されたとは言え、そこはカローラだから、大きな期待をするとガッカリすることになる。これは試乗結果が思いのほか良かったフィールダー1.8でも、やっぱりシートはイマイチだったから、セダンの場合は当然それ以上ということも無い訳だ。

それでは実際に試乗に出てみるが、この先は後編にて。

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