TOYOTA AURIS 180G 前編
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カローラのバリエーションでハッチバックモデルはカローラ ランクスおよびアレックスという名前で販売されていたが、2006年のFMCに際してはオーリス(AURIS)と命名され、カローラという名前が全く付かなくなってしまった。オーリスは言ってみれば欧州向けカローラを国内でも販売してものであり、カローラとは一味違ったのだが、そのオーリスが、この度6年ぶりにFMCされ型式はE150系からE180系となった。

今回試乗したオーリス 180Gは、コンフォート系では最上級グレードで価格は206万円にアルミホイールなどを追加した”S Package”のために221万円となる。まずは新旧オーリス 180Gと国産同クラスで欧州でもそれなりに評価されているマツダ アクセラスポーツと、国際的にもこのクラスのベンチマークであるVWゴルフの中から最もベーシックなグレードであるTSIトレンドラインの主要諸元を比較してみる。



新旧オーリスを比較してみると、エンジンは変わらず、ホイールベースも同じで全幅も同じということはプラットフォームも使い回しのようで、言ってみればボディの化粧直しをしただけと言いたくもなるが、ひとつ光っているのはリアサスペンションが1.8Lモデルはトーションビームからダブルウィッシュボーンとなったことだ。ただし、先代でも4WDモデルはダブルウィッシュボーンだったから、今回はFFの1.8Lにも展開したというだけで、新たに設計した訳でもなさそうだ。

アクセラの場合はオーリスの1.8Lに対して2Lだから、当然ながらパワーもトルクも多少上回っている。そして、このクラスの王者であるゴルフはといえば、小排気量(1.2L)ターボという欧州のトレンドであり、ミッションだってオーリスのCVTに対して7速DCT(DSG)という最新の装備であるが、輸入車のハンディと元々がカネをかけた設計であることもあり、価格的には日本勢よりも数十万円高く、しかもグレードで言えばボトムのモデルだから、オーリス 180Gと同等のグレードとなると1.4Lターボのコンフォートライン(315万円)ということになり、価格差は100万円にも達してしまう。しかし、315万円といえば、BMW116iが視野に入る価格だ 、ということにも気がついた。

エクステリアは新しいトヨタのデザイントレンドである”キーンルック”とかバンパーのエアインテークに台形を強調する”アンダープライオリティ”とか、まあナンダカンダと能書きを言っているようだが、なーるほど、これがトヨタのニュートレンドか! と感心するようなモノでも無い。



リアゲートを開けると、ラッゲージルームはCセグメントだけあって、ヴィッツやマーチなどのBセグメント車に比べて多少スペースに余裕がある。と、思ってBセグメントのポロと比較してみたらば、どうもポロのほうが奥行があるような?

オーリスではトップグレードともいえる180G ”S Package”でもシート表皮は標準がファブリック(写真左下)で、更にオプションでサイドに本皮を使ったシート(写真右下)も用意されている(12.6万円)。オーリスの場合はカローラ(特にアクシオ)と違い、木目調のインテリアトリムやベロアのシート表皮などの”高級”仕様の設定がないのは、ユーザー層が違うのだろう。



ドアのインナーパネルはカローラとは全く異なる。写真は ”S Package”ということもあり、ドアハンドルのクロームメッキやグリップのつや消しクローム、そしてアームレストのステッチなど、カローラ一族とは思えないくらいに、結構高級感がある。

180Gのエンジンは2ZR−FAEでカローラフィールダーと同一だし、先代オーリス180とも同じエンジンだ。そしてオーリス150もカローラアクシオやフィールダーの1.5Lと同じである。

 

インパネについてはカローラ(アクシオ&フィールダー)とは全く異なり、この部分は金型を新設したようだ。

エアコンは”S Package”がフルオートで標準はマニュアル式、それ以外のモデルでは最廉価の150X ”C Package”(171万円)以外はフルオートとなる。オーディオは標準では付かないが、写真左下はラインオプションのオーリスライブサウンドシステム(2.8〜3.9万円)という大そうな名称を命名されているが、言ってみればCD付FMラジオだ。考えてみれば4万円以下で、そんな 立派なオーティオが付く訳が無いのだが。 ナビについては、ラインオプションの設定が無いので、ディーラーオプションを装備することになる。カローラも同様だが、このクラスのクルマではラインオプションの高機能なナビは価格が高すぎて車両価格とバランスが取れないから、設定がないのだろう。



ということで、室内は可も無く不可も無く。やはりトヨタ車だったが、180Gというのはラインナップ上では トップグレードだから安っぽさは無いが、150Xなどだともう少しショボくなる。

というわけで、室内も見渡したので、早速走って見ることにする。

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