BMW G05 X5 xDrive 35d 試乗記特別編
  [X5 xDrive 35d vs Porsche Cayenne S 前編 その2]

特別編へようこそ。何時ものように、このコーナーは言いたい放題の毒舌が好みの読者以外はお勧めいたしません。

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ドアを開けて室内を比べてみると、どちらもドイツ製の高級ブランド SUV で、しかもEセグメントという SUV としては大型の部類であり、更に価格は1千万円を超えるというように共通点が多い事もあり、雰囲気は実に似ている。特に写真の2車はどちらもシートカラーが明るい色ということでも似ている原因となっている。

ではシートはというと、表皮はどちらもレザーで高級感という意味では満足度はかなり高い。特にカイエンではサイドのレザーが厚くて多少ギャザーが見える等、以前の BMW に似ている。逆に BMW は以前に比べて少し薄くなめした革が使われている。まあこのクラスのクルマはオプションも豊富だから選択によっては色々な質感の表皮を選べるので、写真のクルマはあくまで一例と思う必要がある。

シート調整は当然ながらフルパワーで、そのスイッチはどちらもシートベース側面に付いている。最近はドア側に付ける例も増えているが、この2車はどちらもシート側に付いていた。まあどちらが良いかは個人の好みもあるが‥‥。なおシートのポジションメモリースイッチはこれも両車仲良くドアトリムのドアノブ付近に付いている。

またサイドのフレーム下端にはお約束のプレートが付いている。X5 は写真のクルマがMスポーツという事で BMW の仕来りに従って "Mロゴ" が付いている。カイエンはこれまたポルシェの仕来りでグレード名、この場合は "Cayuenne S" のロゴが付く。

ドアのインナートリムも其々高級感のあるものが使用されているのは当然だが、一般的に内装についてはどちらかと言えばポルシェよりも BMW の方が高級感やセンスで勝っている場合が多い。しかし今回の両車ではそれ程の違いは無い。というのは 911 では新型の 992 では寧ろ先代 991 よりも質感が劣ったようにも見えるが、カイエンでは先代911 (991) に近いものが使用されている為に、大声で文句を言いたくなる事は無い。

アームレストのパワーウィンドウスイッチ付近を拡大して見ると、両車共にレザーにステッチが入り、高級車の定番的なモノが採用されている。

ダッシュボードについても X5 は最近の BMW に準じたものであり、カイエンは 992 等最新のポルシェのトレンドに従っている。ただし同じ最新の BMW 車とはいえ、Z4 は車高の低いスポーツカーという事もあり、サルーンや SUV とは異なっている。

センタークラスターは X5 の場合3シリーズ (G20) と全く同じだ。何〜い、3シリーズと同じだとお〜。じょ冗談じゃない、何て言いたくなるだろうが、最近の BMW はそこまで共通化を進めてコストダウンに邁進しているのだった。

カイエンのセンタークラスターはというと、こちらも最近のポルシェに従った配置と形状ではあるが、911 (992) とは配置は同じながら機器類は全く異なっている。そのトップボードには例のストップウォッチが鎮座しているが、まあこれは最近のポルシェのアイデンティティの一つと思えば良いが、実はこらは本来オプションだ。

フロントコンソール後端には両車共お約束のリア用エアアウトレットがある。とは言えショーファードリブンの高級サルーンとは違い、どちらもシンプルではある。

ここまでの比較では両車共意外に共通点も多いが、アイデンティティを主張する部分は其々一目で判る違いもあり、その面ではドライバーの好みで選べる余地もあり、国産車のような何処を切っても同じ、金太郎飴みたいな事は無い。

そして走りについては後編にて。


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