BMW 320 i 6MTvs Skyline 370GT 6MT (2009/5)
  前編(320 i)
後編(370GT)


日本国内で買えるFR&MTで、しかも総額500万円以下といえば、この2車種くらいしか思い
あたらない。内容的には両極端の面もある2車の実際は?

カーマニアとかクルマおたくと呼ばれる連中から見ると、FR(エンスーならばRWDというべきだが)でMTというのは一つの理想には違いない。最近はFF (これもエンスーならFWDと呼ぶ)も進歩が著しく、FRと比べても遜色の無い出来のクルマも見うけるが、そうは言っても前で引っ張るのと後ろで押すの とでは根本的な乗り味で違いがあるのは当然だし、FFでは操舵する車輪で駆動力も伝えるのだから、とくにトルクを掛けた時の操舵感は違って当たり前だ。そして、トランスミッションはといえば、最近はデュアルクラッチトランスミッション(DCT)と呼ばれるタイプの2ペダルミッションが流行りのようで、確かに従来のATの場合はトルコンのスリップがダイレクト感を殺ぐことと、スリップによるロスが原因となって動力性能はどうしてもMTに負けてしまうというデメリットがあった。それでも最近は電子制御によるロックアップの多用で、スリップ感は随分改善 されたが、それでも直結のDCTには敵わない。DCTの場合は人間では不可能な速さのシフトチェンジを行うから、ゼロヨン加速のデーターではMTよりも勝っている状況が見られ、もうMTなんて必要ないのではないか、と思うのも無理は無い。
しかし、しかしですよ。実際に乗り比べてみれば同じ車種でDCTとMTでは、圧倒的にMTが楽しいのもまた事実で、クラッチペダルとシフトレバーの操作という余計な動作こそ、クルマと一体になって走っているという実感が湧くと思うユーザーだって多いはず。勿論、 今時のユーザーは多くが2ペダルを選ぶのは当然だし、何より最近の若者はMTをマトモに操作できない場合が多いと聞く。確かに若い頃に免許を取って最初に乗るのは多くが自宅にある親の車だから、そこにはAT車があるのが普通だし、教習所ではMTで免許を取っても、その後全く縁が無ければ、折角覚えたクラッ チ操作も忘れてしまうのも無理は無い。
さて、そんな現状にもめげずにMTが欲しいという奇特なユーザーで、しかもクルマはFRじゃあなくちゃ乗る価値がない、なんて思っているコテコテのマニアにとって、現在の状況は極めて厳しい。何が厳しいのかといえば、FR+MT車が殆ど市場から姿を消しているからだ。そんな現状で新車で買えるFR+MT車を探してみれば、先ずはマツダロードスターが思い浮かぶ。しかし、これは2人乗り (おまけにオープン!)。幾らなんでも実用上に問題が多すぎるというのなら、同じマツダのRX−8はどうだろう。これなら4人乗りで、しかも変則的ながら4ドアだったりする。しかし、こいつはローターリーエンジン車だから、そのフィーリングが好きなら良いが、独特の低速トルクの無さや異様に滑らかだが迫力のないフィーリングは好みが分かれるところだろう。
まあ、そんな、こんなで探して見ると、国産ではスカイラインクーペ370GTが思いあたる。しかし、これは2ドアだから家庭の事情によっては選択肢から外れるかもしれないが、その手の選択では大本命であることには代わりがない。スカイラインセダンにMT設定があれば話は速いし、それも250GTなら予算的にも大分楽になるのだが、残念ながら無い袖は振れない。そこで輸入車にも範囲を広げて探してみれば、お馴染みBMW320iにMT車の設定がある。しかも輸入車のMTとしては珍しくRHD(右ハンドル)だから、これはチェックしてみたい。

という、長い前置きの末に今回の企画を一言で表せば総額500万円のFR&MT車として、スカイラインクーペ370GT(6MT)とBMW320i(6MT)比較対決という、正にマニアが泣いて喜ぶと自画自賛したくなるような内容でお届けしよう。

