B_Otaku のクルマ日記


4月21~30日←  [2022年4月11~20日]  →4月1~10日



---------------------------------------------------------------------

2022/4/19 (Tue)  初代シーマとライバルたち<3>

前回は初代シーマのライバルの欧州車として、メルセデス・ベンツを取り上げたが、今回はその続きとして BMW について纏めてみる。

先ずは当時の BMW のラインナップでの底辺とも言える3シリーズから取り上げるが、当時の3シリーズは「六本木カローラ」などとバカにされていた。まあ、そういう事を言う奴はせめて5シリーズやEクラスのオーナーかといえば、勿論そんな事は無く、言ってみれば日東駒専をバカにするのは早慶でも MARCH でもなく、高卒か専門卒というのと同じようなものだ(笑

その3シリーズのアウターサイズは、全長 4,325 x 全幅 1,645 x 全高 1,380 ㎜ ホイールベース 2,570㎜ で、勿論5ナンバーサイズだ。因みに「本物のカローラ」(1989年 DX) は全長 4,235 x 全幅 1,655 x 全高 1,365 ㎜ ホイールベース 2,430㎜ であり、な~る程、ホイールベースを除けば殆ど同サイズだ。

因みに3シリーズのベースグレード、318i(1.8L)は 313万円で、カローラはトップグレードの GT(1.6L)が 150万円という訳で、庶民から見ればブランド料だけで2倍もするなんて、買う奴は余程の見栄っ張りだ、と思っていたのは当然だ(笑

3シリーズの場合、ベースグレードの 318i がメルセデスベンツ 190 の 395万円に対して 100万円程安かった事も、世間からバカにされる原因だった。それでも 6気筒 2.5L 搭載の 325i は433万円とシーマ タイプⅡ‐ S の 426万円と同等であり、また性能的にはサイズこそ小さいが、パワーウェイトレシオではシーマの 6.4kg/ps に対して 7.4kg/ps と数字的にも近く、しかも 325i はシルキーシックスと呼ばれるウルトラスムースな直6エンジンだから、スペックだけのドッカンパワーであるシーマと比べても、経験あるドライバーならその違いは判るとは思うが‥‥。

スタイルはお馴染みのアイデンティティであるキドニーグリルにより一目で BMW と判るものだが、正直言って当時のブランド力としてはメルセデスベンツより格下、という感は否めなかった。

3シリーズの内装は20年程前までは、メルセデスベンツ 190 に比べても安っぽくてプラステイッキーだった。ただし BMW として伝統的なドライバー側に向いたセンタークラスターは如何にもという感じで、内装のチャチさを補って余りある、という感じではあった。

今度はメルセデスベンツの W124 に相当するEセグメントの5シリーズ(Eー34)を見て見よう。

アウターサイズは、全長 4,720 x 全幅 1,750 x 全高 1,415 ㎜ ホイールベース 2,765㎜ で、流石に3シリーズとは違い、堂々とした大きさで、セドリックシーマの全長 4,890 x 全幅 1,770 x 全高 1,400 ㎜ ホイールベース 2,735㎜ と比べても全長以外は同等であり、ホイールベースに至っては5シリーズの方が長い。当時の国産車は欧州車に比べて全長の割にホイールベースが短く、これは日本車のポリシーや技術力が遅れていた事を如実に示す部分だ。

インテリアも3シリーズとは打って変わって豪華であり、その豪華さも当時の日本車の田舎臭い豪華さに比べれば一線を画していた。それどころかメルセデスベンツと比べてもセンスの良さでは勝っていたが、まあそれは都会のバイエルンにある BMW と、ド田舎のシュツットガルトのメルセデスという違いでもある。

当時の BMW はメルセデスベンツに比べればどうしてもワンランク下という感があり、事実耐久性などでも問題があった。BMW が本当にメルセデスベンツと対抗できるようになったのは、3シリーズの場合、今回取り上げた E30 の次の E36 の、そのまた次の E46 だった。

この E30 ~ E46 について、セダンの推移を取り上げた過去の試乗記は残念ながら見つからなかった。そこで、M モデルを例にしての以下の試乗記でその変遷に軽く触れていたので、参考にリンクを貼っておく。
BMW M3 Coupe 試乗記 (2008/7)

また 5シリーズ に関しては
BMW New(F10) 535i 試乗記 (2010/6)

最後に3シリーズ(E30)および5シリーズ(E34)とシーマのスペックを一覧表としてまとめておく。

実は、今回の連載はベンツ・ビーエムとシーマの比較だから今回で終了の予定だったが、その他の輸入車も取り上げるべきかな、何て思い始めたことから、次回はフォルクスワーゲンとアウディを取り上げようと思っている。

乞うご期待!

 


4月21~30日←  [2022年4月11~20日]  →4月1~10日