ステーションワゴン、クーペに引き続き「何処へ行った」シリーズの第三弾は国産ホットハッチを取り上げてみる。
その昔はクルマ好きの若者の定番といえば、コンパクトハッチバック車のエンジンを多少チューンナップしたり、上級車のエンジンを無理やり載せて、これに足回りを強化し、内装もそれなりにスポーティに装った、スポーツハッチだった。
この手のクルマはスポーツクーペやスペシャルティーカーに比べれば、辛うじて生息していたが、ここ1〜2年でベース車輌のFMCなどにより、絶滅に近い状態になっていた。そこで、まずは代表車種を並べてみると
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① |
② |
③ |
④ |
⑤ |
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ニッサン
March12 SR |
ダイハツ
BOON X4 |
ミツビシ COLT
Ralliart Ver.R |
スズキ
SWIFT Sport |
ルノー
Twingo GT |
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販売状況 |
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販売終了 |
販売終了 |
販売中 |
販売終了 |
販売中 |
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車両型式 |
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DBA-AK12 |
ABA-M312S |
CBA-Z27AG |
CBA-ZC31S |
ABA-ND4FR |
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寸法・重量・乗車定員 |
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全長(m) |
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3.735 |
3.630 |
3.925 |
3.765 |
3.600 |
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全幅(m) |
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1.670 |
1.665 |
1,695 |
1.690 |
1.655 |
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全高(m) |
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1.505 |
1.535 |
1,535 |
1.510 |
1,470 |
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ホイールベース(m) |
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2.430 |
2.440 |
3.025 |
2.390 |
2.740 |
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駆動方式 |
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FF |
4WD |
FF |
← |
← |
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最小回転半径(m) |
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4.4 |
4.7 |
5.4 |
5.2 |
N/A |
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車両重量(kg) |
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960 |
980 |
1,110 |
1,060 |
1,040 |
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乗車定員(名) |
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5 |
← |
4 |
5 |
4 |
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エンジン・トランスミッション |
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エンジン型式 |
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CR12DE |
KJ-VET |
4G15 |
3ZU-FE |
D4F |
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エンジン種類 |
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I4 DOHC |
I4 DOHC Turbo |
← |
4 DOHC |
I4 SOHC Turbo |
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総排気量(cm3) |
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1,240 |
936 |
1,468 |
1,586 |
1,148 |
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最高出力(ps/rpm) |
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110/6,900 |
133/7,200 |
163/6,000 |
125/6,800 |
100/5,600 |
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最大トルク(kg・m/rpm) |
13.7/3,600 |
13.5/3,600 |
21.4/3,500 |
15.1/4,800 |
14.8/3,000 |
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トランスミッション |
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5MT |
← |
← |
← |
← |
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燃料消費率(km/L)
(10/15モード走行) |
N/A |
14.6 |
15.4 |
14.6 |
N/A |
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パワーウェイトレシオ(kg/ps) |
8.7 |
7.4 |
6.8 |
8.5 |
10.4 |
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サスペンション・タイヤ |
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サスペンション方式 |
前 |
ストラット |
← |
← |
← |
ストラット |
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後 |
トーションビーム |
3リンク |
トーションビーム |
← |
← |
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ブレーキ方式 |
前/後 |
Vディスク/ドラム |
← |
Vディスク/ディスク |
← |
Vディスク/ドラム |
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タイヤ寸法 |
前/後 |
185/55R15 |
175/65R14 |
205/45R16 |
195/50R16 |
185/55R15 |
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価格 |
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車両価格 |
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179.3万円 |
183.8万円 |
196.5万円 |
162.8万円 |
240.0万円 |
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備考 |
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CVT設定あり |
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① ニッサン マーチSR (販売終了)
オーテックによりノーマルの90psからチューンナップされている。また5MTはルノートゥインゴGT用を流用している。試乗した結果はオーテックチューンとは言え実用車のエンジンがベースのために、レスポンスの悪さがスポーツ感を台無しにしている、という感じだった。
ベース車輌のFMC(10年7月)により販売終了。
② ダイハツ ブーン X4 (販売終了)
X4(クロスフォー)は街乗り用スポーツモデルとは異なり、モータースポーツのベース車輌として発売された。排気量936ccというのは、レギュレーションでのターボ換算(1.7倍)を考慮して、1.6リッタークラスでの出場を考慮したもので、この点でも他社とは全く異なるカテゴリーの車だ。
残念ながらX4の試乗は実現できなかった。ベース車輌のFMC(10年2月)により販売終了。
③ ミツビシ コルト ラリーアートバージョンR
国産ホットハッチでは唯一の現行販売車輌。アウターサイズは他の4車よりも少し大きめで、エンジンも1.5リッターターボと最も強力で、言ってみればランエボの子分的なクルマ。
残念ながら試乗の機会は無かったので、乗り味は判らない。
④ スズキ スイフトスポーツ (販売終了)
国産ホットハッチとしては最もメジャーだったクルマで、160万円という価格も手ごろなことから、絶滅寸前の若いカーマニアからみれば救世主的な存在となっている。
AT版は初期モデルに試乗しているが、洗練こそされていないが其れなりにホットハッチの特徴を備えていた。ベースのスイフトは極最近FMCされたため、このクルマも絶版となってしまった。
⑤ ルノー トゥインゴ GT
輸入ホットハッチの代表例として比較してみた。このクルマに試乗した時に驚いたのは、スペック以上にパワフルで、しかも機敏な運動性能は、この手のクルマが単なる動力性能ではないことを教えてくれる。とにかく、ホットハッチの本場だけのことはあり、その官能性は抜群だった。輸入車のハンディで価格が高いのがネックとなる
が、逆にいい年したオッさん(とオバハン)が乗っても恥ずかしくないのはメリットでもある。
という訳で、多くの国産ホットハッチが絶版となってしまったが、理由の一つとして丁度時期的にベース車輌のFMCに重なってしまったことがあり、その意味では近い将来には、ホットモデルも追加される可能性もある。
なお、輸入車にはフィアット500アバルトやプントアバルト、アルファロメオMito、そしてトゥインゴRSなどマニアの血が騒ぎそうなモデルが結構ある。
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