先ずはBMW320i(6MT)の試乗記から始めることにする。今回の試乗車は08モデルのMスポーツパッケージ (以下Msp)で価格は約444万円。現在は既にエクステリアの一部にも変更があった09モデル (iDRIVEが標準になり477万円)となっているが、基本的は性能は変わらない。それにBMWの公式サイトを見てみれば 、未だに08モデルが載っているから、未だ在庫が売れ残っているのだろう。まあ、100年に一度の大不況で、クルマの売り上げは30%減が当たり前の現状では、BMWに限らす前年モデルの売れ残りを抱える輸入車のインポーターは多い筈だ。ちなみに後編で比較するスカイラインクーペ370GTはグレードがタイプSPなので価格は450万円だから事実上同価格となる。

BMWのMspといえば無用にワイドなタイヤを履いて、見せ掛けのエアロと共に最速モデルの”M”のナンチャッテ版、すなわちM3モドキやM5モドキという点での批判が絶えないのは今更いうまでも無いが、しかし写真1〜2を見れば、 Mspはベースモデルやハイラインパッケージ車に比べて間違いなくカッコ良い。ところで、現行モデルではセダンにもM3が設定されているから、当然ながら320iMspセダンとM3セダンのエクステリアを比較して見たくなる。と、いう訳で写真3〜4に2車を並べてみたが、こうして見ると 意外に細部が異なっていることに気が付く。なによりM3セダンのフロントをライト形状がセダンの形状ではなくクーペと共通のようだし、ライト以外にもキドニーグリルやボンネットの切断線など、全てクーペベースとなっている。そしてサイドから見れば、似ているようで似ていない。そういう面ではナンチャッテM3としての忠実度ではクーペに軍配が挙がる。まあ、それでも一般の人からみれば、どちらも似たようなもので、恐らく区別は付かないだろうが・・・・・・・。
 


写真1
MC前の08モデルの為に最新とは多少異なるがお馴染み3シリーズMspのM3風なエクステリア。08モデルは今日(09年6月)現在では未だBMWJの価格表には存在する。

 


写真2
2Lの320iである識別は左1本出しのマフラーとエンブレム(これを外して”M”に張替えている例もあるが)くらいだ。09モデルではテールランプの形状が変わっているが、これは08モデルのために従来形状となる。
 

 


写真3
左のM3セダンのフロントは右の320iセダンとはデザインが異なり、クーペ顔をしている。
そうは言っても、一般人には違いが殆ど判らない。


写真4
サイドからのスタイルはM3(上)のフロントフェンダーにあるお馴染みのエアアウトレットが最大の違いとなる。
それ以外でも、良く見れば前後フェンダーも全く別部品のようだ。
 

色々と批判の多いMspだが、実質的なメリットは外観以上にインテリアの質感がベースモデルよりも圧倒的に高いことがあげられる。シートは形状自体がサポートの良さそうなスポーツシートとなり、表皮もサイドにアルカンターラを使用したことから、室内全体の見栄えが格段に良くなっている。天井を始めとする内装材もベースモデルよりも高級な素材を使っているから、ドアを開けた瞬間の満足度はMspを選ぶことで大いに改善される(逆にノーマルは幾分チャチい)。

6MTとはいえ基本はATの320iと全く変わらないから今更詳細な説明はしないが、今回はBMWのドアのチョウバンについて考えてみる。写真8はBMW3シリーズとレクサスISのフロントドアのチョウバンを比較したものだ。以前から思っていたのだが、3シリーズはボディ側の金具が鍛造によるブロックで、これをボティにガッチリとアーク溶接している。片やISは薄い鉄板を板金(プレス)加工した金具をボルトで止めているだけ。まあ、チョウバンとしての機能は変わらないかもしれないが、こういう姿勢がクルマ全体では大きな乗り味の差となって出てくるのだろう。
 


写真5
お馴染み、3シリーズの後席。Mspのためにリアシート表皮もノーマルと異なる。これだけでも室内の雰囲気は大いに違う。

 


写真6
これもお馴染みの3シリーズのフロント。Mspの為にサイドサポートが大きく張り出したスポーツシートが装備される。
 

 


写真7
Mspのシートはサイドがアルカンターラで座面がクロス。黄色←は電動サイドサポート調整スイッチ。
 

 


写真8
フロントドアのチョウバン(黄色い枠)は320iが鍛造ブロックをボディに全周溶接(赤↓)しているのに対してIS250は板金ブレス品をボルトで止めているだけ。
 

 

