Toyota Vitz RS 5MT 前編  ⇒後編
※検索エンジン経由でノーフレームの場合はここをクリックしてください。

今から40年ほど前の若者、とくに男性の場合なら一番欲しいものといえばクルマ!それもスポーティーというかマニアックなクルマを選ぶ場合が多かった。各社のラインナップにはコンパクトカーから高級サルーンまで殆ど全ての車種にスポーティーなグレードが用意されていた。 ところが、今や若者のクルマ放れも著しく、それを反映してかMTの設定すら珍しくなっている。そんな時代でも辛うじて一部の車種に残っているMTのスポーツグレードは、販売数こそ少ないが確実にユーザーは存在する。そして、このニッチな市場のために絶滅寸前とは言え、今でもMT車が用意されているのは有難いことだ。 勿論、恐ろしく高性能な300ps級のターボモデルならば、当然のようにMT車はラインナップされているが、ランエボ]などは事実上400万円超えであり、勤務経歴の短い若者が購入するには厳しいものがあるし、300ps級の高性能車を乗りこなすには、それなりの運転経験がないと危険ですらある。そういう意味ではBセグメントのハッチバックをベースとして少し大きなエンジン、すわなち1.5Lクラスを積んで足回りを固めたようなモデルは、クルマ好きの若者には最適なクラスだろう。 という訳で、新型ヴィッツのなかでは最上級であり、最もスポーティーな1.5RSを取り上げてみる。しかも、今回の試乗車は5MTだから、期待が持てる。

1.5RSの価格は5MTが172万円、CVTが179万円で、CVTのみに装備を省いたCパッケージ(160万円)というグレードがある。ただし、ヴィッツは全グレードでオーディオレスだから、5MTに若者には必須のナビ(22万円)をつけると、車輌価格は194万円という結構なお値段となってしまう。

 

エクステリア上での1.5RSの特徴としては、フロントエンドのグリルとバンパー内のエアーインテイクが、よりアグレッシブなデザインとなっていて、他のモデルがファミリーユース丸出しなのに対して、こちらはスポーティになっている。リアも同様にバンパーが異なり、排気管が太くて立派になる。
 



インテリアの最大の特徴はシートがスポーツタイプになることで、表皮もトヨタのいうスポーツファブリックという欧州車的な平織りのファブリックが使われる。  



基本的には他のグレードと共通のRSのインテリアだが、写真は5MTモデルだから、マニュアルシフトレバーと3つのペダルがある。ダッシュボードの材質などはRS用に型を起こすわけにはいかないから、ヴィッツ全てに共通となっている。なお、前回試乗したFというグレードはマニュアルエアコンが装備されていたが、RSにはオートエアコンが標準装備されている。
 

RSのエンジン始動はスマートキーとプッシュボタンによる。 MTのために、始動時はクラッチペダルを踏み込んでからボタンを押すという、今や主流となったインテリジェントキーのタイプを採用している。 ボタンを押すと程なくエンジンは始動し、特に静かでもないが、うるさくもなく、振動もほとんど感じない程度のアイドリングをしている。


そして、いよいよ走り出すのだが、この続きは後編にて。

⇒後編へ