エンジンの始動は国産車のようにインテリジェントキーを所持していればダッシュボード上のスロットに差し込む必用はない。そして、始動はブレーキペダルを踏んで・・・・・・ではなく、MTの場合はクラッチペダルを奥まで踏み込んでスタートボタンを押す。アイドリング中のエンジンは微かな振動があるが、これは寧ろスポーティーと解釈できる部類の音と振動だ。
拍子抜けするくらい軽いクラッチペダルを踏んでシフトレバーを左前方に送ると停止中でもスムースに1速に入った。初めて乗るMT車の場合はクラッチが繋がる位置が判らないので取りあえずユックリとペダルを手前に戻してゆくと、 平均的な位置でクルマはユックリと前進していく。このクルマのクラッチミートは実に優しくて特別なテクニックは要らないようだ。1速で少し加速して見ると、このクルマのエンジンが4気筒としては例外的にスムースなことに気が付く。 試乗車のオーナーは結構活発に踏み込むタイプのようで、スロットルを1/2程度踏んでも回転計の針はスルスルと上昇してストレス無く5000rpm程度まで上がっていく。この時の音は決して耳を劈くような爆音ではないが、適度な音量でBMWサウンドを聞かせてくれる。 個人的にはフルスロットル時にはもう少し爆音系のハーモニーが聞こえても良いような気もするが。
このクルマのエンジンは320iと120iに共通で、6ATと組み合わせたモデルは今まで色々試乗した経験があるが、今回のクルマはMTである点が初体験だし、実際にMTと組み合わせることで全く違うエンジンであるかのように活発になっている。 4気筒の3シリーズといえば、日本では非力の代表のように言われ、400万円以上も出してあんなトロいクルマを買うのは見栄以外の何物でもないとまで言われていたりする。しかし、欧州では当たり前のように走っているのが不思議だったが、なるほどアチラではMT比率が多いから、全く気にならない訳だと納得する。
今時MT車を買おうというユーザーは、クラッチを含めた操作フィーリングを楽しむことが大きな目的の筈だから、ミッションのフィーリングは大いに気になるところだ。過去にも何回か述べているようにBMWのMTはM(M3やMロードスター等)も含めて決して褒められたものではない。その中では135iクーペの出来が光っていたので、もしや320iもこれに近いものかと期待をしたが、残念ながら従来からのBMWのフィーリングだった。すなわち、途中で引っかかりを感じるようでスムースさに欠けることから、素早いシフトアップがやり難いというもので、特に それは2→3速で感じた。それでも今回の比較相手であるスカイライン370GTよりはマシだったが、これについては370GTのコーナーで詳しく述べることにする。要するに320iのMTは絶賛する程ではないが、ニッサン 車(これも一般的にあまり良くない)と比べれば少しはマシだし、体が慣れてしまえば問題にはならない範囲でもあるだろう。それにしてもホンダやマツダのMTの出来の良さは格別だし、勿論ゲトラグ製の・・・・・・と、まあ、この話はこの辺で止めておこう。

少し慣れてくると、1速であっという間にレッドゾーンに達する割には速度は伸びていないことから、どうも1速は相当なローギアードのようで、しかも2速から3速も離れているようだ。例えば3速で巡航中に速度が落ちてきて2,000rpm以下になったので2速にシフトダウンすると回転計の針は行き成り飛び上がる。そこで320iを始めとして今回関係する車種のギア比を 別表にまとめてみた

この表を元に320iが3速60km/h(2,810rpm)で走行中に流れの速度が40km/h(1,880rpm)まで落ちた為に2速にシフトダウンすると、回転計の針は2,780rpmとなり回転上昇は900rpm。 これがスカイラインクーペ350GTの場合は40km/h時に3速(1,880rpm)から2速(2,680rpm)と多少(約100rpm)回転差が少なくなる。これがボクスターだと3速(1,740rpm)から2速(2,410rpm)となり回転 上昇は670rpmと320iに比べて少ない、すなわちクロスレシオということになる。

と、まあここまで読んでくれた読者は、それでは320iの6MTは使えないのか?なんて誤解されるかもしれないが、そんなことはなく、今までの説明は極々細かい話しで、実際の街中での使用には全く無意味な比較だし、例え峠の大好きなマニアでも大きな問題にはならないと思う。しかし、この手のクルマについては欲を言えばキリがないし、実際に完璧では無い面もあるという事も知っておいて欲しい。

BMWサルーンは前後の重量配分が50:50に拘っていることで有名だが、この6MTは車検証で調べたら何と49:51という僅かではあるがリアヘビーだった。ATに比べて軽量なMTのメカが相対的にフロント荷重を減らしたことでリアヘビーとなったようだ。この恩恵かどうかは定かではないが、試乗車の操舵性はATの320iに比べると、より軽快なことは間違いない。同じ3シリーズでも操舵性の軽快なことでは6気筒搭載モデルより上手なことで有名な320iが、MTによる フロント重量軽減で更に軽快になったようだ。世間で批判の元となっているMspのリア255幅という超オーバースペックなタイヤ(しかもRFT)も、実際に乗ってみれば大きなデメリットも無く、乗り心地だって悪くない。
この試乗記は320iのMTについての検証が目的だがら、ワインディング走行時のMT車の状況を伝えなければならない。そこで同じコースをAT車で走った場合との比較では、まずMTはトルコンスリップがないから、コーナーでスロットルを踏んでもATのように回転計の針が500rpm程度上がっても駆動トルクが大して増えないという状況に対して、確実にトルクが伝わる点だ。それなら最近流行のDCTだって同じだし、レクサスIS−FのようにATでもロックアップを多用すれば結構ダイレクトになりそうだからMTのメリットなんて無いんじゃあないか?という考えがあるだろうが、実際にドライブした時に無意味でもクラッチペダルを使ってシフトアップ、ダウンを繰り返すことによる楽しみが、一部の物好きには実に有意義だったりするし、これを感じないのならMTなんて買う必要は全くない事になる。
ただし、これはATをマニュアルモードで使った場合でも言えることだが、一般公道ではコーナーリング速度からいって、使えるギアは2速もしくは3速しかない。場合によっては3速固定でも結構楽しめるのだが、それではMTの良さがあんまり無いじゃあないか、なんて事にもなる。まあそれでも、無意味と知りながら2速←→3速のシフトを繰り返すのも、これまた楽しいものだ。

ブレーキについてはAT車と全く同じだから例によって極めて軽い踏力で、爪先でチョイと踏むと充分な制動力が得られる。そしてこれも何度も指摘しているが、この軽い踏力ゆえにマニアが大好きなヒールアンドトウ(H&T)は極めてやり辛い。H&Tの話題が出たついでにブリッピングについて触れておくと、シフトダウン時に一瞬スロットルペダルを煽って回転を上げておき、下のギヤでクラッチを繋ぐ際に回転差をなくしてスムースに繋ぐというMT車に乗るからには是非とも覚えておきたいテクニックだが、あっ、そんなこと今更言われなくても判っているぞ・・・・・・なんて怒られそうなので、これ以上は言わないことにする。それで、そのブリッピングの際に 鈍感なエンジンだと一瞬踏んだくらいでは反応しない等という情けない事態も発生するが、320iの場合はちゃあんと吹け上がってくれるからご安心を。ただし、 同じドイツの水平対向エンジンの車などと比べると物足りないのは、まあ当然でもあるが、こういうのと比較するのは反則技でもあるので、この話題はお終い!
 


写真9
MTのシフトレバーと3つのペダル以外はお馴染みの3シリーズそのものインテリア。
ただし、Mspパッケージ装着車の為に、内装材は標準モデルよりも金が掛かっている。
 


写真10
6MTのシフトレバー。ノブはM3と似ているが、同じものかは不明?

 


写真11
ペダル配置は多少右寄りとなっている。フートレストとクラッチペダルの間隔は狭い。
 

 


写真12
基本的にATと同一のメーターパネル。中央下のディスプレイにATのポジション表示が無い点が異なる。

 


写真13
高速道路の100km/h巡航は実に静かで安定している。運転ド下手のオバちゃんでもスイスイと巡航しているのが納得できる。
 

 

一般道で基本的なフィーリングを試した後に高速道路に入ってみる。最近のBMWはETCユニットをルームミラーと一体化してあるので実に目立たずスマートに装着されている。 BMWからみれば今や日本は有り難いお得意さんだから、日本仕様の開発にも充分な力を入れているようだ。おっと、そこのダンナ!言いたい事は判りますぜ。 お得意さんと思うなら日本国内価格を米国並とは言わないが、もっとナントカしろ、ということですね。この問題については後ほど触れますので、それまでお待ちを。

話が横道に逸れたが最近開閉速度を遅らせた高速道路のETCゲートを20km/h程度で通過した後に1速フルスロットルで5,500rpm程度まで引っ張り2速に入れる。5,500rpmで止めておいたのは一般道での1速フル加速の結果から下手に6,000rpm以上 (レッドゾーンは一応6,500rpm)まで引っ張るよりも少し速めにシフトアップしたほうが結果的にはスムースだし、タイム的にもそれ程変わらないとの体験からだ。2速に入れた時点での速度は約45km/hで3,100rpmだから充分にトルクもある領域で、クラッチミート後に直ちにフルスロットルを踏んで再度5,500rpmまで引っ張るが、この時の加速は決して苛つく程には遅くない。そして速度は80km/h弱となり3速へのシフトアップで回転数は3,800rpmとなる。 さらに3速で4,700rpmくらいまで加速すると法定速度の100km/hに達するから、ここで4速にシフトアップすると回転計の針は3,500rpmを指す。ちなみに100km/h巡航は5速で2800rpm、6速では2,400rpmと なるから、6速での100km/h巡航は全く問題ないが、イザ加速が必要な時にはシフトダウンを必要とする。

と、まあここまでの話は揚げ足を取られないように非の打ち所のない順法運転で説明したが、本音で言えば100km/hで4速3,500rpmからフルスロットルで130km/hまで加速した時の回転数は4,500rpmとなる。また100km/hで3速、4,700rpmからのフルスロットルでは、130km/hで6,100rpmまで回すことになり、チョッと苦しい。ただし、320i 6MTの動力性能は実質的な 法定速度?の140km/h未満ならば、大きな不満は無い程度と言える。

こんなことを書くと、直ぐにそれは犯罪者だのと騒ぐ脳内(と自称尊法)オーナーがいるが、実際に高速道路を運転していれば130km/h程度の流れはよくあることだし、巡航ではなくとも一時的に130km/h程度まで加速して並走車を引き離した方が走行車線への復帰が安全な場合もある。何より今のクルマの性能から言ったら100km/h制限というのは再考の余地が有るのは間違いないし、実際に警察庁でも 3年間かけて制限速度の見直し検討に入っているという記事も各所で出ていたのをご承知と思う。
それに今現在でも140km/h以下は反則金の範囲だから、これは犯罪ではなくルール違反。犯罪ならば検事が起訴して弁護人が弁護 (略式起訴ならいらないが)をして、判事が判決を下すというプロセスであることは誰でも知っていることだ。そして、検事、判事、弁護士は何れも国家試験の中でも最難関の司法試験に合格する 必要がある。それに対して交通違反の反則金は覆面パトの運ちゃんや、物陰に隠れて計測しているネズミ捕り班が担当だから・・・・・・。ねっ、犯罪なんて大げさなモンじゃあないでしょう! この区別が付かないような輩には、整形外科(医師)と整骨院(柔道整復師)の大いなる違いも判らないんだろうなぁ。
 


写真18
ATと共通の直4、2.0ℓのN46Bエンジンは156ps/6400rpmの最高出力と20.4kg・m/3600rpm
の最大トルクを発生する。
 


写真19
Mspはリアには8.5J×17ホイールと255/40R17タイヤを標準で装着している。 2L、156psに255?なんて野暮は言わないが・・・。
 

 


写真20
フロントは8J×17ホイールと225/45R17タイヤとなる。

 

さて、BMW320i 6MTの結果は動力性能に多少の物足りなさも無い事はないが、それでも同じ320iのATと比べれば加速性能が一ランクアップしたくらいに違いがある。感覚としては先代3シリーズ(E46)の320i(6気筒2.2ℓ+5AT搭載で325iに近い性能だった)に近いから、十分といえば充分だし、街中でも結構フルスロットルを踏むチャンスもある。更にフロントが軽いことからくる軽快なハンドリングというメリットもあるから、MT好きのマニアには検討の余地が充分あるクルマだった。

さて、比較対照のスカイラインクーペ370GTだが、これについては後編で紹介する。
まあ、乗る前から動力性能では圧倒的に370GTであろう事は判っているが、速いだけがクルマの面白さで無いのも事実だから、さてドンナ結果となるのやら。

後編(370GT)